昨日、今年の春闘の一斉回答日だったが、いくつかの大手産業では3万円台の満額回答、中には要求額より多い額の回答をした企業もあった。
時を同じくして中央では政経労の会合があるなど、デフレ改善の起爆剤になるのは賃金引上げだとして今年も官製春闘を色濃く示している。
これから、中小企業の賃上げに移っていくが、焦点になる中小企業の賃上げは大企業のような大幅引き上げは困難だろう。
先に日産自動車が傘下の関連企業に値引きを強要して大きな非難を浴びたが、恐らく日産だけではなく多くの大企業が関連企業や取引先の中小企業に本来禁止されているはずの値引きを迫っていることが想定される。
労働者の数が全体の70%を占めている中小企業や零細企業に働く労働者の賃上げがはかばかしくないと、日本全体としてデフレ脱却は高根の花になる。
また、非正規社員の賃金引き上げも関係者の努力で時間給が少しずつ上がってはいるようだが、その額は微々たるものになっている。
このような状態では、少数の大企業がいくら大幅な賃上げをしても、中小、零細企業、非正規社員などの賃上げが少額だと、今年も実質賃金の向上、デフレ脱却は困難だろう。