ひよりの音楽自己満足

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Prospective Faces Ⅱ

2010-08-31 06:25:21 | ジャパン・プログレ
 先日、中古CDを扱っている某CD店で偶然見つけた、made in japanレーベルが1989年に発表したジャパン・プログレの貴重な音源を収録したコンピレーションアルバム「Prospective Faces Ⅱ」。このアルバムも6バンド6曲が収録されています。しかもそのうちの4バンドは自分がいままで聴いたことのないバンドなんです。このアルバムは某プログレサイトで紹介されていましたが、まさか手にはいるとは思っていなかったのでほんと超ラッキーでした。しかもほぼ定価だったし。

 1曲目は<i>の「Wind Tale」。<i>のメンバーは、<Naomi Amanoさん(Vo)>、<Naoyuki Haradaさん(Dr)>、<Toshiya Ikouさん(Gr)>、<Kimiyo Satoさん(Key)>、<Minoru Tanakaさん(Bs)>の5人で、バンドの経緯等については現在まったくわかりません。
 「Wind Tale」は、1989年9月に都内のスタジオでレコーディングされたようで、サウンドプロデュースとして、かの<林克彦さん>のお名前が記載されています。
 静かに静かにはじまるもので聞き耳をたてて聴いているといきなりパワフルでダイナミックなリフがはいってビックリ!テクニカルにパワフルはじまるも一転ゆったりとしっとりとした展開になり、ピュアな女性ヴォーカルが叙情的な歌を聴かせてくれます。サビではスケールの大きなドラマティックな展開となって歌い上げて。間奏ではゆったりとしたなかでギターのテクニカルなソロが。そして♪ラ~ラ~ララ~って可愛らしいスキャットがながれて。その後一転アップテンポのリズミカルな展開になってスリリングに。ヴァースのあとはギターとキーボードの掛け合いバトルが。めっちゃかっくいいっす。そしてテクニカルでパワフルなユニゾンリフもキメて。その後再びゆったりとしたドラマティックな展開に。ベースラインが太く力強くてサウンドに厚みをもたらしていて迫力も感じますね。ラストはゆったりとしっとりとFin。ヴァースはポップですけど演奏はテクニカルでパワフルでかっくいいっす。9分を超える大作ですけど曲の長さを感じないどんどん展開していく構成もいいですねぇ。

 2曲目は<Ashule>の「Montage」。<Ashule>は、マルチミュージシャンの<橋本成朋さん>の多重録音ユニットで、“SINGLE SYMPHONIC ORCHESTRA”と書かれており、”conducter S,Hashimoto”とも記載されています。
 「Montage」は、1989年の8月から9月にかけて仙台のスタジオでレコーディングされたようです。ゆったりとピアノとオルガンの美しいメロディがながれ、そこにオーボエが加わり、重厚なベースサウンドから今度はチェンバロの優雅なサウンドが響き、そしてそこにドラムとシンセがはいってパワフルに盛り上がります。その後再びゆったりとなってフルートのような音色がしっとりと叙情的に響き、そしてアップテンポになってキーボードの伸びやかな音色がながれて。中盤ではパワフルな変拍子リフからシンセのスペーシーでメロウな音色が響きわたり、そして一旦静かになって美しいピアノリフをバックにシンセのメロウなサウンドがながれ、ドラマティックに展開していきます。7分弱ですけど壮大で劇的なシンフォニックサウンド、めっちゃ感動的ですね。素晴らしい!


 3曲目は<JETAIME>の「Missing」。<JETAIME>のメンバーは、<Kazuya Fujiwaraさん(Gr)>、<Shizuo Gotoさん(Bs&Key)>、<Tatsuo Takenakaさん(Dr)>、<Jun Yamadaさん(Vo)>の4人のようで、バンドの経緯等については現在まったくわかりません。
「Missing」は、1989年9月に大阪のスタジオでレコーディングされたようです。Advisedとして、かの<中嶋一晃さん>のお名前が。期待できます。
 クラシカルなトリルのギターリフからゆったりとダイナミックにはじまるも、ヴァースはしっとりとした透明感のある美しい女性ヴォーカルがしっとりと幻想的な雰囲気を醸し出して。そしてパワフルなリフが入ってサビでは力強く歌い上げます。2ヴァースからはヘヴィなギターリフがはいって美しく力強いヴォーカルが響きわたって。間奏では静かになってギターの伸びやかでメロウなサウンドが響き、そしてパワフルなリフとドラムソロの掛け合いが。その後エモーショナルなギターソロも。ストレートで綺麗な声の女性ヴォーカル、パワフルなリズム隊、メロウでエモーショナルなギター、いいですねぇ。

 4曲目は<舞踏/Maito>の「Going Home/家路」。<舞踏/Maito>のメンバーは、<Yoshikazu Madokoroさん(Prog&Gr)>、<Nozomu Okamotoさん(Bs)>、<Nobuo Itoさん(Per)>、<Shinjir Inoueさん(Dr)>の4人のようで、バンドの経緯等については現在まったくわかりません。
「Going Home/家路」は1989年9月に大阪のスタジオでレコーディングされたようで、驚いたことにサウンドプロデューサーに、かの<Mr,SIRIUSさん>のお名前が。これだけでもめっちゃ期待しちゃいますね。
 キーボードのアップテンポながら叙情的なメロディからはじまって、バックではテクニカルなベースが弾きまくってます。そしてそのベースをバック(?)にクリスタルなキーボードサウンドが幻想的に響いて。すごく和の情緒を感じるサウンドですね。日本の秋の夜のような光景が目に浮かんできそうです。パーカッションが鈴虫のような音色や夜空にキラキラ輝く星星のようなサウンドを効果的に鳴らしてます。そしてギターやキーボードのメロディにベースがカウンターのメロを載せていて、それがまた心地よいんですよね。中盤ではドラムもメロのバックで叩きまくってます。終盤ではギターが前に出てきて、アグレッシブなギターソロを。そのバックではパーカッションやドラムめっちゃ叩きまくってます。叙情的でありながらも弾きまくり叩きまくりで凄いっす。

 5曲目は<AZOTH>の「Apostrophe」。この曲は2004年に発表されたフルアルバムにも収録されていますが、こちらは1989年9月に大阪のスタジオでレコーディングされた音源で、当時のメンバーは<Masayuki Adachiさん(Gr)>、<Kazuhiro Fujiwaraさん(Dr)>、<Yoshiko Atsumiさん(Key)>、<Doppo Nagataさん(Bs)>の4人のようです。そしてSpecial thanksとして<中嶋一晃さん>のお名前が。
 「Apostrophe」。子供の声や車のクラクションのような音からはじまり、その音がメロディを紡いで。そしてアップテンポのリズムがはいってギターリフとキーボードサウンドが響き、変拍子リズムをバックにピュアな女性ヴォーカルがはいって。サビではストレートビートで明るく爽やかなポップなサウンドを聴かせてくれます。間奏ではテクニカルなギターソロやキーボードソロが。中盤では一旦リズムが止まって様々な音が飛び交うアヴァンギャルドっぽい感じに。その後パーカッションソロとテクニカルなギター&ベースのユニゾンリフの掛け合いが。そして再びアップテンポになって変拍子のヴァースから爽やかなポップサウンドのサビに。ラストには弾きまくりのアグレッシブなギターソろが。
 アルバムのメンバークレジットに女性ヴォーカリストの名前が載ってないのはなんでかな?まあ音程がちょっと危ういようなとこもあったような気もしましたが、自分的には好きな声質ですね。

 6曲目は<Seilane>の「Third Class Angel」。この曲は1989年8月に東京のスタジオでレコーディングされたもので、メンバーは<Taku Shimazakiさん(Vo)>、<Tsutomu”BEN”Kudoさん(Gr)>、<Makoto”D”Kudoさん(Bs)>、<Kenji Kawamuraさん(Key)>、<Yutaka Ishizakiさん(Dr)>の5人で、Sound Advisedとして<林克彦さん>のお名前が記載されています。
 シンバルロールから爽やかで力強い男性ヴォーカルがはいって、そしてシンセリフ・ギターリフからパワフルなドラムが。ノリのいいアップテンポのリズムにのって爽快感のあるヴォーカルがのって。そしてテクニカルなキーボードリフのあと、ゆったりとした展開になってメロウに歌い上げます。間奏ではテクニカルなギターソロからシンセのメロディアスなフレーズがながれ、ギターとのユニゾンやハモりも。そしていきなり電球が割れるような音からトイピアノのような音色のメルヘンチックなサウンドがながれます。がすぐにヘヴィなギターサウンドがはいってダイナミックなサウンドになり、ギターのエモーショナルなソロが。その後アップテンポになってベースソロ、そしてダイナミックなリフをバックに叩きまくりのドラムが。ラストは疾走モードで激しくドラマティックなフィナーレへ。

 全6曲どれも素敵な曲ばかりで聴き応えありますね。特に<i>、<Ashule>、<JETAIME>、<舞踏/Maito>の4バンドに関してはこれ以外の曲を知らないので、機会があれば他の音源やバンドの情報を調べてみたいっす。