ちょっと暑さが和らいだと思ったら
今度は凄まじい豪雨だった。
東京は大したことはなかったが九州は大変だった。
長崎や佐賀を中心に猛烈な雨が降り続き
川が決壊すると町や田畑は見る見る水没し犠牲者も出た。
気象庁の「命に危険のある大雨」というアナウンスが不気味に響く。
日本列島が「熱帯化」していることを痛感する。
秋雨前線のいたずらだと言う。
いたずらなどという生易しいものではなく
容赦なく牙を剥く自然の脅威の前には人間はなすすべもない。
九州が郷里という人も多いのではないか。
こうした大災害があるたびに痛ましい気持ちになってしまう。
まもなく実りの秋を迎えようとする田畑が
見渡す限り泥水に浸かってしまった光景は見るに堪えない。
詩人の大江満男の「四万十川」を思い出す。
おもふほど おもふほどに ふるさとは雨と嵐
山峡の水も くるふて流れあふれる 豪雨の日。
天のはげしきを おもふほど おもふほどに
ふるさとの雨の降る日はかなし
四万十川の水にごる日はかなし
(四万十詩集「日本海流」より)
記録的大雨は終息した訳ではない。
依然として停滞する秋雨前線の動きは活発で
再び大雨を降らせる恐れがあるらしい。
どうか早めに避難して欲しい。