住友三井銀行のエシレダ(ACLEDA)銀行との提携の記事がプノンペン・ポスト紙でも「Sumitomo Mitsui bank returns to Cambodia after 45 years」とのタイトルで掲載されていました。
日経新聞や朝日新聞でも目にしましたが、「アクレダ」との記載になっていてちょっと違和感を覚えます。自分でも初めはそのように読んでいたわけですが、最近は「エシレダ」の発音に慣れてしまったからのようです。
カンボジア人が「エシレダ」(により近い)と発音しているのに何でそれでは通じない「アクレダ」と表記したのか疑問です。たぶん、新聞社の問題というよりは住友三井銀行の広報担当者のセンスなんだろうとは思いますが。
タクシーに乗って「go to アクレダ・バンク」では恐らく銀行には着けそうもありません。
かつて「レーガン大統領」は日本の新聞で当初「リーガン」と記されてましたが何故か「レーガン」に変わりました。金日成は(キンニチセイ)でしたが、金正恩は(キムジョンウン)。そう言えば、ビールスがウィルスに、ソーダがナトリュムに言い換えられるようにもなりました。
中学生の時に使っていた歴史地図ではベトナムのHUEは、フランス語訛りの「ユエ」と書かれ、流石に今はフエが一般的にはなりましたが、今だにシーハヌーク元国王もフランス語訛りで「シアヌーク」と日本では表記されています。
思えばAC電源は「悪電源」ではないし、ACジャパン(公共広告機構)も「悪ジャパン」ではないわけですから「悪れだ銀行」などとは呼ばないほうが失礼にならないかと思います。
いつだったか、モクバイ(バベット)国境をバスで通過した時に、カンボジア人の添乗員が名前を読み上げて乗客のパスポートを返却するのですが、ベトナム人の名を正しく発音できなかったようで、そのベトナム人が大げさに冷笑しました。すると添乗員は次からはパスポートを開いてかざして見せるだけで読み上げることを止めてしまいました。
些細な文化的違いが心理的には大きなダメージにつながるってこともあるようです。
前回ベトナムで日本人から借りた「ダーク・ムーン」というカナダの中国人マフィアを題在とした小説にベトナム人の「トラン」という名がありました。TRANかTRANGのスペルだとベトナム語では「チャン」の発音になるはず。アメリカ人はトランと発音するのが一般的のようです。
以前ベトナムで会ったアメリカ人旅行者が、中部の観光地「ニャチャン」を「ニャットラン」と発音したのを聞いたこともありました。
ビジネス上で相手に名前を覚えて貰うために自分の名を「トラン」と発音してるベトナム人の場合もあるようです。名刺の英文表記を姓名を逆にする日本人と変わらぬサービス精神という感じなのかも。どちらも自分の目先の利益を求めてへり下っただけで、相手に本当の理解を求めるということにはないような気がします。
住友三井銀行がどういうスタンスでカンボジアの銀行と提携したのかは知りません。それでも「アクレダ」とルビを振るのでは、その程度なのかも。
因みにベトナムではEXIMBANKと提携し、株式も保有していると思いますが、当時はベトナム株価高騰の頃だったでしょうか。今週のMr.Kien逮捕劇を受け、きょうまでの4日間、派手な下落を続けています。
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