嵯峨天皇が退位し弟淳和天皇が即位した後、827年に経国集が世に出ます。
ここでもやはり嵯峨天皇の詩は一際光彩を放っております。
山の夜
居を移して今夜薜蘿に眠る 夢裏の山鶏暁天を報ず
覚えず雲来って衣暗に湿う 即ち知る家は深渓の辺に近きを
(薜蘿=隠者の住まい)
弘法大師空海も遣唐使となりました。在唐の詩が経国集にありますが、これは
最も有名な詩です。
後夜仏法僧鳥を聞く
閑林独坐す草堂の暁 三宝の声一鳥に聞く
一鳥声有り人心あり 声心雲水倶に了了
空海の没後十年菅原道真が生まれています。宇多天皇の信任を得て右大臣にまで
昇進しますが、讒言にあって大宰府で生涯を終えます。
絶頂期に御所で醍醐天皇の御前で詠んだ秋思と、配流先で失意の中で一年前を偲んだ九月十日を続けてお送りします。
秋思
丞相年を度って幾たびか楽思す 今宵物に触れて自然ら悲し
声は寒し絡緯風吹くのところ 葉は落つ梧桐雨打つの時
君は春秋に富み臣漸く老ゆ 恩は涯岸なく報ゆること猶遅し
知らず此の意何くにか安慰せん 酒を飲み琴を聴きまた詩を詠ず
(丞相=道真自身 君=醍醐天皇 春秋に富む=若い)
九月十日
去年の今夜清涼に侍す 秋思の詩編独り断腸
恩賜の御衣今此に在り 捧持して毎日余香を拝す
またつづく
ここでもやはり嵯峨天皇の詩は一際光彩を放っております。
山の夜
居を移して今夜薜蘿に眠る 夢裏の山鶏暁天を報ず
覚えず雲来って衣暗に湿う 即ち知る家は深渓の辺に近きを
(薜蘿=隠者の住まい)
弘法大師空海も遣唐使となりました。在唐の詩が経国集にありますが、これは
最も有名な詩です。
後夜仏法僧鳥を聞く
閑林独坐す草堂の暁 三宝の声一鳥に聞く
一鳥声有り人心あり 声心雲水倶に了了
空海の没後十年菅原道真が生まれています。宇多天皇の信任を得て右大臣にまで
昇進しますが、讒言にあって大宰府で生涯を終えます。
絶頂期に御所で醍醐天皇の御前で詠んだ秋思と、配流先で失意の中で一年前を偲んだ九月十日を続けてお送りします。
秋思
丞相年を度って幾たびか楽思す 今宵物に触れて自然ら悲し
声は寒し絡緯風吹くのところ 葉は落つ梧桐雨打つの時
君は春秋に富み臣漸く老ゆ 恩は涯岸なく報ゆること猶遅し
知らず此の意何くにか安慰せん 酒を飲み琴を聴きまた詩を詠ず
(丞相=道真自身 君=醍醐天皇 春秋に富む=若い)
九月十日
去年の今夜清涼に侍す 秋思の詩編独り断腸
恩賜の御衣今此に在り 捧持して毎日余香を拝す
またつづく