まろの陽だまりブログ

顔が強面だから
せめて心だけでもやさしい
陽だまりのような人間でありたいと思います。

加川良の新しさ

2017年04月06日 | 日記

フォーク歌手の加川良が亡くなった。
加川良という名前も
フォークソングという音楽のジャンルも
もうすっかり「死語」になってしまった気がするけれど・・・

思えば1970年代・・・
岡林信康、高石ともや、高田渡らとともに
フォークソングの黎明期を支えたアーティストの一人だった。
伝説の中津川フォークジャンボリーのステージで
代表作の「教訓Ⅰ」を発表し、一躍、フォーーク界の寵児になった。
吉田拓郎のライバルと目された時代もあったけれど
ストイックに自分の音楽を追求し続ける余り
結果的には拓郎ほどの名声を得ることは出来なかった。
金になる歌を作れなかったのか
それともあえて作らなかったのかはわからないが。
でも、拓郎にとっても彼は特別の存在で
アルバムの中に「加川良の手紙」という曲を収録している。
ちょっとコミカルな歌で
加川良という人を想像しながらよく歌ったものだった。
あえて一曲と言われれば・・・
やはり代表作の「教訓Ⅰ」だろうか。

加川良「教訓Ⅰ」

彼の声が好きだった。
哲学者然とした口ヒゲがとても似合っていて
絞り出すようなその声も
独特の説得力があって心に響くようだった。
この曲は40年以上も前に生まれたプロテストソングだが
いまの時代にみごとに符号しているのではないか?
安保法案、集団的自衛権、教育勅語・・・
戦前へとひた走る日本の現況を加川自身も大いに憂いていて
この歌を歌う時はつねに
新曲を歌う気持ちで歌っている、と語っていた。
享年69際。
加川良は忘れられた歌手ではなく
今でも新しい、いなくてはならない歌手である。