<真砂・宝山神社 *まなごほうざんじんじゃ>
峯の山の麓から、371号をさらに北上し、
前回訪れた洞尾という地区を通り過ぎて、
10分ほど車を走らせた先に、
「真砂」という集落が見えてまいります。
七川ダム湖の手前にあるこの小さな里は、
昭和初期には、約150軒の民家が軒を連ねる
古座川上流随一の集落で、銀行や小学校、
床屋や映画館などもあったということです。
その当時は、「真砂舟(まなごぶね)」
と呼ばれる全長約8m、幅1.2mほどの川舟が、
帆を揚げ船団を組んで古座川を往来するなど、
流域でも指折りの物流拠点だったそうですが、
今では川筋に10軒ほどのお宅が残るのみで、
村の中心部だった場所はすでに廃村となり、
主のいなくなったいくつかの廃墟が、
賑やかだった頃の名残を伝えていました。