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プノンペンからモンドルキリに、その前はTAY NINH省--AN GING省--HCM市GO VAP

メコンデルタの稲作洪水被害

2011-10-24 23:36:32 | 農業・食品
22日のベトナム・ニュースによれば、今年の洪水によるメコンデルタでの被害は死者49人、浸水家屋88,300、破壊された堤防1,700km、23,000ヘクタールの秋冬稲米と伝えられています。

http://vietnamnews.vnagency.com.vn/Agriculture/216820/Delta-provinces-to-improve-planning-and-avoid-further-losses-of-rice-crops.html

今年の洪水は、2001年の洪水被害に次ぐものとなっていますが、メコン河の水位も2001年の時よりはピーク時でもプノンペンのバサック川で50cm、アンザン省タンチャウでは30cmほど低かったようです。
人的被害も2001年には500名近くの犠牲者だったとのことです。

農業農村開発省の統計を見ると、稲作は、冬春作、夏秋作、冬作(mua vu)と、3つの区分しかなく、メコンデルタ各省ではこれに秋冬作が加えられ4つの区分になっています。今まで中央政府によって秋冬作は公認されていなかったためです。

そして今年が政府公認後初めての秋冬作となり、農業農村開発省も秋冬作の作付けを奨励したようです。コメの輸出需要もあることですし、農民にとっては今年のコメ価格は魅力的なものでした。

その結果、今年の秋冬作はアンザン省で昨年比17,000ヘクタール増の131,000ヘクタール、ドンタップ省は40,000へクタール増の98,858ヘクタール、キエンザン省15,000ヘクタール増の53,000ヘクタールで作付けされることになりました。

少なくても昨年より60,000ヘクタール以上の秋冬米の作付けとなったわけで、恐らく洪水による被害23,000ヘクタールの殆どはこの新たに作付された田圃でないかと考えられます。



記事によれば、先週水曜日にカントーで開かれた会議で各省農業局の出席者から堤防が夏秋作用にしか想定されていないこと、アンザン省の秋冬作田圃の50%は堤防システムがないこと等が指摘されています。そして各省には秋冬作用の堤防を作る予算がないとか。

米価格の上昇と政府の秋冬作の公認と奨励が洪水に重なってしまったため被害を生み出したとも言えるようです。


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