イギリス/ストックポート日報 《England/ Daily Stockport》

イギリス北西部の歴史ある街、ストックポート Stockportから(ほぼ)日替わりでお送りする、イギリス生活のあれこれ。

修復過程のヴィクトリア・バス、市民に愛される文化遺産、修復費用をまかなうためにイベント会場として大活躍中

2019年10月26日 09時00分00秒 | マンチェスター
現在イベント会場として人気のスポット、ヴィクトリア・バス Victoria Baths 。昨日の続きです。


かつて女性用のプール入り口だった右端の扉がイベント会場の入り口として使われています。
きちんと車いす対応の長く折れ曲がったランプ(坂)がつけられています。

修復は現在も進行中です。

建物の前面2階のスペースに横に長く並ぶ数部屋は管理人の住居だったそうです。


20世紀初頭の代表的な住居窓、美しいアールデコ様式のステンドグラスはオリジナルだそうです。
床は比較的最近はりかえらえれたようです。

女性用プールの壁も修復途中のようです。




今でも文化遺産の修復、保存援助の公的基金が投入されているのか実は調べられませんでした。

定期的に開催されるフェアやイベントに会場を賃貸することでかなりの収益を上げていると思われるのですが、どうでしょうか。
もちろん収益金はすべて修復費用にまわされるはずです。

私が先週行った、ヴィンテージ家具と雑貨フェア、Vintage Home Show もイベントのひとつです。


販売会ですが、入場者からも5ポンドの入場料を徴収しています。



いわゆる、「アンティーク・マーケット」とは趣の異なる1950年、60年、70年代のものを扱うレトロでおしゃれな「ヴィンテージ」フェアでした。

2,30年前にはガラクタ同様だったレトロ家具が、修理されたり手を入れられたりして、けっこうたいそうな値段で販売されています。

今でも老人ホームに入居するお年寄りなどが自宅の古家具を値打ちも知らず業者に手数料を払ってゴミ捨て場に捨てに行かせる類の古道具...案外そんなところからも流れてくるのかもしれません。

私も好きなのですが、すでに家具は足りているし欲しいものがあったとしてもこんな特設の販売会場で即決するのがためらわれるほどの高額なものがほとんど。
明らかにセカンドハンド価格であることを確認して、ヴィンテージではないひざ掛け毛布(値切って12ポンド)と、1970年代のロブスター柄のティータオル(言い値で10ポンド)を即決購入。

すべて他にはない一点ものなので、欲しいものが見つかれば即決購入がこういったイベントでの買い物の成功の秘訣なのでしょうね。
....ウェッブサイトなどでじっくり他も見ながら検討するのに慣れた今、家具の即決購入はやっぱりためらわれます....



☝手すりの対角の角あたりに私の買ったひざ掛け毛布が小さく写っているのを発見!

男性用<一等>プール。


ミュージック・イベントの際はオーケストラ・ボックスのように楽団が入って演奏するらしいです。
音響がいいのかもしれません。

結婚式にも貸し出している、と案内ポスターにありました。
結婚登記所から出張してきた職員が、プール内に並べた椅子に座る列席者を前に式を執り行ってくれます。

まわりの更衣室ブースのレトロなシマシマカーテンがかわいい!最近取り付けられたようです。


毎年、9月の週末2日だけこのプールに水がはられ、予約でチケットを購入した入場者に開放されるそうです。
多くの入場者は20世紀初頭の水着を着用してコスプレ水泳大会に興ずるということ...見物したい!



イベントの日はイスとテーブルを並べてカフェとして利用される「パイナップル・ルーム」


正面にパイナップルの絵のステンドグラスがあるころからついた通称だそうです。

この部屋と左にある似たようなつくりのもう一部屋は結婚式後のパーティーなどに貸し出せるそうです。
研修や会議にもぴったり!と案内ウェッブにありました。

10年前に見学に来たときはボロボロで、建築資材がぎっしり詰まっていたような不確かな記憶があります。

水曜日の午後はボランティアによる有料(7ポンド)ガイド・ツアーがあるそうです。

前述の管理人の居住エリアとプール観覧席エリアの境にあった美しい、アールヌーボーのステンドグラス。


ここも管理人の居住エリアです。


1906年のグランド・オープニングの時から奇跡のように生き残った「クリケット」テーマのステンドグラス。


こちらは「フットボール(サッカー)」


修復された「古城」と「水車小屋」


半壊状態のヴィクトリアバスでやはり奇跡的に生き残った「妖精」(「トルコ風呂」にあります)は、ヴィクトリア・バス修復のシンボルでもあったはずです。


前回に来たときは周りのステンドグラスは板で囲われていた記憶があります。
修復されたようですね。

御影石のような床も、10年前は荒いコンクリート敷きだったように覚えています。

「トルコ風呂」でも結婚式が挙げられます。
と言うより、どうやら賃貸料を払えばどこで何をしてもいいらしい貸し切りスペースがいっぱいのビクトリア・バス!

「トルコ風呂」から見えるイベント会場、(もと)男性用二等プール。


床も、壁のタイルも新品です!!


改修中に入った時には壁のタイルがところどころはがされ、ペンキで落書きがされていました。

修復過程の見学会と同時に、なぜかこの場所で前衛アーテイストの個展が小規模に開催されていました。
どんな作品だったか、全くおぼえていません!

緑のタイルもアールヌーボー様式!
修復されたものかオリジナルなのかわかりません。

10年前の見学会の際どんな状態だったのか、説明があったのかも覚えていません。

ハロウィーンイベント、クリスマスイベントなど年内もイベント予定が盛りだくさん!


古代ローマ時代の浴場風モザイクタイルの床!





コメント
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