バリウム日記 がんの早期発見をめざして

医療に関する話題提供をはじめ、日々学んだことを配信できればと思います。

第20回日本CT検診学会に参加して

2013年02月26日 | 大腸
こんばんは、管理人すきくぴです。
今日は、第20回日本CT検診学会に参加した大腸CT(以下、CTC)のハンズオンセミナーで学んだことについて触れます。

本セミナーの参加者は、解析ソフトの使用方法を熟知しているメーカーや、医師や技師でした。本セミナーでは、より効率的な読影方法や手順を、実際のWSを用いてトレーニングしました。
CTCの解析表示のひとつに、大腸全体を切り開いたような画像(以下、VGP)があるのですが、これを用いると短時間に読影を行えることを学びました。具体的には、始めにVGPで大腸粘膜全体像を読んだあと、他の表示方法を見る読影手順です。セミナーでは、6例ほど、この手順で読影したのですが、慣れてくると確かに早いと感じました。
これまで、私たちがCTCを読影する際、見慣れている大腸内視鏡類似画像や注腸X線類似画像で読影し、VGPを使用してきませんでした。現状では、1検査あたり約30分読影時間を要していますが、本セミナーの方法を用いることで、15分ほど読影時間を減らせるが可能と考えます。これからは、CTCでのみ得ることのできるVPG表示を積極的に活用し、読影をより効率的に行っていきたいと思います。

大変、勉強になるセミナーでした。
来月は、大阪で開催される消化管先進画像診断研究会(Gastrointestinal Advanced Imaging Academy:通称GAIA)に参加し、勉強したいと思います。

CTC、検診で利用していくために

2013年01月04日 | 大腸
こんばんは、管理人すきくぴです。
今日は、CTコロノグラフィーの目標を掲げたいと思います。
当施設では、昨年から年100例くらいのペースで、CTCを施行しています。
現在の当施設におけるCTCの流れは、便潜血陽性患者に対して、CFを施行し、そのあとそのままCTCを行うパターンに限られています。一次スクリーニングで、CTCは行っていません。
全例、GE社製、64列のMDCTで撮影していますが、残存ポリープの有無の患者に対しては、背臥位においては、noiseindex15.00、腹臥位は、noiseindex17.50で行っています。3D,NeuroFilterでスムージングさせ、0.625mmで再構成した像をもとに仮想内視鏡モードなどで読影していますが、今後、1次スクリーニングで撮影していくのを踏まえると、さらなる低線量での撮影を行う必要があります。当施設では、まだ逐次近似法が使えませんが、今後、逐次近似法の使用、あるいは、使用しなくても、より低線量で撮影した画像を読影医に理解してもらう努力が必要と考えます。
今後も、自分のできることをコツコツと積み上げていきたいと思います。
とりあえず、この3月に大阪で行われる第2回 消化管先進画像診断研究会(略はGAIA)に参加し、力をつけたいと考えています

CTColonography(CTコロノグラフィー)の有用性

2012年12月22日 | 大腸
おはようございます。
今日は、CTColonography(以下、CTC)について書きます。
当施設でのCTC対象者は、便潜血陽性後、大腸内視鏡検査時で、ポリープがあった場合や、癌を疑う、内視鏡が入らなかった場合などです。
ポリープがあった場合には、ポリペクトミーを行いますが、そのあとのポリープの残存有無の確認のため、CTCを行っています。
CTCには、内視鏡のような画像で表示できるvirtual(以下、VE)がありますが、このVEは、カメラを逆向きにして表示することもできます。すなわち、内視鏡は肛門から回盲部に向かってしか視ることができませんが、CTCでは、回盲部から肛門に向かって視ることも可能となるため、盲点がより少なくチェックすることが可能です。
もちろん、CTCはX線の吸収を利用して得た画像なので、直接大腸の粘膜面を視る内視鏡と違って、粘膜の色調変化はわかりませんし、凹凸の軽微な病変を拾うことが困難なこともあります。しかしながら、画像にして大腸をみることができるため、非常に有用と考えます。


CTコロノグラフィー

2012年02月09日 | 大腸
こんばんは、ご無沙汰しております。
久々の更新です。
普段から読んでいただいている方々に感謝です。

さて、最近、当施設では、CTを用いた大腸がんに対する検査を行うようになりました。今現在、2例を経験しました。1例目は、大腸内視鏡時のスクリーニングにおいて、s状結腸の2型の進行がんを発見された症例に対して、深部浸潤などの評価を行う目的で、CTコロノグラフィー(以下CTC)を施行しました。そして、もう1例については、大腸内視鏡のスクリーニング時において、スコープが入らなかったため、CTCを行い、CTCで、病変の発見を検索する目的で検査を施行しました。

皆様もうよくご存知かと思いますが、欧米食などの影響もあり、大腸がんの罹患率は年々、増加してきています。大腸がんのスクリーニングのおいて、今現在では、便潜血検査が有効とされていますが、実際には、進行大腸がんで発見されることが半数以上だそうで、より早期発見が求められます。
そこでスクリーニングにおいて、今現在、脚光を浴びているのが、CTCです。CTCは、便潜血検査とは違い、バーチャルエンドスコピーと言って、あたかも内視鏡で覗き込んだようにして観察することができます。表面型に対するがんに関してはまだ発見が難しいことがあるといわれていますが、しかしながら便潜血検査に比べて、直接画像として、大腸に対する疾患を検索できることから、大腸がんの検索においても有効と言われてきています。
CTCは、大腸内視鏡や便潜血検査と違って、放射線被曝を伴いますが、低線量で撮影できるシステムが構築されてきているようです。

より低線量で撮影できる技術や、大腸がんに対する疾患の把握、手術の内容まで幅広く勉強しなければならない現状となってきました。日々やるべきことが数多くありますが、これからも皆様とともに技術の向上に努めていきたいと思います。