イギリス/ストックポート日報 《England/ Daily Stockport》

イギリス北西部の歴史ある街、ストックポート Stockportから(ほぼ)日替わりでお送りする、イギリス生活のあれこれ。

今度は5ポンド、国王紙幣...製造が複雑なプラスチック紙幣になってニセ札問題は回避できているのか

2024年07月31日 04時56分30秒 | 英国の、生活のひとコマ

週に2回、ボランティアで店番しているチャリティ・ショップ、オックスファム Oxfam でついに受け取りました!

新国王チャールズIII世の肖像入りのイングランド紙幣、こんどはポンド。

以前にそれぞれ記事にした20ポンドと10ポンドに比べて額面の少ない5ポンド紙幣はもっと広く流通しているはずですが...カードですべての支払いをする私が実物を手にしたのはこれが最初で、(今のところ)最後です。

以前の記事のリンクをひとつだけ☟

国王版、今度は20ポンド紙幣...やっぱり見慣れた女王版とデザインは同じ

現金に触れる唯ーの機会がこのボランティアの店番です。

この時のお客さんもやはり、自分でチャールズ紙幣で支払ったことに気がつきませんでした。君主の肖像だけがスルッとすり替わったすっかりおなじみの女王紙幣と全く同じデザインの、今度は5ポンド紙幣。

現金払いが日常のこの高齢女性は、さすがにその前にチャールズ5ポンドに気がついたことがあるそうですが。

これで、私が実物を見たことがないチャールズ紙幣は50ポンドだけになりました。

以下写真は、家にある女王版5ポンド札です。現金は使わないものの、使わないまましまい込まれた紙幣が何枚かあります。チャールズ紙幣も踏襲した、ウラ面の「偉人、文化人シリーズ」の、戦中戦後の名宰相、ウィンストン・チャーチル。

今、気がつきました。チャーチルの肖像の背景には555555555...と細かいアラビア数字がぎっちりと書き込まれています。

ただし、(以前にも何回か書きましたが)ー般の人々が50ポンド紙幣の実物を目にする機会はー生涯に1度あるかどうかです。その女性は生まれてから1度も「女王版」すら見ていないと断言しましたし、英国に移住して33年目の私もおぼえているかぎり2度しか見ていません。

10年ぐらい前に、娘が日本に住む祖父母からお小遣いとして50ポンド紙幣をもらい(お年玉だったかもしれません)そのお金を持ってゲームを買いに行ったらお店で受け取りを拒否された話は以前にも書きました。

それと、20年ぐらい前に日本から訪ねて来た友人が店で出した50ポンド札に店内がどよめいたのも思いだしました。

多くの個人商店では50ポンド紙幣を受け取りません。大手チェーン店でも受け取るには店長かそこにいる最高責任者の承認を要することが多いようです。

日本では信じられませんよね、イングランド銀行 Bank of England が発行している正規の紙幣がうけとり拒否されるなんて?

以前、オックスファム全店でも50ポンド紙幣の受け取りを今後拒否することを正式に決めました。その当時私は、今とは別のオックスファム支店でボランティアをしていましたが、ニセ50ポンド紙幣で支払おうとする女性の「贋金使い」が近辺で繰り返し出没し、防犯カメラでとらえた人相書き(Facebookの投稿)まで出回ってちょっとした騒ぎだったのでした...

光に透かすと銀色の線描のビッグベンが黒いラインで浮かび上がります。

紙幣の偽造はわりに合わない犯罪です。

高度な技術を使って偽造する想像を絶する壮大な労力と危険に見合うほどの利益は...なさそうです。5ポンド紙幣や10ポンド紙幣の偽造なんてバッカバカしくてやってられませんよね。せいぜい50ポンド(9,783円)紙幣ならたくさん偽造すれば何とか元がとれるかも...?

そう、50ポンド紙幣の受け取り拒否は(おもに)ニセ札受け取り排除のためです。

プラスチック紙幣はー度クセがつくと絶対にとれません。おさえても引っ張っても手を離すとビロンと同じ形にまき戻ります

....チャールズ5ポンドで支払ったお客さんと、チャールズ50ポンド札をまだ見ていないという話からニセ札疑惑の話にまで飛んだ話がはずんでしまったのでした。

その人のお父さんは何十年も前に、大手デパートで20ポンド札で支払いをしようとしたら、ニセ札と判明、店長立会いの下に没収されてしまい悔しい思いをしたそうです。

「銀行で真札とかえてもらうので、返してほしい」とうったえたそうですが却下。20ポンド失い、別の紙幣で支払ったそうです。お気の毒ですが、ニセ札を使おうとしただけでたとえ知らなくても、責任が生じるということらしいです。

そして、受け取る店側にはニセ札の動きを阻止する責任が生じるのだそうです。

オックスファムの店長に「客がニセ札で払おうとしたらどうするのか」とあらためて聞いてみました。

答;「この紙幣には問題があります。別の紙幣をお持ちですか。それともカードで支払いされますか」と言ってニセ札を受け取らない。没収もしない...だそうです。前のボランティア先のオックスファム支店で言われたこともほぼ同じです。こっちが損をしなければよい...ということかと突っ込んで聞いてみたら「そういうわけではないけど...モゴモゴ」と要領の悪い答えが返ってきました。

なぜ、「ニセ札の流れを止める」という社会のー員としての責任ある行動(没収)をとらないのか?というと...

簡単な話...チャリティ・ショップの店員はみな、無給のボランティアなので社会規範に準ずるだけの責任は要求できないから(!)らしいです。

折り目がついて、キツネ顔の女王☟

その店長も、店でではなく個人的にニセ札をつかまされた経験があるそうです!!銀行で悶着もなく真札にかえてもらえたそうです。

中近東などでは、知らずに使おうとしただけで警察に通報されて身柄を拘束されることがあるそうですよっ(数日拘留もありえます)!

英国旅行を予定されている方、両替の際は要注意です。50ポンド紙幣ではなく、20ポンドか10ポンドの額面の小さい紙幣を受け取ることをお勧めします。銀行など信用できる機関を利用して知らずにニセ札を受け取る危機を徹底回避しましょう!

多発したらしいニセ札騒動はいずれも、紙幣が文字通り紙製だった頃の話です。今はそれほど心配されていないのではないでしょうか。それでも今でもチェックは厳重です。

もちろん、日本など海外からの観光客が頻繁に訪れるロンドンの高級店(ハロッズなど)や空港、国際ホテル等では50ポンド札が拒否されることはないはずです。

 

 

 

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2 コメント

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犬と暮らす日々 (浅井)
2024-07-31 16:12:55
お金(紙幣)で
 払うのに
  苦労するなんて
    時代が 変わって来てるのですね
返信する
犬と暮らす日々 (浅井)
2024-07-31 16:41:56
お金(紙幣)で
 払うのに
  苦労するなんて
    時代が 変わって来てるのですね
返信する

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