<国立歴史民俗博物館>
先日、「日本には多様なDNAタイプが集まっている」
という記事を書きましたが、その中でも際立った
特徴を持つのが「D系統のY染色体」でして、
このDNA型は日本(およびチベットとインド洋諸島の一部)
にのみ高頻度に出現し、現在も日本人男性の3割近くが、
この型の遺伝子を継承していると聞きます。
何でもD系統遺伝子は、「縄文遺伝子」とでも
呼ぶべき古代血統で、このグループに所属する日本人は、
古くから日本列島に居住していた可能性が高いのだとか……。
ちなみに、Y染色体というのは、父系をたどって
たどり着くハプログループ(共通の祖先)を指し、
母系でをたどってたどり着く「ミトコンドリアDNA」
のハプログループと組み合わせて分析することで、
各々のルーツをほぼ正確に示すことができるそうです。
母系の「ミトコンドリアDNA」に関しては、
日本と東アジアの国々の間に
顕著な差異は見られないことから考えると、
この「D系統Y染色体」の特異な分布こそが、
日本人のルーツを探る上で大きなカギとなるのでしょう。