GOVAP便り

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16番目の月

2007-08-30 02:11:12 | 天気
昨夜は日本から月食が見られると知って、ベトナムから見ても少しは欠けるのだろうかと思っていたところに大雨。米も切らしてるので近所の皿飯屋に食べに行くつもりが外に出られず、一年も前に買ってそのまま残っていた長粒米を炊きました。水加減も炊き方も日本米と同じにしてガスレンジに掛けると吹きこぼれる水分の量はかなり大目です。炊き上がりもパサパサしてる分だけあって水を吸わないからのようです。外の店で長粒米を食べるのには何の抵抗もないのに、自分で炊いて食べる時には何故かガッカリするものがあります。

昨夜の雨は激しい雨音の割りには長続きせず、9時過ぎに外に出てみると薄い雲の向こうに満月が輝いていました。雲が流れ、くっきりした姿を凝視しても何処も欠けてません。月食は確かもっと早い時間だと書いてありました。前日が十五夜でしたからこの月は16番目の月の筈。夜空に輝く満月を見て何番目の月かを当てることは難しいと思うわけですが、新井由美の「14番目の月」では「次の夜から欠ける満月より14番目の月が・・・」などと歌われていました。で、この歌は月を見て作ったんじゃないなーという気がして来ます。

雨上がりの涼しい夜にのんびり散歩する人々の姿がありました。時折アクセルを吹かして騒音を撒き散らしながら住宅街を疾走する青少年のバイクも相変わらず通るわけですが、概ね誰もが昼間の暑さが大雨に打ち消され、そして雨も上がって怒りも憂鬱も過ぎ去ったかのような穏やかな気分でいるようでした。

読みかけの本を持ってコーヒーでも飲みたい気分なのに、本が読めるような明るさの店はないし、それにこのところ足の向くカフェもありません。可愛い女の子を揃えた店は7000~8000ドン。6000ドンの店は店員が少なかったり接客態度が悪かったり。ぶらぶら歩いて住宅街の5000ドンの店に座りました。客はカップルや中年ばかりで通りに面した店と雰囲気が少し違います。

一人で来てる客がいなかったせいか、少々太めでそれなりの年齢の店員が隣の椅子に座り話し掛けて来ました。嫌々ながらも適当に返事をしているうちに下手なベトナム語を見破られ何故か携帯電話に文字を表示させて質問して来ました。「韓国人それとも台湾人」?可愛い女の子にこうして話掛けられた時はそれなりの会話意欲も涌くのでしょうが、ただひたすら「早くあっちに行ってくれないかなー」と思うばかり。暗くてこちらの不愉快な表情も見えないせいか敵は益々エスカレートして来ます。歳は?仕事は?ベトナム人の奥さんは?ボソ、ボソと一単語で無愛想に答えると、今度はそれを周りの客に言い触らしています。晒し者にされた挙句に「ベトナム人の奥さんいないんなら私どう?9年前に夫を亡くしてるのよー」

5000ドンのコーヒーは他の店に劣る味ではありません。しかし二度とあの店に近寄るのは御免です。一人でコーヒーを飲む客が居なかったのも納得です。