まろの陽だまりブログ

顔が強面だから
せめて心だけでもやさしい
陽だまりのような人間でありたいと思います。

虹を見た!

2020年08月13日 | 日記
地下鉄を降りて外へ出ると
不穏な空から急にパケツをひっくり返したような豪雨。
水難を逃れたことにホッとしながら
なすすべもなく呆然と雨脚を眺めていると
やがて東の空に虹の出現でした。



まさに天がける巨大な虹でした。
天空の大スペクタクルショーと言ったところでしょうか。
雨宿りの人からも一斉に歓声が上がって
不思議な共有感につつまれました。
虹を見るなんてずいぶん久しぶりのような気がします。
この瞬間、この場所に一緒にいたことが
単なる偶然ではないような「縁」を感じてしまいました。
ハイ、もちろん偶然に過ぎないのですが・・・
雨に濡れなかったことの幸運と
素晴らしい虹を見たことの幸運を感じながら
ちょっと幸せな気分でした。


日航機事故35年

2020年08月13日 | 日記
暑気払いの居酒屋の隅で
ボンヤリとテレビのニュース見ていると
日航機事故から35年目というテロップが流れた。
そうか、もう35年になるのか・・・
粛然として襟を正すような気持になった。



あの日もうだるような暑い日だった。
どこかの民家の庭先でサルスベリが燃えていた記憶がある。
毎年、御巣鷹山の山中を流れる川の畔で
慰霊の灯篭流しが行われていたが今年は中止になったとか。
そのことは仕方がないが遺族の35年を思うと
あらためて胸が絞めつけられるような思いになって来る。
死者520人という史上最悪の航空機事故。
それだけに4人の生存者は「奇跡」というしかなかった。
中でも当時12歳の川上慶子さんの生還は
私の郷里・島根県出雲市の出身だけにことさら印象深かった。
事故後は世間の好奇の目にさらされ
取材なども殺到して大変だったと聞くけれど
今は平和な家庭を持ってお子さんにも恵まれて幸せとか。
もちろん心の傷が癒されることはないにしても
それを聞きとホッとするばかりである。



ちょっと秋めいた空を見上げながら
あの事故の遺族は35年の歳月をどう生きた来られたのか
などと考えてまた粛然とする思いになった。
その後に出版された精神科医・野田正彰さんの著書で
講談社ノンフィクション賞も受けた「喪の途上にて」という作品がある。
たまたま読んで深い感銘を受けたことを思い出す。
日航機事故の遺族たちに丹念な取材と聞き書きを重ねた力作で
涙なくしては読めないルポルタージュだった。
ある日、突然、愛する肉親や家族を失った慟哭の人たちが
悶え苦しみながら再び心の平静を取り戻し
どのように「喪に服する」のかまでを精神医学的に検証した
いわば精神科医ならでは挑戦だったと思う。
35年の途方もない歳月を重ねながら
多くの遺族が未だに「喪の途上」なのかも知れない。