まろの陽だまりブログ

顔が強面だから
せめて心だけでもやさしい
陽だまりのような人間でありたいと思います。

山田ドラマの魅力

2023年12月04日 | 日記

脚本家の山田太一さんが亡くなった。
数年前から闘病中であることはすでに聞いていたし
最近は新作のドラマを見ることもめったになくなっていて
寂しい気待ちになることも多かっただけに
そうかとうとう亡くなられたのかと激しい喪失感がこみ上げる。
もう一度、あの硬派で骨太なテレビドラマを堪能したかったと心から思う。

いつも遠くから仰ぎ見るような大先輩だった。
「岸辺のアルバム」「男たちの旅路」「ふぞろいの林檎たち」・・・
名作と呼ばれるドラマはそれこそ星の数ほどあって
それとは知らずに見ていても役者のセリフ回しを聴いているだけで
ああ、これは山田太一さんだと気づいた。
決して大上段に振りかぶったテーマではなく何気ない日常を描きながらも
その日常が根元から揺さぶられるドキリとするような展開があって
視聴者自身が問われる「油断のならない」作家だった。
テレビドラマがどんどん安っぽくなる時代に
山田ドラマに出逢えたことはこの上もなく幸せなことだったし
同年代の倉本聰さんとともに心から尊敬する刺鹿だった。