積水ハウス、土地売買で５５億円を詐取される。考えられない不手際か

　住宅建設会社の大手積水ハウスが、地面師と言われる詐欺グループに騙され、東京都品川区の土地購入代金約５５億円をだまし取られた事件は、騙された方が不動産には専門の筈の大手住宅会社なので、どうも腑に落ちないところがある。

　土地売買の原則は、不動産の所有を証明する登記権利書を確認し、法務局で登記簿を閲覧、土地所有者を確認しなければならない。

　また、その土地に抵当権や根抵当権など、なにがしかの担保に入っていないか否かの確認をすることも必要だ。

　しかし、積水ハウスは、登記済証のコピーによって取引をしたようだが、本来、代金は、法務局で所有権移転登記を行い、それを見極めた上で引き渡すのが当たり前だ。

　ところが、今回の事件は、所有権移転登記がなされていない段階で、５５億円もの巨費が、詐欺グループの手に渡ったようなので、びっくりするしかない。

　これが、この種の取引は初めての素人ならばともかく、百戦錬磨の大手住宅会社が詐欺にあったのだから、地面師がいかに巧妙な手口を用いたのか、それとも積水の担当者が、お馬鹿で、内部統制が取れていなかったかどちらだろう。

　今回、取引の対象になった土地は、都内でも有名な一等地で、住宅会社ならどこも喉から手が出るほど欲しい土地のようだ。積水は、一等地が手に入るため、功を焦ってとんでもない詐欺にあった感じだ。