<入谷・地主神社 いりたにじのしじんじゃ>
入谷・地主神社の境内へと足を進めると、
一見しただけでそこが、人の手で丁寧に祀られた、
理想的な形の神社であることがわかりました。
さすが世界遺産・熊野古道へと続く場所だけあって、
観光客やハイカーにも理解しやすいよう、
説明書きが綴られた立て看板まで設置されております。
山道を登った山中や、集落の奥まった場所などに
位置していることが多い他の無社殿神社と比べて、
この場所はとても安全かつアクセスも容易です。
それと同時に、神社の周りを見渡しても、
祭壇以外の人工物がひとつもないため、
原初の神社の姿をうかがい知ることもできます。
もし、「おすすめの無社殿神社」を聞かれたなら、
迷わずこの入谷の地主神社を選ぶでしょう。
豪奢な今どきの神社仏閣を見慣れた現代人の目に、
その簡素で素朴な自然信仰の有り様は、
ことのほか新鮮に映るかもしれません。