ひよりの音楽自己満足

自分の好きなアルバムやアーティストを紹介させていただきます。

桜庭統さん 12

2008-10-10 06:52:31 | 桜庭統さん
 桜庭統さんのゲームミュージックシリーズ、今回も親切なお方が素敵なアルバムを薦めてくださいました。バテン・カイトスシリーズの、まずは2003年に発表された<バテン・カイトス –終わらない翼と失われた海->のオリジナルサウンドトラックです。
 このゲームのストーリーはというと・・・はるか昔に邪神と人々との戦いがあり、長期にわたる戦いの末に人々が勝利をおさめ、邪神を“エンド・マグナス”に封印。人々は戦いによって荒れた大地をあきらめ、空に浮かんだ大陸に住むことに。そして現代。過去の戦いなどすっかり忘れ去られ、平和な時が過ぎていたのですが、不穏な動きが・・・帝国アルファイドの皇帝ゲルドブレイムが、過去の人々が封印した邪神マルペルシュロの“エンド・マグナス”を探し、邪悪な力を復活させて我が物にしようとたくらむ。物語のヒロイン<シェラ>はそのたくらみを阻止しようと旅にでる。旅の途中で帝国に仇がいる主人公の<カラス>と出会い、行動を共に。二人は世界を救えるだろうか・・・といった感じのようです。
 アルバムはCD2枚組で50曲以上もあるので、特に印象に残った曲のみ抜粋させていただこうかと。まずCD1枚目の1曲目「序奏峰」、壮大なスケールではじまります。それに続く2曲目「天底の勇魚」もド迫力のスケールとパワーで圧倒します。3曲目「光星煌めく旅路の果てへ」。美しいハープの音色からゆったりと厳かにはじまり、それが壮大な広がりを見せ、再び美しいメロディを奏でます。5曲目の「The True Mirror」はアップテンポの疾走メロディアスハードロック。オルガンソロ、めっちゃかっくいいっす。6曲目の「Vitriolic A Stroke」もバリバリの疾走ハードロック。早弾きギター大活躍!かっくいいっすね。7曲目の「冥の断罪」はド迫力の力強いオーケストラサウンド。8曲目「Glowing Cloud」は再びオルガン主体のパワフルなハードロック。9曲目の「Chaotic Dance」はテクノ+ラップのノリのいい曲。12曲目「風気の狭間」はゆったりとしたハープの美しい音色が存分に楽しめます。13曲目の「Gentle Wind」はアコースティックギターとフルートを巧みに用いたゆったりとした穏やかで素朴な曲調。15曲目の「旭日貫流」は壮大なスケールのとっても清清しい、まるで美しい日の出をみたときの感覚でしょうか。16曲目の「Limpidly Flow」はゆったりとしたピアノの幻想的な曲。中盤からはいるヴァイオリンの音色も美しい。17曲目の「Soft Labyrinth」はミドルテンポのパワフルなロック。オーケストラ+ロックドラムも素晴らしい。18曲目の「Bellflower」はアコースティックギターの素朴な音色が心地よいカントリー調のおだやかな曲。19曲目の「Inperial Dynamics」は壮大なスケールのオーカストラサウンドの抒情詩。20曲目の「氷霧流」はまるで氷穴のなかを冷風が吹きぬけているかのような暗く冷たく凍えてきそうな神秘的な曲。22曲目の「Flighty Spirits」はアップテンポのスリリングなロック。23曲目の「天海花御堂」はストリングスの優雅でロマンティックな室内楽。24曲目の「Mystery Crystal」はパープとフルートとハープシコードと女性コーラスが絶妙に絡み合ったゆったりとした神秘的な曲。26曲目の「Holo Holo」は太鼓とカリンバのアフリカンな曲。
 CD2枚目の1曲目は「Dead Beat」。大迫力の重く奥深いシンフォニーです。4曲目の「Divine While Bell」はパイプオルガンの荘厳な響きが印象的な抒情詩。5曲目の「Start on a Voyage」はダイナミックなシンフォニー。まさに船出のファンファーレのようです。8曲目の「Strike Off The Enemy」はアップテンポのベースが唸るヘヴィロック。9曲目から13曲目まではわずか数秒のフーレーズのみ。14曲目の「衝の飛抹」はストリングスのダークでスリリングな曲。16曲目の「降雹」はピアノのゆったりとした暗く寂しい曲。18曲目の「Brave Way」はオーケストラの壮大なマーチ。19曲目は「鎮座」。荘厳な抒情詩。パイプオルガンの音色が重厚感をだしていますね。21曲目は「Survival From The Force」。アップテンポのスリリングなハードロック。宇宙空間を敵を攻撃しながら高速で飛ばしているかのような爽快感・疾走感がありますね。22曲目「The True Mirror ~Guiter ver~」もパワフルで疾走するハイテンポのハードロック。ギターバージョンです。早弾きギター、かっちょいいっす。23曲目「九天の覇王」はオーケストラのパワフルでスリリングな曲。24曲目の「Violent Storm」はハイテンポの疾走感満点のかっちょいいハードロック。ギターとオルガンのソロバトルもスリリングで迫力あります。26曲目は「大地降臨」。ド迫力の重厚なオーケストラサウンドの荘厳な曲。27曲目は「涙の深海」。ダークなピアノの音色からはじまり、悲壮感ただようヴァイオリンの哀しい音色が響いて。28曲目は「語りかける星々」。哀しいピアノのリフレインからはじまり、荘厳なオーケストラがはいって壮大な宇宙の広がりを感じさせてくれます。中盤では哀愁ただよう美しいヴァイオリンソロも。そして再び壮大なオーケストラサウンドがドラマティックに盛り上げて劇的なエンディングを迎えます。オーラス29曲目は「白桃薫る来世の宴へ」。神秘的な音色のリフレイン。
オーケストラ調あり、ハードロック調あり、そして民族音楽調とバラエティに富んでいて、しかもとてもドラマティックで感動的な楽曲群、素晴らしいアルバムです。

※あきかんさま、間違いを指摘してくださってありがとうございました。訂正しました。

桜庭統さん 11

2008-07-09 00:03:57 | 桜庭統さん
 「ヴァルキリー・プロファイル」同様に手に入れるのが難しくなっていたという「スター・オーシャン2アレンジアルバム」ですが、2008年5月にリマスターされて再発売されました。今回のアルバムも親切な方に薦めていただいて購入しました。
 ゲームソフト「スター・オーシャン2」のおおまかなストーリーは・・・惑星ミロキアに調査にきた連邦軍のケニー提督とその息子のクロード。クロードはそこで正体不明のある装置を発見します。ところがその装置に近づいたクロードは突然まばゆい光に包まれて・・・クロードは未開の惑星エクスペルに。豊かな自然に包まれた惑星エクスペル。そしてそのアーリア村に住む少女レナ。エクスペルには数ヶ月前に隕石が落下して以来、異変が。その隕石とは「ソーサリーグローブ」。運命によって引き合わされたクロードとレナは、闇を光に変えるために冒険の旅に・・・
 ではアルバムのほうへ。1曲目は「Silent the universe」。ゆったりと叙情的な雰囲気からはじまって、そして扉が徐々に開かれて明るい世界がどんどん広がっていくかのような・・・中盤からはスネアが入って迫力が増していきます。壮大なオープニングですね。
 2曲目は「Sacred song」。シンバルとティンパニのロールからはじまり、美しいキーボードの音色と荘厳なコーラスが響いて。そしてミドルテンポのリズムがスタート。サウンドはメロディアスだけどリズムはレゲエっぽいかな。中盤ではハープとオーボエのようなサウンドで綺麗なメロディを奏でられ、そしてリズムにのって透明感たっぷりのキーボードサウンドが。とっても心地いいですね。
 3曲目は「Stab the sword of justice」。テクニカルなドラムとベースから始まるアップテンポのメロディアスなロック。ドラムの疾走感がいいですね。中盤ではテンポダウンしてスペーシーなムーグソロが。
 4曲目は「Resolusion ~Pure a stream」。ラストはウインドベルが鳴り響くなか、幻想的なシンセサウンドが。そして、ゆったりとした美しいピアノの調べが奏でられ、そして荘厳なコーラスが入り、中盤からはストリングスが、オーケストラが入って壮大なシンフォニーとなっていきます。すっごいドラマティックですね。
 5曲目は「Lavender」。シンバルを強調した激しいドラムからはじまる変拍子のテクニカルな曲。スリリングで攻撃的で手に汗にぎるような感じ。アグレッシブなムーグソロのあと、一転ゆったりとしたテンポでハープシコードのソロが。そして再び激しいドラムが入って戦闘モードに。
 6曲目は「Theme of RENA」。美しくも物悲しいピアノのフレーズから始まって、綺麗な女性コーラスがはいって。オーケストラと共に壮大なスケールで描かれるゆったりとした荘厳な曲です。
 7曲目は「Integral body and imperfect soul」。ティンパニの轟く低音と女性コーラスから重くはじまり、そして一転、電子音のピコピコリズムが。壮大なオーケストラサウンドがヒップホップリズムにのってスリリングに展開していきます。
 8曲目は「This fragile life」。叙情的なピアノのリフと伸びやかなヴァイオリンからはじまり、JAZZ調のブラシドラムとボンゴのようなパーカッションが入って。中盤にはピアノソロも。幻想的な曲ですね。
 9曲目は「Mission to the deep space」。パワフルなドラムからスタートするアップテンポのメロディアスなハードロック。空を高速で飛んでいるかのような爽快感とスリリングな躍動感たっぷりですね。
 10曲目は「We form in crystals」。哀愁を感じるリフからはじまり、なんとなく湿っぽいヨーロピアン調の雰囲気。中盤では艶っぽくロマンティックなヴァイオリンを聴かせてくれます。
 じっくりと聴かせてくれる曲、思わず身体でリズムをとってしまうノリノリの曲、テクニカルでスリリングな曲と、聴きどころ満載のドラマティックで素敵なアルバムですね。

桜庭統さん 10

2008-07-08 06:56:40 | 桜庭統さん
 ゲームソフト「ヴァルキリー・プロファイル」。2000年ころにそのオリジナル・サウンドトラック盤と、アレンジアルバムが発売されたそうですが、あっというまに品薄になって、その後は高値で取引されていたそうですね。そして多くのファンが再発を要望されたそうで。それが2006年に祈願成就!まずは3月にサントラの完全復刻盤が、そして5月にこの「ヴァルキリー・プロファイル アレンジ・アルバム-完全復刻盤-」が、双方ともにリマスターされて発売されました。今回も親切な方に薦めていただいて購入しました。
 「ヴァルキリー・プロファイル」は・・・戦う乙女<ヴァルキリー>は、神々との戦い「ヴァルハラ」に勝つための、優秀な戦士になりえる死者の魂を集めるために地上へ・・・北欧神話をモチーフにした、“神と人”“剣と魔法”のRPGだそうです。
 アルバム1曲目は「不浄なる地へ~The neverending cycle of reincarnation」。静かに優しいメロディが流れ、オーケストラサウンドがはいって徐々に壮大なイメージに。中盤からは静かにゆったりと幻想的なイメージに。それが段々とドラマティックに盛り上がっていって、これからの展開に期待が膨らんでいきます。素晴らしいオーバーチュアですね。
 2曲目は「窮境へのレクイエム~天空の扉」。鐘の音がリズミカルに幻想的に響いて、そして美しい女性コーラスのあと軽快なリズムがスタートして躍動感溢れるサウンドに。中盤には一旦幻想的な雰囲気になるも再びリズミカルなサウンドに。
 3曲目は「Hopeless Resolution」。いきなりヘヴィなギターリフからはじまるアップテンポのハードロック。中盤にはかっちょいいオルガンソロもあり、スリリングでパワフルな曲です。
 4曲目は「全ては黄昏となりて~繁栄その代償そして序奏」。静かに、そして暗く重く。ベース音とアコースティックギターの音色が響き、そしてコーラスが神秘的な雰囲気を醸し出して。ダークななか、ハープシコードの音色とフルートの音色が響いて。
 5曲目は「未確認神闘シンドローム」。一転ハイテンポの軽快でパワフルなサウンドが。超攻撃的なかっちょいい曲ですね。中盤には一旦幻想的な雰囲気になるも再びハイテンポのロックに。空を高速で飛んでいるかのような爽快感がありますね。
 6曲目は「彼の者の名は、恐怖」。電子音が鳴り、そしてグレゴリアンのような重厚なコーラスが響いて。ミドルテンポのダークな雰囲気ながらもテクノ調リズムで。ややミステリアスな感じです。後半にはT・Saxをブーミーにしたようなサウンドのソロも。
 7曲目は「聖なる死への叙事詩」。ハープのような音色と可愛らしいコーラスからはじまり、そこにヴァイオリンが入ってゆったりと叙情的な雰囲気に。荘厳で重厚な、思わずひざまずいてしまいそうな曲です。
 8曲目は「奈落の底にある歪曲」。ワウギターのヘヴィなリフからはじまるアップテンポのロックです。ちょっぴりファンキーな感じ、というか70-80年代のディスコビートにも似てるかな?ノリノリですね。ついつい踊ってしまいます。
 9曲目は「心の小片」。ゆったりとしたコーラスから荘厳な雰囲気ではじまる、暗く重く、しかしドラマティックで壮大な曲。
 10曲目は「To the last drop of my blood~回帰性戦慄カテゴリー」。パワフルなキーボードリフ&ベースからはじまるアップテンポのメロディアスでノリのいいロック。中盤ではカラフルなキーボードソロも楽しめますね。
 11曲目は「Valhalla」。鐘の音から始まり、オーケストラとコーラスの重厚なサウンドが粛々と響いて。壮大な宇宙を感じさせる荘厳でドラマティックな曲。
 12曲目は「幸せに、なれますように」。壮大なスケールで描く劇的なエンディング曲。鐘の音からはじまり、ゆったりと美しいメロディがながれ、心を幸福感でいっぱいにしてくれます。
 攻撃的な曲、ノリのいい曲、そして荘厳でドラマティックな曲と、聴きどころ満載の素晴らしいアルバムですね。

桜庭統さん 9

2008-06-22 08:36:19 | 桜庭統さん
ゲーム・ミュージック界等で大活躍されている<桜庭統さん>。その作品群は膨大な数ですが、ご自身のソロアルバムはというと、1990年に発表された「戯曲音創」のみなんですよね。それが、今年2008年1月に、なんと18年ぶりとなるソロアルバム「Forest of glass」を発表します。桜庭さんのHPによれば、ソロアルバムはずっと以前から作りたかったそうなのですが、なにせご多忙のためになかなか機会がなかったそうです。そんな折に、昨年スタジオが完成して、お気に入りのグランドピアノをいれることができ、ソロアルバム制作に至ったようです。
 昨年2007年にはベースやドラムを用いない、従来とは異なる方法でゲームソフト「トラスティベル ~ショパンの夢~」のサントラを創作されましたが、今回のソロアルバムでは、なんとピアノオンリーで創作されました。桜庭さんの何にもとらわれない自由な発想による演奏・楽曲が楽しめそうです。
 アルバム1曲目は「Sign」。ゆったりと叙情的に始まり、徐々に盛り上がっていきます。序章的な小曲。 2曲目は「青い渦」。まるで川の流れのような、おだやかなようで大変起伏があって、柔らかさも激しさも伝わってきます。
 3曲目は「Tone blender」。低音部の連打の激しいリフからはじまるハイテンポのスリリングで攻撃的な曲ですね。ラストは静かにFin。 4曲目は「Tears」。人の感情の高ぶりのような雰囲気も感じられるアグレッシブな部分もある小曲ですね。
 5曲目は「追憶」。静かにゆったりとたおやかにはじまり、そしていくつもの起伏が。時に激しく、時にゆったりと綺麗なメロディがながれていきます。 6曲目は「Broken thought」。沈黙と衝撃音が交互に。そしてゆったりとしたメロディがながれるも急に止まったり、激しくなったり。ややアヴァンギャルドな雰囲気でしょうか。
 7曲目は「Fly!」。空高く飛び上がるような、爽快感のある明るい雰囲気のリズミカルで楽しい曲ですね。 8曲目は「narratage ~この地にありて~」。ゆったりと優しくおだやかに、綺麗なメロディがなだらかに流れていきます。ベンチに座って風になびく草原を見ているかのような感じかな。
 9曲目は「Lost me?」。サスペンスドラマのクライマックスのような雰囲気からはじまって、迷宮をさまようかのようなミステリアスな感覚でながれていきます。 10曲目は「悲しみの森」。叙情的なメロディが静かにゆったりとながれて、あっというまにFin。
 11曲目は「Maze of Mirrors」。ダークな雰囲気の不安げな感覚の調べが。 12曲目は「Resolution」。早いパッセージからはじまるアップテンポの超テクニカルで攻撃的な曲。
 13曲目は「Memory in a forest」。新緑に日が当たってキラキラと光っている森を眺めているかのような、まばゆい場面と影の面が交互に見える起伏に富んだ曲ですね。 14曲目は「ガラスの月」。いまにも砕けそうなガラスの儚さのような、もろいけどその美しさは絶品、って感じでしょうか。
 ピアノだけで描いた繊細で美しいドラマティックな世界、めっちゃ感動しております。

桜庭統さん 8

2008-06-21 08:10:09 | 桜庭統さん
 桜庭統さんの作品をみているなかで、この美しいメルヘンチックなジャケットに目が止まりました。2007年6月に発売されたゲームソフト「トラスティベル~ショパンの夢~」のサウンドトラックアルバムです。なんとCD4枚組!聴き応えありますね。このゲームソフトのストーリーはというと・・・
“1849年のパリ。とあるアパートの一室で、音楽家ショパンは病に冒され、ついに最期の夢をみることとなります。その夢は・・・現実と同じく街には人があふれ、同じ様に生活しています。がひとつ違うことが。それは、不治の病に冒された者には魔法の力が宿ること。夢の世界のショパンも魔法が使えることに。その世界でやはり同じ境遇ながらも必死に生きようとする少女ポルカの生きざまを見て、ショパンも考えを変えていこうと・・・
 誰もが心の中に持っていて、純粋な信じる心に反映して光輝くといわれる宝石<トラスティ>。そのトラスティの輝きが強すぎる少女は過酷な運命に・・・そんな少女を救うべく立ち上がる少年アルグレット。運命の歯車はいかに・・・“
 “ショパンの夢”を題材にしていることもあり、このサウンドトラックにはショパン作曲の代表的な数曲が用いられていますが、そのなかでも「革命」「幻想即興曲」「英雄」「別れの曲」「雨だれ」「華麗なる大円舞曲」「夜想曲」の7曲は<ショパン国際ピアノ・コンクール>で最年少で優勝した<スタニスラフ・ブーニンさん>という方がこのサウンドトラックのために演奏されたそうです。(ブーニンさんもゲームがお好きなのだそうです) そしてこのサウンドトラックでは、桜庭さんは、ドラムとベースは用いずに、ピアノとハープ、そしてオーケストラサウンドを主に用いており、これまでのプログレ・ロック調とは異なり、優しく美しい癒し系の穏やかなサウンドでしめられてます。全69曲が4枚のCDにおさめられているんですけど、緩急を絶妙に配した構成で、全くあきることなく4枚を聴き通してしまいました。
 全69曲の紹介は到底できませんので、いくつか印象に残った曲をかいつまんで・・・まずDisc1では、ゆったりとした美しいピアノの調べと、透明感のある綺麗な女性のスキャットからはじまり、オーケストラが入って盛り上がります。綺麗だけどどこか物悲しいフレーズですね。 3曲目にブーニンさん演奏のショパンの「雨だれ」という曲が。4曲目の「Relaxing place」はフルートの音色とハープの音色が美しいゆったりとした穏やかで素朴な曲。5曲目の「Leap the precipice」は一転してスリリングな攻撃的な曲。迫力のあるオーケストラサウンドが楽しめます。8曲目の「Reflect the sky, Bloom the life」はオーボエやクラリネットのノンビリとした穏やかなサウンドが心地よいです。後半のアコースティックギターもいい感じですねぇ。9曲目の「手の中の淡い光」は柔らかなタッチのピアノのゆったりとした優しい感じの曲。11曲目の「Underground for underhand」はティンパニの迫力が感じられるパワフルな曲。12曲目の「Rapid fire」はダークなイメージのスリリングな曲。13曲目は「立ち向かう覚悟」。タイトルの通りに勇気が湧いてくるような力強い曲。14曲目は「Can you recite the dream?」。ゆったりとした綺麗でドラマティックな曲。17曲目の「あなた次第」はグロッケンの透明感のある音色が印象的。遠くに聴こえるスキャットもいいですねぇ。20曲目の「明暗を分かつ瞬き」はハイテンポのスリリングで躍動感溢れる攻撃的な曲。
 Disc2はいきなり1曲目にショパンの作品のなかでも最も代表的な超有名曲「革命」です。ブーニンさんの迫力のある素晴らしい演奏が聴けます。2曲目は「Dive into the vast expance of plains」です。ティンパニロールからはじまる壮大なオーケストラサウンドのオーバーチュア。4曲目の「背も腹もない壁」はスリリングで力強い曲。5曲目の「Breeze the conductor」は大空を飛んでいるかのような広大な広がりを感じるリズミカルで爽快な曲。6曲目の「揺らぐ銃後」も広い大地を眺めているかのようなスケールの大きな曲。7曲目の「DANTOTSU!」はとってもコミカルな曲。シロホンの音が印象的。10曲目の「Journey to projective mind」はピアノの抒情詩的な曲。11曲目の「追撃」はティンパニの打撃音が印象的なダークな曲。12曲目の「I bet my bellef」はスリリングでワクワクしてくるような曲。13曲目はブーニンさん演奏の、やはりショパンの代表曲の「幻想即興曲」。だれもが聴いたことのあるメロディですね。16曲目の「Endure and resist」はギターとピッコロのような音色が印象的なフォルクローレ調のゆったりとした、どこか懐かしさを感じる曲。
 Disc3も1曲目にブーニンさん演奏のショパンの曲「華麗なる大円舞曲」からはじまります。優雅でロマンティックな曲。この曲もタイトルは知らなくてもメロディにはだれもが聞き覚えのあるはず。2曲目の「A buffer for quiet」は心にしみじみとつたわってくる美しいバラード曲。3曲目の「心の散歩」はゆったりとした優しいメロディの短いピアノ曲。4曲目の「Seize the artifact for tallness」はダイナミックで力強い攻撃的な曲。オーケストラサウンドがせまってくるようです。5曲目の「和を尊ぶ調べ」は、ハープシコードと鐘の音が印象的なゆったりとした壮大な曲。6曲目の「明日から・・・」はメロディアスなピアノの小曲。7曲目の「白き鏡」は、艶やかなヴァイオリンサウンドが印象的な、ゆったりとした心癒される美しい曲。9曲目はブーニンさん演奏のショパンの「夜想曲」。この曲もメロディはだれもが聞き覚えのあることでしょう。美しいロマンティックな曲。11曲目の「雪と氷の境界」は、ハープとベルの音色がとっても綺麗なゆったりとした曲。14曲目もブーニンさん演奏のショパンの「別れの曲」。綺麗なメロディの曲。どこか寂しさを感じますね。15曲目は「Continuous divider」。ゆったりとした叙情的な曲。ベルの音色が印象的ですね。
 Disc4はハイテンポでスリリングな曲調の「Your truth is my false」から始まります。2曲目は「Captured phantom」。ピアノとヴァイオリンの哀愁ただようフレーズを交互に聴かせてくれる曲。3曲目は「The etudes of spirit」。ダイナミックなオーケストラサウンドの攻撃的な曲。5曲目の「Spiral twister」もオーケストラサウンドのダイナミックな曲です。6曲目は「Broken balance」。ハイテンポのスリリングな曲。悲痛の叫びのようなヴァイオリンの音色とコーラスが印象的。7曲目は「The unreasonable theory」。ダークな、うねるような不気味なコーラスの不安げな曲。8曲目はブーニンさん演奏のショパンの代表曲「英雄」です。この曲も誰もが聴いたことのあるメロディの曲ですね。力強い素晴らしい演奏です。10曲目は「革命」をオーケストラアレンジされた「Scrap and build ourselves~革命より~」。元々スリリングな展開の曲だけにオーケストラ効果は絶大ですね。よりスリリングに、よりダイナミックで劇的な曲に。11曲目の「事実と誠実、そして真実」は、ゆったりとした綺麗なメロディのピアノ曲。澄んだ美しいコーラスもすっごい素敵。13曲目の「大切な人」はゆったりとした幻想的な雰囲気の美しい曲。14曲目の「Someone’s evening, Someone’s daybreak」もゆったりとした美しい曲でドラマティックに盛り上がっていきます。15曲目の「鏡天花」は唯一の歌モノで、品田昭子さんの澄んだ美しいソプラノヴォイスによる、とっても綺麗で劇的な曲。オーラス16曲目の「命のかたち」は、優しさの感じられる綺麗なピアノの短いエピローグ曲。 心癒される美しい楽曲がCD4枚に納められた素敵なアルバムです。

桜庭統さん 7

2008-06-05 06:55:36 | 桜庭統さん
 「Beyond the Beyond」と同じく、桜庭さんの作品はすでに廃盤になるも、評価が高くて高値で取引されているアルバムがいくつかありますが、今回もようやく手に入ったこのアルバムを。1998年ころに発表された「Force the Light」です。このアルバムはフランスレーベルから発売されたもので、日本盤は「シャイニング・フォースⅢ」として発売されています。両アルバムの内容はほとんど同じなのですが、最初の1曲目だけが異なっています。このアルバムは大体¥7000-.以上で取引されているんですよね。で、つい最近某オクでこの海外版のほうが安く出品されていたんです。そんなときにグッドタイミングで親切な方が海外盤を薦めてくださったもので即入札。そしてそこそこの金額で手に入れることができました。
 「シャイニング・フォースⅢ」のストーリーは・・・パルメキア大陸端部に位置するデストニア帝国、アスピニア共和国、そしてその2つの国の中間に位置するバーランド中立貿易国。この3国の存亡をかけたやりとりのようです。デストニア帝国のドミネート皇帝にとって、アスピニアは元々自分の領土であった、と。常にアスピニアを取り戻すことをたくらんでいたものの、そのためにはバーランドを通らねばならず、逆にアスピニアにとってはバーランドを死守することこそ、国の平和を保てることになるわけで、常にバーランドに帝国の侵攻を阻むべく、軍を駐留させ、もう20年近くもにらみ合いの状態が続いていたとか。そんな折に・・・ある年、天候不順により、作物が不作でアスピノア国内が食料不足に陥ってしまいます。国が食料を配給するもその量が不平等となり、食料をめぐって国内で内乱が勃発。めぐってきたチャンスにドミネート皇帝はバーランドに侵攻し、制圧。しかしこの事態にアスピニアが黙っているわけもなく、奪還計画を。そのとき第3国のサラバンド国総督グラビーが仲介に。そして・・・ちょっと長くなりましたね。
 アルバム1曲目は「Persistance of Hope」。力強いピアノのリフから始まるダイナミックで壮大なスケールの曲ですね。途中アップテンポでジャジーな感じのピアノソロもあり、スペーシーでスリリングな展開もあり、一転ゆったりと幻想的なサウンドになる場面も。ドラマティックに展開が嬉しいですね。 2曲目は「Force: To Armsl」。軽快なドラムからはじまり、ミドルテンポでテクニカルな場面と優雅な雰囲気が交互に。中盤はパワフルなドラムをバックにアグレッシブなムーグソロが。うねりまくるベースもいいですねぇ。ラストは幻想的にFin。 3曲目は「A Light To Lead The Way」。シンバルロールからダイナミックなオープニングが。そしてゆったりと美しく優雅なコーラスがながれて。光あふれる雄大な景色な浮かんできそうです。中盤にはパワフルなスネアのリズムをバックに伸びやかで力強いムーグソロが。終盤は序盤同様にゆったりと優雅に。めっちゃ綺麗でドラマティックな曲です。 4曲目は「Strive Against The Dark」。不気味なSEとパワフルなドラム&ティンパニの短い曲で、次の曲につながります。 5曲目は「Bulzome Rising」。テクニカルでパワフルなリフと、伸びやかでロマンティックなフレーズが交互に。中盤では変拍子リズムをバックにアグレッシブなギターソロと、かっちょいいベースソロも。そのあとはメロディアスなギターソロも。スリリングで攻撃的な曲ですね。 6曲目は「Traveler’s Respite」。ハープとオーボエのゆったりとした優しい音色からはじまり、そしてボレロ風のリズムでティンパニ&スネアが入って力強い雰囲気に。中盤ではホルストの「火星」のような雰囲気に。そのあとは荘厳なコーラスをバックにハープのオーボエの音色が優しく響いて、そして再び力強いリズムが。 7曲目は「Tides of History」。シンバルロールからはじまり、フルートの叙情的な音色が響いて。ダークな雰囲気ながらも希望の光が見えているような感じですね。ベースがまたうねりまくって凄くいいです。ドラマティックな展開にうっとり。 8曲目は「Force On The Move」。マーチングドラムからはじまる躍動感あふれる力強い曲。パワフルなティンパニサウンド、いいですねぇ。メロディもとっても爽やかで綺麗で、勇気が湧いてきそうな感じです。 9曲目は「Sanctity」。ミステリアスで幻想的な雰囲気のゆったりとした曲。中盤ではストリングスの美しいメロディが流れて、そして鐘の音とともに再びダークな雰囲気に。 10曲目は「The Lever To Move The World」。パワフルなオルガンリフから6/8のちょっと変拍子もはいる軽快なリズムに。そしてリズムチェンジしてゆったりと穏やかで綺麗なメロディがながれます。中盤には口笛のような素朴な音色も。そしてパワフルなリズムをバックにアグレッシブなオルガンソロが。 ドラマティックな曲、パワフルな曲、素晴らしい楽曲満載のアルバムですね。感動しました。

桜庭統さん 6

2008-06-04 06:54:27 | 桜庭統さん
 桜庭さんの多くの作品群のなかでも特に“最高傑作!”と称えるファンも多いのがこのアルバム「Beyond the Beyond」です。すでに廃盤で、最高評価なだけに中古市場でも1万円以上の値段がついているんですよね。なので貧乏な自分はあきらめていたんですけど、毎日某オクは一応チェックしていました。そんなときについ最近、手ごろな価格から出品されたもので即入札。親切な方からも大推薦してもらったこともあっていけるとこまでいってみよかと。そして幸いにも自分の限界金額近くで落札できたもので超ラッキー!思わずバンザイしちゃいました。
 このアルバムはPSゲームソフト「ビヨンド・ザ・ビヨンド」のサントラ盤で、1996年に発売されたものです。ストーリー的には“神族と魔族の対立”とのことですが、詳しいことはわかりません。なのでさっそくアルバムのほうへ。なんと1曲目と4曲目にかの<難波弘之さん>がゲスト参加されていて、桜庭さんとの豪華で凄いツインキーボードサウンドを聴かせてくれます。 まず1曲目は「約束の地へ」。ゆったりとしたフルートのような素朴な音色からはじまり、そこにヴァイオリンが絡んでそしてシンバルロールとティンパニロールで盛り上がります。荘厳な雰囲気で進みパワフルなサウンドも。アグレッシブなヴァイオリンサウンドのソロのあと、再び静かにコーラスから始まり美しいピアノソロが。中盤では♪ダン、ダン!と強い打撃音が響き、ダークなムーグソロが。そのあとはドラマティックなエンディングへ。“冒険と郷愁”をテーマとしたという壮大なスケールのオーバーチュアですね。 2曲目は「飛翔の時」。ゆったりとした幻想的なサウンドからはじまり、シンバルロールから力強いピアノリフが。そしてゆったりと空を漂うかのようなサウンドに。そしてダークなリフからアプテンポでリズミカルに、そしてアグレッシブなソロを聴かせてくれます。その後ドラの音とともに再びダークな雰囲気に。悲痛の叫びのようなヴァイオリンサウンドも。そしてヒステリックなピアノソロやハープシコードの音色のソロも。終盤はテクニカルな変拍子リフのあとパワフルでドラマティックなエンディングが。 3曲目は「Beyond The World」。この曲はゲーム中の各曲をメドレーでたっぷり聴かせてくれます。ダダダダン!と地響きのようなリズムからパワフルな生ドラムがスタート。そして悪魔の咆哮のような音から変拍子アップテンポのハードでテクニカルな展開に。めちゃめちゃハードロックしてますね!中盤は一旦落ち着いてゆったりと。荘厳なコーラスとハープシコードのサウンドが響き、ハープのような音色のリフ、そしてパワフルなドラムがはいります。そしてフルートのような素朴な音色がゆったりと響いて、そのあとダークな雰囲気のなかオーボエのような音色が。そしてヴァイオリンの抒情的なサウンドが響き、ラストはメロトロンの不気味なサウンドが徐々にフェードインしていきます。 4曲目は「無情の原野」。ミステリアスな雰囲気からヴァイオリンがはいると共に優雅な雰囲気に。そしてドラムインとともにアップテンポの軽快でスリリングなサウンドに。生ドラム独特の躍動感がたまらないですね。変拍子リフにのってアグレッシブはムーグソロが。その後ダークな雰囲気のなかパワフルなオルガンソロを。中盤一旦ドラムが止まって神秘的な雰囲気に。不気味なSEのなかオルゴールのような可愛らしい音色が響き、そして徐々に盛り上がっていって、ゆったりとしたドラムとともに明るい世界がひろがっていきます。ヴァイオリンの優雅な響きが印象的ですね。ラストはミドルテンポのパワフルなリフのあと、艶やかなヴァイオリンの音色とダークなピアノリフが。 5曲目は「新たなる旅立ち」。この曲はゲームには未収録の曲で桜庭さんがこのアルバム用に新たに作曲されたそうです。ゆったりとした叙情的なヴァイオリンサウンドからはじまり、荘厳なコーラスをバックに力強いピアノとハープシコードサウンドが。そして雷鳴のようなSEをバックにパワフルなドラムと流麗なピアノの音色が響きフルートのような音色が宙を舞い、次第に壮大なスケールのドラマティックなサウンドに。中盤一旦静かな雰囲気になるもすぐに力強く美しいサウンドに。ラストは綺麗なリフレインが繰り返されてフェードイン。 メロトロンを多用したスペーシーでドラマティックな素晴らしい作品ですね。ゲームミュージックの枠を超えたハイレベルなシンフォニック・プログレ・サウンドをたっぷり楽しめます。 

桜庭統さん 5

2008-03-03 22:18:45 | 桜庭統さん
 薦めていただいたアルバムのもう1枚が2006年に発表された<ヴァルキリー・プロファイル2 シルメリア アレンジアルバム>です。ゲームのストーリーは、“主審オーディンにより、魂の選定の任を与えられていた戦乙女シルメリア、任務に忠実であったが、ある出来事でオーディンの強引な命令に疑問を抱いて反抗。危険を感じたオーディンは急遽シルメリアを転生させて次の戦乙女を召還しようとするが、転生の秘儀が不完全な状態で発動。シルメリアの魂はディパン王女アリーシャのなかで覚醒して・・・” すみません、自分はゲーム全然やらないもので、まったくわからないっす。なのでさっそくアルバムのほうへ。1曲目は「歪みし因果律の胎動」。美しいコーラスとストリングス&オーケストラサウンドによる壮大なオープニングです。これからどう展開していくのか期待と不安がまざったようなスリリングな感じですね。 2曲目は「Celestial Troupe」。パワフルなドラムとともにスタートするアップテンポのメロディアスなハードロック。後半のオルガンソロ、綺麗なフレーズでめっちゃかっくいいっす。 3曲目は「Junk Modulation+過ちを生む」。重いベースから始まるヘヴィなギターリフのミディアムテンポのダークな曲。中盤には悲壮感漂うオーケストラサウンドが。グランジっぽいギターが邪悪さを感じさせますね。終盤にはちょこっとドラムソロも。 4曲目は「A Motion of Finishing Blow」。ビートにのったストリングからはじまるアップテンポのメロディアスな曲。中盤のピアノ&シンセのソロもとっても綺麗。 5曲目は「邪気と慈悲の無い舞踏」。歪んだベースとオルガンからはじまるミディアムテンポのヘヴィな曲。ティンパニ音が効果的に使われてますね。終盤にはベースとドラムのフリーインプロバトルが。 6曲目は「A Stable Float」。寂しげなピアノからはじまる叙情的な曲。ヴァイオリンの哀愁を感じさせる音色に切なさを感じます。 7曲目は「その手に光を得るために」。変拍子のテクニカルでパワフルな曲。手に汗握るようなスリリングな展開ですね。 8曲目は「Unrestrained Struggle」。ハープシコードのような音色からはじまり、壮大なオーケストラサウンドに。不安をあおるような緊張感のある展開ですね。 9曲目は「Endless High-Speed Running」。激しいドラムからはじまるハイスピードのハードロック。このドラムサウンドはCozy Powell氏の「Formura 1」を思い出しますね。フィルも似てるし。 10曲目は「帰結への仕儀~永らえたる地へ~多重化する背反~Each Lullaby」。美しいピアノから静かにはじまり荘厳なオーケストラサウンド&コーラスが。美しくドラマティックな展開で盛り上がり壮大なフィナーレを迎えます。ゲームを知らなくてもどんどんその世界に引き込まれていくような感じですね。美しくスリリングな展開の素晴らしいアルバムです。 各演奏は打ち込みではなく、ほとんど生演奏だとか。で、生演奏といえば、この年、2006年6月4日に今回のこのアルバムの曲を中心としたコンサートが六本木のラフォーレで開催されたそうです。その素晴らしいライブの模様を全曲ではないものの、そのうちの10曲が収録されたアルバムも発表されています。1曲目は「Overture to the Destiny」。 2曲目は「窮境へのレクイエム~否定的な無意識下へ」。 3曲目は「Mission to the Deep Space」。 4曲目は「Confidence in the Dmination VP2version」。 5曲目は「その手に光を得るために」。 6曲目は「邪気と慈悲の無い舞踏~Drums solo~Bass solo」。 7曲目は「A Motion of Finishing Blow」。 8曲目は「Celestial Troupe」。 9曲目は「天空の扉」。 10曲目は「The Incarnation of Devil~Confidence in the Domination VP1version」。 2003年のときよりもバンドとしての一体感が増して、ライブならではの迫力と緊張感が味わえます。

桜庭統さん 4

2008-03-02 08:07:46 | 桜庭統さん
 ゲームミュージックってPCで作る曲だから実際に演奏なんかできるわけない、なんて思ってましたが、そこは凄腕ミュージシャンの桜庭さん、実際にライブで再現されているんですね。これにはほんとビックリしました。“ゲームミュージック”いうよりも“プログレ”に興味がある自分としてはぜひともライブ音源を聴いてみたくなって、早速ライブ盤を手にいれました。2003年7月19日にZEPP東京でゲームファン・プログレファンを集めて行われたコンサートを収録したアルバム「MOTOI SAKURABA LIVE CONCERT STAR OCEAN & VALKYRIE PROFILE」です。大人気のゲームソフト「スターオーシャン」と「ヴァルキリープロファイル」の人気曲を中心に構成されたセットリストで、桜庭さんのこれまでのバンドスタイルの通り、キーボード・ベース・ドラムスの3ピースにこだわった編成での演奏です。間違ってもいいから人間味を出したかった、打ち込みではない人間の演奏する音楽を聴いてほしかったそうです。 メンバーは桜庭さんの他、ベーシストの<長谷川淳さん>、モヒカンドラマー<中村俊彦さん>です。無論3人で演奏できるように多少アレンジした曲もあるようですが、ほとんどはお3方の超絶テクによる凄い演奏のようです。で、なんとこのコンサートは音源だけでなく映像もある、とのことでDVDも手に入れちゃいました。 曲は、1曲目は「The Dawn of Wisdom」。荘厳な雰囲気からはじまる力強い序曲ですね。 2曲目は「未確認神闘シンドローム」。アップテンポのキャッチーなメロディの曲ですね。でもドラムは攻撃的でプログレしてますね。 3曲目は「Fly Away in the Violet Sky」。変拍子の超テクニカルなハードロック。これを再現しちゃうってほんと凄い。中盤はほとんどドラムソロ状態ですね。キーボードソロも凄い! ここでDVDではちょこっとゲームの映像が。4曲目は「Refiected Moon」。幻想的かつ神秘的な短い曲です。そしてハイテンポのハードロックの5曲目「Hand to Hand」に。メロの裏のベースラインもかっくいいっす。 6曲目は「窮境へのレクイエム~否定的な無意識下へ~」。透明感のあるキーボードの音色のあと6/8リズムのパワフルなノリのいいハードロックに。 7曲目は「March for Glory」。ベースからはじまる地響きがするくらいのパワフルで重い曲ですね。中盤にはフリーインプロビゼーションのバトルも。 8曲目は「Theme of RENA ~Drums solo~Bass solo~」。ムーグなどキーボードソロからはじまり、ドラムソロそしてベースソロが。超テクニカルなスーパープレイの目白押しです。演奏後にメンバー紹介があります。 9曲目は「Highbrow」。力強いピアノからスタートする変拍子のテクニカルな曲。暗黒の世界をさまよっているかのようなミステリアスな雰囲気も。 10曲目は「So Alone, Be Srrow」。ピアノバージョンです。物悲しげなピアノの切ない曲。 11曲目は「Mission to the Deep Space」。ハイハットからはじまるアップテンポのスリリングな曲。暗闇のなかを駆け抜けているような感じかな。 12曲目は「Confidence in the Domination」。変拍子のテクニカルでハイテンポの攻撃的な曲。ハモンドの音色がかっこいいし、全体に緊張感があっていいですね。 13曲目は「Cutting Edge of Notion」。メロディアスでスリリングなノリのいいスピードロック。時折クラシカルなフレーズも。 14曲目は「天空の扉」。ミドルテンポの哀愁を感じる綺麗なメロディの曲ですが、けっこうパワフルです。この曲が本編最後だったようです。 そしてお客さんへの挨拶のあと、アンコールに応えての15曲目は「Star Ocean Forever~The Incarnation of Devil~The Dawn of Wisdom」。序盤はゆったりとしたテンポの雄大なイメージで、中盤はアップテンポのメロディアスなハードロックに。変拍子のプログレッシブパートもあり、アグレッシブなオルガンソロも聴けます。エンディングでは再びスローテンポでドラマティックにFin。「どうもありがとうございました!」 全編打ち込みいっさいなしのお3方の超絶テクを駆使した素晴らしい演奏が堪能できます。 16曲目はボーナストラックで、桜庭さんのスタジオでの素晴らしいピアノ演奏が収録されています。 

桜庭統さん 3

2008-03-01 08:10:30 | 桜庭統さん
 桜庭統さん、たくさんのゲームミュージックを作曲されていまして、いったいどれから聴いたらいいものかちょっと悩んでいたときに、親切なお方がいくつか薦めてくださったんです。で、さっそく購入してみました。まず今回のアルバムは2003年に発表された<スターオーシャン3>のアレンジアルバムです。「スターオーシャン3 –Till The End of Time」というゲームソフトは、前作「セカンドストーリー」から約400年後の世界が舞台となっていて、銀河連邦が圧倒的な支配力をもって繁栄し、人々は平穏な日々を送っていたのですが・・・ある日突然あらわれた正体不明の宇宙軍から奇襲をうけて・・・という内容らしいのですが、ゲームを全くやらない自分にはさっぱりわからなくて・・・すみません。で、さっそくアルバムのほうへ。1曲目は「The Down of Wisdom~The Incarnation of Devil」。ブラスの低音から静かに荘厳な雰囲気でスタートして、コーラスとフルオーケストラが入って壮大なスケールのオープニングに。それが落ち着き、美しいコーラスのあとにドラムがはいってアップテンポのロックモードに。そして再び静かに美しいピアノの調べが流れて。どんどん展開していくドラマティックな序曲ですね。 2曲目は「So Alone,Be Sorrow~Rhythm Ver.」。この曲はこのアルバムで3パターン収録されていますが、まずはアップテンポのロックモードですね。綺麗なメロディがスリリングにリズミカルに展開していきます。 3曲目は「Bird’s Eye View」。透明感のある幻想的なゆったりとした曲。美しいキーボードサウンドにうっとり。 4曲目は「Fly Away in the Violet Sky」。ハードなオルガンからスタートする、アップテンポの変拍子のテクニカルな曲。中盤のピアノ&オルガンのソロもダイナミックですね。 5曲目は「So Alone, Be Sorrow」。今度はゆったりとした叙情的なコーラス&可愛らしいスキャット入りバージョンです。 6曲目は「Frightened Eyes」。静かに荘厳にはじまり、突然嵐のようにアップテンポのハードロックモードに。終始ミステリアスな雰囲気ですね。 7曲目は「Reflected Moon」。落ち着いた穏やかな雰囲気のゆったりとした壮大なスケールの曲。終盤はグレゴリアンのようなコーラスが。 8曲目は「Mission to the Deep Space~Sail Against the Wind」。スリリングに徐々に盛り上がっていってアップテンポのメロディアスなハードロックモードに。ベースがかなり効いてますね。それにSaxの音色も新鮮です。スリルあふれるドラマティックな展開でドキドキしてきます。 9曲目は「Till the End of Time」。透明感のある叙情的な、哀愁を感じさせる曲ですね。 10曲目は「Brass Wings」。壮大なスケールのオーケストレーションとハードロックモードが交互に訪れるめちゃめちゃかっくいい曲。 11曲目は「Lakes and Marshes with Doubt~Powerbroker」。神秘的なサウンドのゆったりとした雰囲気でスタートしますが、突然悪魔のようなヴォイスが入り、そこからアップテンポに。邪悪モードのような感じで、スキャットが不気味さを醸し出してます。 12曲目は「So Alone, Be Sorrow – Piano Ver.」。ラストは叙情的なピアノバージョンです。可愛らしいスキャットも入り、とっても美しいサウンドですね。うっとりと聴き惚れてしまいます。 このアルバム、某通販サイトのレビューをみると手厳しいものもありましたが、初心者の自分には充分満足できました。