GOVAP便り

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ドンナイ橋

2007-08-18 23:56:13 | 社会
 Cầu Đồng Nai sẽ sập bất cứ lúc nào!

いつ崩落するとも知れないドンナイ橋、との記事が先月末ありました。ドンナイ省人民委員会の会議で報告されたとのことです。当初は大して気にも留めなかった記事ですが、8月に入ってからは米ミネソタ州の橋崩壊事故、更に中国湖南省の崩落事故と相次ぎ、その犠牲者数の報道や惨状の写真を見るにつけ、事の重大さを思い知らされます。

ドンナイ橋は幹線道路、南北を繋ぐ国道一号線のホーチミン市への入り口。崩壊したとなったら、その時に運悪く橋の上を通過してた車両のみならず、社会経済への打撃もかなりのものとなりそうです。10年ほど前にビエンホアの工業団地に通っている時ですらしばしば渋滞に遭遇してイライラさせられました。その後トゥドゥック区から西に向かう国道1Aのバイパスが完成し、サイゴン大橋の補修工事が終わったりで、サイゴンに入る際の通行もだいぶスムースになったようにも感じたところですが、このドンナイ橋を渡る交通量はひたすら増大し続けているようで、一日の通行量は4万4千台以上と言われてます。

第2ドンナイ橋建設の計画があるものの完成は最短でも4年後だとか。20日からは7人乗り以下の車両のサイゴン方面への通行が禁止され、ビエンホアのホアアン橋(cầu Hóa An)へ迂回する措置が取られます。軽い車両の通行を制限して重い車両を通すところに困難性が象徴されてます。

コンクリート構造物の供用年数は通常50~60年程度だそうで、この橋が建設されたのは米軍が駐留していた時代にアメリカの建設会社によるものだそうですから40年ほど経過してることになります。その当時は軍事車両の通行に耐えられる構造設計がなされたのでしょうけど、その甲斐あって75年春には北から南下してきた戦車の通行を可能にしたものの、今日の交通量の増大と渋滞までは計算されてなかったようです。過重負荷に加え、熱帯の強烈な日差しとスコールの繰り返しがコンクリートの劣化を早めているかも知れません。

以前、ビエンホアに住む友人の家にバイクで行ったところ、泊まって行くように勧められました。ホアアン橋を通って帰る、と言うと「あの道は暗くて人通りも少ないので夜は危険です」と注意されたので怖くなり、国道1号線で帰ることにしました。すると彼曰く「あっちはもっと危ない」。「ヘルメットも持ってるし運転には気を付けるから大丈夫」と答えると、「橋の近くに女の人がたくさん立っていて呼び止めます。それが危ないです」との話でした。

今はかなり変わったようですが、10年ほど前のある時期には驚くほどの数の若い女性が橋の近くに立っていたことがありました。わが友人のThanh君がそこでどういう怖い思いをしたのかは知りません。しかし、今やドンナイ橋はこの国で知らぬ人はいないほどの一番怖い橋になってしまいました。