今日で4日目、ポルトガル北部の都市、ポルト Porto。
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町全体が、急な斜面の上に建設されています。
3泊4日の滞在で、歩いてみて回れる規模の、それでも大聖堂のある、れっきとしたシティー、リスボンに次ぐポルトガル第二の都市です。
狭い坂道の両側に、17世紀から19世紀にかけて無秩序にぎっしり建てられた裏通りの住宅群を中心に、生活感あふれる町の景観を昨日に引き続き、またお見せしますね。
お気楽な街見物の間に垣間見た、ポルトガルの庶民の生活に関する感想をちょっと書いてみます。
夫の父が30年以上前、仕事でポルトガルに来た際、一泊だけしたポルトの印象は「びんぼったらしくて、汚くて陰気な場所」だそうです。
1996年 にポルトがユネスコ世界遺産に登録される前のことですね。
今ほど観光地としての賑わいがなかったころでしょう。しかも冬。
私たち好奇心旺盛な夫婦が訪れた初夏のポルトは日差しが強く、観光客と住人が渾然と混ざり合って賑やかで、気どらない、陽気な印象でした。
あくまで、たった3泊の滞在で、ポルトガル人と個人的に会って話したわけでもなんでもない、駆け足で見て回った観光客の私たちにとっての印象ですが・・・・
貧しげな立て込んだ家並みに人がぎゅうぎゅう詰めになって住んでいる印象ですが、つながれずに飼われている人なつこい近所の雑種犬に声をかけたり、ノラネコにえさをやる人がたくさんいたりする、やさしい人達の多い街のようにみうけられました。
窓から顔を出した人どうしがタバコをすいながら大きな声で話をしていたり、住人同士が親しくコミュニケートしている街です。
窓辺につるされた鳥かごでカナリアを飼っている人も、驚くほどたくさんいて、狭い通りに美しい鳥のさえずりがひびきわたっていました。
庭の一切ない通りの多くの家々の、バルコニーや軒先に並べた植木鉢に濃い緑の観葉植物が元気に育っていました。
物価の安さも観光客の私たちにとっては大きな魅力のひとつです。
反面、不況、失業、政府の経費削減などで、ポルトガル国民の生活は傍から見たほど安楽ではないように思われます。
世界遺産の観光地なのに、多くの老朽化した古い建物がそのまま取り壊しを待つ状態で放置されていることが経費削減を物語っているようだし、物価の安さも、最低賃金、1時間3ユーロという驚きの低さと無関係ではなく、痛ましい思いです・・・・
調べたら、ポルトガルには1時間あたりの法定最低賃金というのがなく、最低年収入を時間給に換算すると、3ユーロ(日本円で366円)ということです。
イギリスは4月1日から7ポンド20ペンス(1120円)、日本は693円ということですが、どうでしょうか・・・?
消費税が23%。(イギリスは20%)両国とも日本にくらべると福祉が格段に充実しているので、国民の不満はほとんどきかれないようですが・・・
夫はイギリス人にしても、185センチと高身長ですが、ポルトガルでは背丈が頭ひとつ分ぐらい抜きん出て見えました。
ポルトガル人は、概していえば、男女とも小さい人が多いようです。
イギリスでは小さいほうに分類される161センチの私と同じぐらいの背丈の同年輩の人が、ポルトガルにはけっこういました。
夫は、食生活の貧しさの故の体格差だと強く主張します。
一般にヨーロッパは南にいくほど身長が低くなる傾向があるといいますが、夫は「魚や野菜を多く摂る地中海ダイエット地域では、イギリスやアメリカのように肥満が社会問題になるほど蔓延することもないかわり身長もイギリス人やアメリカ人のようにのびない」という説を強く信じています。
どうなんでしょうか。
私は、体重はともかく、身長は民族や家系の遺伝子によるところが多いはずだと思うのですが、食生活も無関係だとは思えません。
裏通りではありませんが、隙間を埋めるように建てられた、奇妙な形の建物の例をいくつか。
店内は、三角。
ドゥーロ河畔の、ポートワインの蔵と、その周りの建物・・・・ルイスI世橋から撮りました。(5月4日の日報参照)
壁表面の段差に注目・・・・
ほとんどの集合住宅の一階には、通りに面した扉がずらっと横に並んでいます。
間口が狭く、奥行きの深い店舗になってる物件も多いのですが、ドアがあいている住宅の一階をチラッと覗くチャンスがありました。入ったらすぐ、上階に上がる階段がありました。
間取りのアレンジは、バリエーションがあるようです。
表通りです。滞在したホテルのそば。
通りの両側には、間口が狭くて奥行きの深い、電気系統の部品を売る、小売店舗がずらーっと続きます。
夫は「ローテク・アキハバラ」と命名しました。
専門性の高い小商いの店が、観光地にしては驚くほどおおいです。
急な坂の頂上に当たる場所の、公園広場沿いに、私たちが泊まったホテルがあります。
もと一戸建ての邸宅だったそうです。1830年代の建物だそうで、ポルトでは比較的、新しい。
夫が写真を撮るように言った、ホテルの前の公園広場、Praca da Republica のずば抜けて高い棕櫚の木と、その向こうに立つ現代建築と古い住宅のサンドウィッチ。
ポルトの話題、まだ続きます。