トヨタ自動車は2023年6月9日、「ルマン24時間レース」において水素エンジンを搭載するコンセプト車「GR H2 Racing Concept」を発表した。水素エンジンを使用したハイブリッドシステムのパワートレーンで、将来のルマン参戦を見据えている。

「GR H2 Racing Concept」
「GR H2 Racing Concept」
全長は5100mm、全幅は2050mm。(写真:トヨタ)
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 トヨタ会長の豊田章男氏は会見で、「モータースポーツのレースでのパフォーマンスや興奮を犠牲にすることなくカーボンニュートラル(温暖化ガス排出実質ゼロ)の実現を目指している」と述べた。トヨタは2021年から、モータースポーツという過酷な環境下で水素エンジン技術を鍛えてきた。水素エンジンカローラは、日本の「スーパー耐久シリーズ」の他、2022年にはタイで開催の「IDEMITSU 1500 SUPER ENDURANCE 2022」に参戦した。

 ルマン24時間レースはフランス西部自動車クラブ(ACO) が主催し、フランスのル・マン近郊で行われる24時間の耐久レース。2026年からトップカテゴリーにおいて水素エンジン車と燃料電池車の参戦を認める。2023年5月27日に富士スピードウェイ(静岡県小山町)で開催した「スーパー耐久シリーズ2023」の記者会見でACO会長のPierre Fillon(ピエール・フィヨン)氏が公式に発表していた。

富士スピードウェイで会見に臨むピエール・フィヨン氏
富士スピードウェイで会見に臨むピエール・フィヨン氏
「トップカテゴリーで争う全ての車を水素活用車とすることを目指す」と述べた。(写真:日経Automotive)
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