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寡黙堂ひとりごと

詩吟と漢詩・漢文が趣味です。火曜日と木曜日が詩吟の日です花も酒も好きな無口な男です。

十八史略拾い読み 殷

2008-11-05 17:46:09 | Weblog
今朝出勤直後突然左目に白い靄がかかってしまった。眼帯の鬱陶しさとは違う、違和感と焦燥感に襲われたが、幸い15分後に次第に晴れてきた。一時は失明まで頭を過ぎったが、念のため女子医大病院の眼科を受診した。さて十八史略のつづきを

紂、有蘇氏を伐つ。有蘇、妲己を以て女(めあ)わす。寵有り。其の言皆従う。賦税を厚うして、以て鹿台の財を実(み)て、鉅橋の粟を盈つ。沙丘の苑台を広め、酒を以て池と為し、肉を懸けて林と為し、長夜の飲を為す。百姓(せい)怨望(えんぼう)し、諸侯畔(そむ)く者有り。紂乃(すなわ)ち刑辟(へき)を重くす。銅柱を為り、膏(あぶら)を以て之に塗り、炭火の上に加え、罪有る者をして之に縁(よ)らしむ。足滑らかにして跌いて火中に墜つ。妲己と之を観て大いに楽しむ。名づけて炮烙の刑と曰う。淫虐甚だし。庶兄微子数々(しばしば)諌むれども従わず。之を去る。比干(ひかん)諌めて三日去らず。紂、怒(いか)って曰く、吾れ聞く、聖人の心(むね)には、七竅有り、と。剖(さ)いて其の心を観る。箕子。佯狂して奴と為る。紂之を囚(とら)う。殷の大師、其の楽器祭器を持して周に奔(はし)る。

鹿台鉅橋 財宝や穀類を貯蔵する場所  怨望 望もうらむ  刑辟 辟は罰  
庶兄 妾腹の兄  比干 紂の諸父  七竅 七つのあな  佯狂 狂人を装う
大師 音楽を司る長官

十八史略拾い読み 殷紂王

2008-11-04 18:05:43 | Weblog
先日カザグルマだと思うとしたのは、思い込みで、どうもテッセンらしい。
ところで昨日二松学舎の学祭に行きました。宮川女史の母校で、彼女は茶道部の手伝いをすると聞いていたので、のぞいたわけです。立礼とのことなので、作法も何も知らないけれど、一服戴きました。書道の展示が多く、王之渙の涼州詞と王羲之の蘭亭序が多かったです。読めない字が沢山ありました。
十八史略のつづきです。
殷、世襲三十一世の後、紂が出現します。
帝辛、名は受、号して紂と為す。資 弁捷疾、猛獣を手挌す。智は以て諌を拒(こばむ)に足り、言は以て非を飾るに足る。始めて象箸を為(つく)る。箕子嘆じて曰く、彼、象箸を為る。必ず盛るに土簋(どき)を以てせじ。将に玉杯を為らんとす。玉杯象箸、必ず藜藿(れいかく)を羹(あつもの)にし、短褐(かつ)を衣(き)て茆茨の下に舎(やど)らじ。則ち錦衣九重、高台広室、此に稱(かの)うて以て求めば、天下も足らじ、と。

手挌 手でうつ  箕子 紂の庶兄  土簋 粗末な器  藜藿 あかざと豆の葉
短褐 丈の短い着物  茆茨 かやぶき 

十八史略拾い読み 殷

2008-11-01 14:34:25 | Weblog
昨日見たもの。てっせんに似たカザグルマ(だと思う)。タイワンホトトギス。茶。かたつむり。カンナ。カリンの実。カラス瓜の真っ赤な実。サザンカ。

十八史略も既に伝説の域を脱している。司馬遷の史記では五帝本紀を第一番目にあげている。すなはち、黄帝、顓頊、帝嚳、帝堯、帝舜、の五帝で次いで夏本紀の禹、第三に殷本紀としている。

大旱七年。太史之を占うて曰く、当に人を以て祷(いの)るべし、と。湯曰く、吾が為に請う所の者は民なり。若し必ず人を以て祷れとならば、吾請う自ら当らん、と。遂に斎戒し、中略 桑林の野(や)に祷る。六事を以て自ら責めて曰く、
政(まつりごと)、節あらざるか、民、職を失えるか、宮室崇(たか)きか、女謁(じょえつ)盛んなるか、苞苴(ほうしょ)行わるるか、讒夫(ざんぷ)昌んなるか、と。言未だ已(や)まざるに、大いに雨ふること方数千里。

太史 天文官  人を以て祷る 人をいけにえにして雨乞いをする
六事 政治に節度があるか、失職者がいないか、住まいが立派すぎないか、女官の
内緒の頼みごとがないか、賄賂が横行していないか、讒言する者がいないか。
苞苴 つと、わら 物を贈るとき、つとに包み、わらを敷いたから 賄賂。