ひよりの音楽自己満足

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10.9.18 Fantasmagoria

2010-09-20 07:34:23 | ライブレポ プログレ2008-2011
◇ 2010.9.18 沼袋Sanctuary
<Violin Battle Night>
 ヴァイオリンのはいったロックって好きなんですよね。躍動感のあるパワフルなリズムにヴァイオリンの艶やかな音色が華麗に宙を舞ったり、あるいはシンセをバックにヴァイオリンの美しい音色が思わず涙してしまうくらい感動的にながれたり。そういったヴァイオリンフロントのバンドが4バンド集うプログレイベント<Violin Battle Night>が9/18に沼袋で開催されると。好きな方にとってはもう涎もののイベントですから、これはもう行かねば!と。ところが・・・よく考えたら9/18は第3土曜で自分は仕事。仕事が終わってから駆けつけても2バンドしか観れないのであきらめようかとも思ったんですよね。でも新ドラマーが加入したFantasmagoriaに興味があったので悩んでました。
 そんなときにmixiでFantasmagoriaのインフォを見てビックリ!キーボードの方が体調不良で出演できなくなって、急遽Asturias等で活躍されている凄腕キーボード奏者<川越好博さん>がヘルプされることになったとか。そういえば、美樹さんは以前Acoustic Asturiasのサポートメンバーだったんですよね。そのつながりを思い出せば合点がいくわけで。まあバンドにとってはとっても大変な事態なわけですが、両バンドのファンにとってはこれはもう超レアなライブですから、なにがなんでも行かねば!と。

 美しい女性ヴァイオリニスト<藤本美樹さん>率いるヴァイオリンプログレバンド<Fantasmagoria>。今回のメンバーはギターの<尾崎淳平さん>、ベースの<上田哲也さん>、新ドラマーの<松尾啓史さん>、そしてピンチヒッターのキーボード川越さんの5人編成です。新加入の松尾さんのHPをみると、20代と若いこともありバンド加入経歴はちょっと見当たらないものの、かの“手数王”の門下生でもあり、いくたの師匠の元で勉強され、パーカッショニストとしても活躍されているとのこと。どんなドラミングを魅せてくれるのかとっても楽しみです。

 さて当日、仕事を終えたのが18時。急いで駅へ向かって電車で沼袋へ。会場に着いたのは19時で前バンドが最後の曲を演奏してました。客席前半分がイス席だったこともあり、結構混んでましたね。
 前バンド終了後に物販コーナーへ。無料配布のCD-Rや、最初のバンドのCDが販売されていたものでいくつか購入。いずれまた紹介させていただこうかと。

 セットチェンジのあと、19時25分ころ、ステージの幕が開いて、客席が暗くなってそしてメンバー登場!拍手で迎えられます。ステージ向かって左からキーボード、ベース、ドラム、ギター、そしてフロントにヴァイオリンです。キーボードは1台のみだったような。ベースはナチュラルボディの5弦ベース、ギターはライトブルーのストラト。美樹さんは白ラメトップスに黒タイトスカート。スレンダーで美しいおすがたで・・・ついつい見とれてしまいます。

 そして美樹さんの目配せから川越さんがチェンバロのような音色でしっとりとしたリフを響かせ、そこにヴァイオリンが美しく力強い音色を響かせて。1曲目は「Crusader」。イントロに続いてヘヴィなギターリフとミドルテンポのパワフルなドラムがはいって、そしてヴァイオリンが伸びやかなフレーズを奏で、続いてキーボードがたおやかなメロディを。中盤ではミドルテンポで変拍子リフと雄大なメロディがながれ、そしてギターとヴァイオリンの掛け合いのフレーズも。その後軽やかで優雅なジャズっぽいダンサブルなリズムになってヴァイオリンが艶やかなメロディをのせて。ラストはミドルテンポのヘヴィなリフでパワフルにFin。

 続いて2曲目は「Omoplatta」。シンセリフから躍動感のあるパワフルでリズミカルなリフがアップテンポではじまって、そしてヴァイオリンの力強い音色が心地よくながれて。そして美樹さんが弓を川越さんに向けてキーボードソロが。ちょっと音がキンキンして聞きづらいかな。でもその後改善されましたね。続いてはヴァイオリンのアグレッシブなソロ、そして変拍子ユニゾンリフが。複雑なリズムですけど見事にキマってますね。終盤再びパワフルなリフにのってヴァイオリンの力強い音色が響いて。

 「こんにちは、ヴァイオリン・プログレッシブ・ロックバンドFantasmagoriaです」って美樹さんが元気よく挨拶を。そして今回のイベント参加のお礼と、なによりも「今日演奏出来ていることを、本当に嬉しく思っています」って。

 「それではどんどん行きたいと思います」って3曲目は「MNK」。パワフルなドラムフィルからヘヴィなギターリフと鮮烈なシンセリフがはいって、グルーヴィなリズムをバックにヴァイオリンの力強くも綺麗なフレーズがながれて。そしてギターリフをバックにベースがタッピングソロをみせたり。中盤ではキーボードとヴァイオリンの掛け合いや、バンドリフとパワフルドラムのバトルも。そしてユニゾンリフ、パワフルな変拍子リフ&ブレイクもキマって。その後アップテンポのノリノリモードでギターとヴァイオリンのユニゾン&アグレッシブなソロバトル、そしてリフのあとキーボードのテクニカルなソロも。ラストはキーボードとヴァイオリンの掛け合いリフのあとパワフルリフでFin。

 続いて4曲目は「竜頭蛇尾」。ミドルテンポのヘヴィでダークなリフからパワフルにはじまって、ヴァイオリンのパワフルなリフが。アップテンポ&ミドルテンポでリズムチェンジしながらスリリングに展開していきます。中盤ヴァイオリンとギターのユニゾンリフのあと、一旦リズムが止まってキーボードとヴァイオリンの綺麗で幻想的なトリルのユニゾン、そしてたおやかなベースラインがしっとりとながれて。そしてそこにアップテンポのパワフルなリズムがはいって、ヴァイオリンの力強いメロディがながれて。ドラムはテクニカルに叩きまくってます。とってもドラマティックですね。終盤パワフルなバンドリフのあと、ベースのみになってベヴィな単音リフが響き、そして元のヘヴィでダークなリフが。

 「ありがとうございます」って美樹さん。ここでメンバー紹介ですがその前に今回のてん末を。このイベントのオファーはだいぶ前にあって、メンバーおのおのに連絡をとって参加表明をされたそうです。しかしキーボードの方の都合が付かなくて、他の方にサポートを依頼したそうです。ところが1週間前になって突然そのサポートキーボードの方から体調不良でどうしても出演できないという連絡がきたそうで。でもどうしてもこのイベントに出演したいとの美樹さんの強い意志で、かねてから交流のある川越さんに無理を承知で頼みこんだそうで。引き受けた川越さん、“男”ですねぇ。素晴らしい!かっくいい!「今回キーボードやっていただきました、川越好博!」って、大拍手です。ここで美樹さんが川越さんにマイクを。「はじめまして、川越と申します」って。ご存知のお客さんも多かったせいか拍手と笑いが。「一番驚いていたのは次に出るポチャカイテマルコの壷井さん」「さっき会ったとき“なんでここにいるの?”って」「してやったり」って爆笑です。
 続いて「ベース、上田哲也!」大拍手です。上田さんもマイクを渡されて挨拶を。「今回で2回目」「前回よりはなじめてきたかな」って。そして次は「ドラムス、松尾啓史!」大拍手です。マイクを渡されて「はじめまして」「今回はじめてなんですけど皆さんに支えられながらやってます」って挨拶を。
 続いて「ギター、尾崎淳平!」大拍手です。マイクを渡され「ボクはいつもいるんですけど」「メンバーがどんどん変わっていく」「寂しいような、新しい出会いが楽しいような」って。そして川越さんにお礼のお言葉を。最後は「ヴァイオリン、藤本美樹です」って大拍手。「とにかくやり続けていく、という強い気持ちをもってこれからも頑張っていきます」って大拍手!素晴らしいです。

 5曲目は「The Sparrow」。ギターのゆったりとした綺麗なアルペジオから抒情的にはじまって、ヴァイオリンの哀愁ただよう音色が心に染入るようにしっとりとながれて。そしてパイプオルガンサウンドの重厚な音色が響きわたり、その後ヴァイオリンとユニゾンも。ヴァイオリンの切ないメロディがながれたあと、ドラムがはいって、そしてゆったりと味わい深いベースソロが。中盤では一旦止まったあと、パイプオルガンの重厚なサウンドが荘厳に響きます。そして一転ベースリフからアップテンポのパワフルなリフ、その後ミドルテンポの変拍子リフがリズミカルに。ラストはヴァイオリンのパワフルなリフから唐突にFin。

 続いて6曲目は「光降り注ぐ丘」。シンセの音色がゆったりと静かに幻想的にながれ、そこにギターの伸びやかなヴァイオリントーンの音色が響き、ヴァイオリンの雄大さを感じるフレーズがながれて。その後ミドルテンポのパワフルなリフがはじまってヴァイオリンの伸びやかな音色がながれたあと、パワフルなドラムの躍動感のあるリズミカルなリフが。中盤では一旦止まったあと、キーボードとギターのユニゾンリフにヴァイオリンの艶やかな音色のメロディがのって。ラストはパワフルなドラムとともに盛り上がったあと、リズムがとまって、シンセサウンドをバックにヴァイオリンのソロが。艶やかな音色、固唾を呑んで聴き入ってしまいます。

 「ありがとうございます」って美樹さん。ここで物販のCDの宣伝と次回10/14ライブの告知を。そして「次で最後の曲となります」「本日はどうもありがとうございました」「また次回も皆様にお逢いできたらいいと思います」って丁寧に挨拶を。もちろん大拍手です。

 「最後の曲、準備宜しいでしょうか?」ってメンバーに確認を。オーラス7曲目は「Epic」。ダイナミックなリフからゆったりと壮大なスケールではじまり、ヘヴィなベース&ギターリフからアップテンポではじまってスリリングに展開してきます。その後ミドルテンポになってヴァイオリンの力強く雄大さを感じるフレーズがながれ、パワフルなベースリフとヘヴィなギターリフが。そしてミドルテンポでリズミカルになってベースとヴァイオリンが向き合ってメロディを奏でて。中盤ではギターのメロウなアルペジオリフからパイプオルガンサウンドがゆったりとしたフレーズを奏で、そしてギターのエモーショナルなフレーズからヴァイオリンとベースがロマンティックなフレーズを奏でて。ラストはパワフルにドラマティックに盛り上がってエンディングへ。

 曲が終わると大拍手大歓声!「ありがとうございました」って美樹さん。メンバーの皆さんは歓声に応えてお辞儀を。そして美樹さんがあらためてメンバー紹介。「次回もぜひ来てください。ありがとうございました」って。時計を見ると20時10分過ぎで、約45分の素敵なライブでした。

 急遽のメンバー編成とはいえ、複雑な構成の楽曲なか、ユニゾンも掛け合いもブレイクも違和感なくぴったり見事にキマってましたね。川越さんのキーボード、すごく新鮮な感じでした。演奏中は譜面を見ながらも時折笑顔がみれましたね。他メンバーとの息も合ってたし急遽とは思えないくらいでした。新加入の松尾さん、初ライブということもあり、正確でソツのない要所を押さえたタイトかつパワフルなドラミングで文句ナシ。次回も楽しみです。もちろんベースもギターもすごくいい音してたし新メンバーをしっかり支えていたような。そして美樹さん、突然の危機に見舞われたこともありちょっと心配しておりましたが、繊細で美しくしかも力強いヴァイオリンサウンドをたっぷり聴かせてくれましたね。演奏中も時折笑顔がみれて、不安など感じることなく、素敵なライブをとても楽しめました。次回は正規メンバーでのライブになるのかな?平日なので行けるかわかりませんけど楽しみにしてます。