偉そうに分かったような口をきく、気に食わない人。誰の周りにも、そういう人はいるものです。あなたの周りにそんな人がいたとき、あなたはその人に対して、なんと言うでしょうか。
「あいつは傲慢なヤツだ」
もしこう言うとしたら、あなたには余程の注意が必要です。なぜなら、もしその人が言っていることが合っていて、あなたが間違っていたとしたら、傲慢なのはその人ではなく、むしろあなたになってしまうからです。その人が言っていることが、どうあっても理不尽で、絶対に間違っていると断言できるときのみ、あなたはその人に対して「傲慢」という言葉を使えます。
「あいつは生意気なヤツだ」
それに対して、あなたがその人に向かって、こう言うならば、ひとまずあなたには謙虚さがあると言えるでしょう。その人が言っていることが合っているかどうかは分からない。もしかしたら、正しいことを言っているかもしれないけれど自分には意味が解せない、あるいは内容の是非はともかく気に食わないといったときには、あなたはその人に対して「生意気」という言葉を返してやればいいのです。
たとえば、ある会社の社長と新入社員。新入社員が、社長に対して大層偉そうな口を叩いたとします。
ケース1:会社全体を考えている社長 VS 単に青臭い新入社員
ケース2:私利私欲の会社運営をしている社長 VS 会社思いの新入社員
ケース1では新入社員は傲慢ですが、ケース2では新入社員は生意気なだけで、むしろ傲慢なのは身勝手な社長になります。どちらがより全体のためを思って発言をしているのか。この場合、それが傲慢と生意気の差になるのです。
「あいつの言動は、偉そうで気に食わない」と思ったとき、それはその人が傲慢なのか、それとも単に生意気なだけなのか。よく考えてみるとよいでしょう。もし、生意気なだけだとすると、謙虚にその人の言ったことについて考えてみることが、あなたにとって大切なことになるはずです。