自分で焙煎したらモンドルキリのコーヒーを美味しく飲むことが出来るだろうか?と思い続けていたところ、ネットでミルク缶焙煎器の作り方というサイトを見付けました。これなら出費を抑えて自家焙煎可能、と喜び早速挑戦。とは思ったもののモンドルキリにはコーヒー豆はあってもコーヒーミルを売っていそうもありません。プノンぺンにも家庭用ミルはないだろう・・・と思いつつかつてコーヒーメーカーを見た記憶のあるペンシルマーケットの2Fを探すと置いてありました。何とケースにはCEマークも付いているアラブ首長国連邦メーカーの中国製で、価格は20ドル。かつて高校の友人、善塔君に鋳物製の手回しコーヒーミルを貰ったことを思い出しました。最近は殆ど使わなくなっていましたが気に入っているものでした。若い頃、マンデリンを好んで飲むようになったのは多分彼の影響です。今年の3月に日本に帰り、久しぶりに電話をしてみるとお母さんが出て「昨年5月に亡くなりました」とのこと。電話するのが遅すぎました。
コーヒーフィルターはステンレス製をベトナムで調達。モンドルキリに戻ってステンレスの折り畳みテーブルとカートリッジ式携帯コンロを買いました。お湯は七輪で薪や炭を燃やして沸かしてましたが、庭に落ちている小枝を燃やすので煙が凄まじく、また慣れないのでなかなか火が付きません。バナナの枯れ葉の乾燥したものが燃え易い訳ですが、もう全部燃やしてしまいました。
問題の買い物はテーブルでした。売っていそうな店は市場近くに一軒しかなく、その店のオバサンがどうにも不愛想で二度ほど寝具など買わずに出て来てしまったことがありました。それに「これ家まで届けてくれますか」?とのクメール語を知らないし、配達してくれそうな人をその店で見掛けたことがありません。バイクに積める大きさではなく、誰かに頼もうか、などと思い続けていました。ところが、ふと気付きました。歩いて出掛け、歩いて持ち帰れば良いだけのことです。市場までは2km程度の距離。毎日この近くの小学生は歩いて通学しているわけだし。
台所と言っても流し台もなくスペースがあるだけなので、これが台所用品一式。自炊するには程遠い状況です。自炊を始めるにはまだ必要な物が多いのでその前にコーヒー焙煎を試みることにしました。が、ミルク缶の調達が難問。ミルク缶はひとまず諦めて小さ目の缶で代用することにしました。缶に釘で穴を開け、取っ手を付けるだけですから作業は簡単でした。
先月訪れたCAFFE PLANTATION RESORTでコーヒーの生豆を買えば焙煎可能。とばかりプノンペンで売られているより高いコーヒーを何でモンドルキリで買わねばならないのか不満ですが、生豆を他で探すことが出来ない以上仕方ありません。要するに観光地の土産物価格ということのようです。ところが、1kg10ドルの生豆はなく、20ドルのロブスターか25ドルのアラビカならあるとのこと。今年のベトナム・コーヒーの平均単価は2ドル/kg。南米のアラビカ豆ですらニューヨーク市場では110セント/オンスそこそこ。何で国際価格の10倍も払わなければいけない訳?と言っても例のマネージャー嬢は聞く耳持たず。「豆が大きく、ハイクオリティーだから」とのこと。
自家焙煎の腕を上げるには「ハイクオリティー」の豆を使わねば・・・と25ドル支払いました。家に帰って早速試してみたものの焦がしてしまい、焦げ臭いコーヒーになってしまいました。これではとても他人に飲ませることが出来ません。越生で友人が蕎麦打ちを始めた頃のことを思い出しました。ブツブツ短く切れた蕎麦でした。最初から上手く行かなくて当然。と、気を取り直し明日再度挑戦することにします。