まろの陽だまりブログ

顔が強面だから
せめて心だけでもやさしい
陽だまりのような人間でありたいと思います。

リバーエンド・カフェ

2019年04月23日 | 日記

最近、どうも漫画づいている。
この年になって趣味の読書に漫画が加わった。
先日買った「メタモルフォーゼの縁側」もなかなか面白かったし
それにつられた訳ではないけれど
帰り道の本屋でちょっと興味深い本を見つけた。

たなか亜希夫さん原作の「リバーエンド・カフェ」である。
と言ってもよくは知らない漫画家だ。
小池一夫氏が主宰する「劇画村塾」の出身で
代表作に「軍鶏」や「リバースエッジ」などがあるという。
1956年生まれというから私とほぼ同年代だ。
東日本大震災から8年・・・
本の帯にそんな惹句があるように作者のたなか亜希夫さんは
宮城県石巻のご出身だと言う。
大震災の数年後から漫画雑誌に連載を始めて
現在、単行本が三冊出ている。

石巻を流れる北上川の中州に
まだ震災の傷跡を残す小さなカフェが物語の舞台になっている。
津波で両親を失った女子高生のサキは
祖母の家に預けられ同級生の陰湿なイジメに悩みながら
それでも卒業までの日々を何とかやり過ごそうと健気に頑張っている。
そんなサキが石巻の街で不良に絡まれた時に
まるで正義の味方のように現れて追っ払ってくれたのが
リバーエンド・カフェのマスターだった。
正体不明の謎のマスターである。
彼の淹れるコーヒーはとびきり美味しくて深くて
津波のPTSDに苦しむサキにとっては何よりの「癒し」である。
二人の心の交流を中心に物語は展開するが
忌まわしい津波のシーンは出て来ないしユーモアあふれる作画に
思わず笑ってしまったりする。

たなか亜希夫さんのふるさとへの応援歌だろうか。
北上川の水面をあてどなく漂う小舟は
やがて最後には小さなカフェたどり着くのである。