イギリス/ストックポート日報 《England/ Daily Stockport》

イギリス北西部の歴史ある街、ストックポート Stockportから(ほぼ)日替わりでお送りする、イギリス生活のあれこれ。

ポルトのストリート・アート

2016年05月10日 09時00分00秒 | ヨーロッパ
ポルト、6日目。

昨日は都合で休刊しました。

古い建物が数多く残る、ポルトガル北部の都市、ポルト Porto




修復、保存に莫大な財力を要する古い建物を無尽蔵に抱えた世界遺産、ポルト。


不況と、国家的財政削減策のせいか、個人所有の建物(家屋、店舗)の修復、保存の援助には財政的な限りがありそうです。


あまり裕福ではなさそうな人がたくさん住んでいるようにも見受けられました。

いたるところに老朽化した、取り壊し費用さえ捻出できないようなボロ建築がみられます。


しかし、ポルトの雰囲気は、暗くない!!

私の大好きなストリート・アートがいっぱい!!


誰かの提案なのか、自然発生したムーブメントなのか、ボロ壁や空き家、空き店舗の壁やシャッターを、発表の場の限られている無名のアーティストが思い思いの意匠で飾る、ストリート・アートとのコラボレーションがすすんでいます。

ぼろい建物をもてあますことなく、ポルトの町全体が活気のあるストリート・アートの発表の場として昇華しています。


ストリート・アートとは!?

「ストリート・アートなんて存在しない。ただの落書きだ」という人もいて、定義が難しい。


これなんか、手がかかってるけど、線路沿いの壁などにスプレーで名前や主張をかきなぐってある、〈タギング〉と同類といえるでしょう・・・


これも。


ところで、このアーモンド目の世界共通のエイリアンのイメージ、ポルトで実にたくさんみかけました。同じ人の手になるものかは、不明です。

ポルトの車止め。


イギリスでは、舗道に車が入らないように並んでいる「ボラード(車止め)」は、上をまるくした、1・3メートルぐらいの金属の柱がおなじみですが、ポルトではどこもこの、床の玉コロ。(日本のガードレイルのかわりです)

足元に気をつけてあるかないと、つまづいて転ぶ!


これも、ゲリラ的創作ですね。


ええと、これは・・・?


手の込んだ「タギング」か「落書き」といっていいでしょうが、このニコニコしたキリンさんの絵、にくめません。ポルトのいろいろな場所で目にしました。

繁盛している小さなカフェ(外でビールとオレンジジュースを飲みました。店内は扇形)と隣のポート・ワイン店は、店の外壁の落書きを気にしていないようですねぇ。

一部残る中世の城壁の横に赤いキツネ。いいんでしょうか・・・・?



表通り、ドゥーロ河畔に出る直前の賑やかなとおりに、この無残な老朽化した空き店舗があるのが驚きですが、おそらくは、建物の持ち主か、自治体に依頼されて描かれたと思われる、一般受けする素朴で可愛らしい表現。


これも。




歯抜け。


まんなかにウンコ。プリミティブな主題ですがかわいくて洗練されてる。

ちなみに、このとぐろ巻きウンコは、いまや世界共通の「エモジ」から広まったもともと日本の、おなじみイメージです。

歯抜けとまんなかウンコは、驚くべきことに、ギャラリーや、工芸ギフトショップのならぶこのちょっと高級感のある通りにあります。


ストリート・アートから話がそれますがこの通りには・・・・

造花で飾られた建物。


壁から突き出て、歩道にはみ出た真性現代アート。〈美術館)


鳥かごに入った、陶製巨大卵のオブジェ (個人アーギャラリー) 


・・・・もあります。


表通りにいくつもある、この金属の箱、何なのか誰かに聞こうと思ってきけませんでした。ごぞんじの方がいたら、教えてください!
電話のケーブルかなんかが詰まっているんでしょうか。



世界遺産の高級ショッピング・エリアには場違いな無機質なこの箱がすべて、プロのアーティストによって思い思いにペイントされています。
表現方法はさまざまですが、目的はひとつ、町をアートで彩る、公的な企画のように思われます。

日本の「マンガー」風の作風が圧倒的に多かったです。(写真を撮ればよかったですね!失敗。気に入ったのがなかったんです)

上のネコのは、一見陳腐に見えて、実は傑作。
ポルトの名物、ネコと白地に青の表壁タイル、実は、これもポルトガル名産のイワシの連続模様。お見事!

同様に、市庁舎や銀行、劇場などが立ち並ぶ立派なオフィス街にいくつも並ぶ、公衆電話ボックスを利用した、アート表現もおそらく市の後押しと思われます。





上の聖母さま(?)のようなイメージもたびたび目にしました。

上殻3番目の、縦長の写真を見て下さい。


私の選んだ特賞。


外壁のペンキをはがして陰影のある肖像がえがかれています。

ボロボロ建築、取り壊し跡、開き直って、アート!


ポルト、まだまだつづきます。



昨日までの記事をよんでください。
リンクを下に添付しました。↓

ポルトガルの古い町、ポルトのボロ建築2016年5月8日ブログ
ポルトガル北部の都市、ポルトに旅行2016年5月3日ブログ
ポルトガル北部の古い町、ポルト、ドゥーロ河周辺2016年5月4日ブログ
ポルトガルの古い町、ポルトのうら通り、その12016年5月5日ブログ
ポルトガルの坂の町、ポルトのうら通り、その22016年5月6日ブログ





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