自民党=統一教会?<本澤二郎の「日本の風景」(4507)

<80年代に浮上した統一教会・勝共連合=岸信介・笹川良一の庇護>

 1972年が明けると、佐藤長期政権の後継争いが目の前で繰り広げられていた。そのころのことが走馬灯のように脳裏をよぎる。右も左もわからなかった駆け出し記者は、宏池会の大平派を担当した。参謀の鈴木善幸邸を夜回りしたことが、政治記者の一日目だった。鈴木が水割りを作ってくれ、娘が刺身の膳を用意した。娘はその後、麻生太郎の嫁に。鈴木の長男は、現在の財務大臣だ。

 

 日中友好・日中国交正常化を公約した大角連合が、台湾派の岸・福田派を破って政権を担当し、見事公約を果たした。その後、間もなくして首相退陣後の佐藤栄作との単独インタビューを、言論界として初めて成功させた。この会見で骨折ってくれたのが、岸信介を「岸くん」と呼んでいた千葉三郎である。佐藤が、ホテル・オークラに事務所を構えて間もなくだった。その時、彼は息子の信二を紹介した。後に彼が「高村正彦は統一教会の顧問弁護士だ」との秘密を明かした。少しは驚いたが、当時は極右反共の韓国のカルト教団の理解がなく、馬耳東風を決め込んだ。高村は三木派だが、ひとり同派の右翼議員として知られた。案の定、安倍内閣で防衛大臣・自民党副総裁。二人は統一教会の仲間だった。

 

 いま猛省しきりだ。80年代のころ、言論界や議会が統一教会・勝共連合にメスを入れておけば、戦前回帰の清和会政治を回避出来ただろう。むろんのことで、1億円もむしり取られた安倍暗殺犯人の山上徹也も存在しなかった。

 

<72年ごろ、岸信介や佐藤栄作らと対面、佐藤信二が「高村正彦は統一教会の顧問弁護士」と=だが、馬耳東風の凡人ジャーナリスト>

 東京・新橋駅西口の日石ビルに岸事務所があった。岸はいち早く石油エネルギー利権に食い込んでいた証拠だ。孫の晋三がロシアのサハリンに手を出した背景でもあろう。岸と安倍は遺伝子的に一体なのだ。

 統一教会・勝共連合は、福田赳夫を経由して晋三につながる。晋三の黒幕は、笹川の息子の陽平。地下鉄サリン事件で有名な、オウムの上九一色村の広大な大地を所有し、安倍家の別荘と日本・東京財団を率いる笹川家との共闘をひけらかしていて不気味だ。ここに森喜朗や小泉純一郎らが踝を接していたことは、ネット映像で確認できる。

 

 日石ビル事務所で岸が「福田君を総理にしないとバッジをはずせない」といっていた。その福田が、三木内閣副総理のころ、福田は文鮮明の集会であいさつ、ほめちぎった後、福田と二人が抱きつく映像を友人が送ってきた。岸と福田の統一教会は、安倍晋太郎や森喜朗を経由して安倍晋三につながった。すなわち、反共の国粋主義者・岸と、岸と共に巣鴨刑務所入りした笹川が、反共の政治宗教団体の韓国・文鮮明の日本布教に深く深く手を貸してきた。文鮮明が亡くなっても、夫人が教祖となって今も活躍している。被害者は今も。

 日本人を洗脳し、信者に仕立て上げて、悪魔となった日本人が、悪魔を信じる信者から、生活が出来なくなるまで、破産させるまで金を巻き上げるという、想像を絶するカルト教団が50年、60年と存続していることに驚愕するばかりである。誰が宗教法人を認可したのか。岸に違いない。そうした悪魔教団にも顧問弁護士がいたとなると、まともな人間は法治の日本を信じることなど出来ない。とことん日本人同士の間で、強引な金集めで1億円をむしり取られても、それでも反省も覚醒もしない容疑者の母親は、依然として悪魔信仰にまとわりついている。人間とは何なのか、を考えさせられるだろう。

 これをどう理解すべきか。理解しようとしてもできない。取り締まらない日本社会の狂気を裏付けている。そのことを安倍事件は、強く日本社会に警鐘を鳴らしている。

 

 死者に鞭打つわけではないが、加害者をそこまで追い込んだ悪魔のカルト教団を、普通の人間・日本人であれば、怒りを抱く。そんな悪魔を日本に呼び込んだ岸・笹川の罪は、まさに万死に値する。それらの悪魔を擁護するかのような警察と検察の責任はどうなのか。警備の問題ではない。頭が狂うではないか。悲劇のヒーローは逆ではないのか。

 

<「うちに来た運転手は統一教会・勝共連合よ」と千葉三郎秘書>

 いつのころか、千葉三郎代議士の事務所の寺部かつ秘書が「今度来た運転手は、統一教会・勝共連合の人よ」と教えてくれたことがある。無知な記者は馬耳東風を決め込んだ。岸と千葉の仲を利用したカルト教団の策略に、当時はだれも気付かなかった。

 

 藤山派から福田派に入会した中野四郎のもとに、20代後半のこぎれいな女性が押しかけてきた。男性秘書は「私は色仕掛けに引っかからなかった。清和会の連中からも、色仕掛けに引っかかったという話は聞かなかった」と証言してくれたが、男女問題が露見することはまずない。信じられない。

 古参の自民党秘書は「御殿場の岸邸にきれいな手伝いがいるが、彼女は統一教会の女性だよ」と教えてくれた。岸の晩年はまんざらではなかったらしい。カルト教団の配慮に違いない。それにしても「色仕掛け」という言葉を聞いたのは、何十年ぶりか。

 色仕掛けは、旧ソ連や韓国・台湾派国会議員からよく聞いた。中国に出入りした自民党議員が、ホテルに女性を呼んで遊んでいる時、公安警察が飛び込んできたという話も。

 

 福田赳夫が首相になる前のことだった。清和会の集金パーティーの壇上に笹川良一が、小走りに駆けあがって福田とあいさつした場面を目撃して驚いた。同派の右翼体質は岸譲りだった証拠。千葉三郎とおしゃべりしてた時のことだが、彼は「岸くん」といい、笹川を「笹川さん」と呼んでいた。背後に金の流れを感じた。

 

<警察のトップ・二之湯国家公安委員長が統一教会派だった!>

https://news.yahoo.co.jp/articles/b3f95dd0e9eafbe01f742863a7c23d18cb0f1

 大変な事態が起きていた。国家公安委員長が統一教会派であることが判明した。これでは警察も検察も動くことが出来ない。まともな内閣であれば、即首であろう。議会も言論界も大騒ぎする場面であるのだが、どうしたことか。

 「日本はアメリカだけでなく韓国の属国」と揶揄されても文句ひとつ言えない。恐ろしい日本は、既に経済力でも韓国に負けている、と怒る日本人は少なくないのだが。

2022年7月17日記(東芝製品不買運動の会代表・政治評論家・日本記者クラブ会員)