英国の 総選挙 General Election 2024、続きです。投票日は7月4日(恒例の木曜日)。
写真は以前に記事にした「自然保護キャンペーン」No Mow May, Knee High June (芝刈りしない5月、6月には膝の高さにのびた芝)、実行後1か月の経過写真です。草取りと芝刈りをやめたうちの庭のボーボーぶりをご覧ください。
実行し始めた5月半ばの写真です☟
あいかわらず第ー野党の労働党 Labour Party が、現政権を担う保守党 Comservative を圧倒的にリードしています。思い知ったかリシ・スナク、いい気味です。
政権が2大政党の間で行ったり来たりする英国の政況が理解できない日本人もいるでしょう。前回、保守党に投票した人が今回、労働党に鞍替え...それも多数の人があっさり政見をひるがえすものだろうかって。
日本だと、自民党支持者が大挙して共産党に投票するイメージでしょうか。
たしかに、「保守」と「労働」って両極端なイメージですよね。保守党支持者はパブリック・スクール(伝統的な私立校)出身者で、労働党支持者はバリバリの労働組合活動家...みたいな。たしかにそういう人たちが基盤にはいるみたい...ですが、じっさいはそういう人たちはごくごく少数です。
特権階級でも労働者の権利のために戦う闘士でも何でもないー般の人が、候補者の人柄というより、党全体の公約などから自身の損得や国益などを考慮してじっくり選ぶことが多いようです。
今回は公共サービス、特に医療!の質の低下に国民の不満が限界に達しました。完全に無料で受けられる医療の待ち時間がめちゃくちゃ長い!
ここ20年、英国でも急激にすすんでいる高齢化のため介護問題も深刻です。
医師や看護師がしょっちゅうストライキをしていますし!国家医療サービス登録を抜ける個人経営の歯科診療が続出、歯科治療も受けにくくなっています!!パトロールの警官の減少、消防もボランティア頼み、公立校の校舎はボロボロ...等々
公共サービスの財源の税制も今回は焦点です。保守党政権は増税を抑え、社会保障や公共サービスの予算もどんどん削っていったのです。
日本では増税=悪法(搾取)みたいな考え方が一般的ですよね。
欧州ー般では、保守系政権は増税を避け、消費を促して経済発展に力を入れる傾向があるらしいです。みんながお金を使えば雇用も促進、貧乏人も減るという理屈です。そのかわり福祉や公共サービスまで手が回らない。反して、左派系の政権は増税もやむなし、そのかわり誰でも公平に恩恵にあずかれる公共サービスや社会保障に力を入れ、受けられる医療や教育などのサービスが貧富の差で違わないようにする傾向らしいです。
英国民は、待たずに診察してほしい、子育て世帯に援助を、介護を無料に、などなどのサービスを当然のように要求します。その代わりに増税は比較的かんたんに受け入れる傾向があります。日本と違って、教育や老後のために貯金する必要性がほとんどないのが理由だと言って間違いありません。
今回はどの党も「所得税からの増税はナシ」と公約しています。国民が物価高で手取りが減ることに敏感になってきているためでしょう。超富裕層に余分に徴収するという緑の党 Green Party は例外として。
現行、無税の私立校の授業料に消費税を課す、外国籍企業や国外在住の英国人が所有する不動産の家賃に特別な課税をする労働党の新税制案は、微妙に物議を醸すでしょう。多少無理してでも子供の教育にお金を惜しまない知的中流階級が労働党支持者に占める割合はけっこう大きいそうですから。退職後、国内の自宅を賃貸しして物価が安い暖かい国にー時的に移住する中産層の多くも労働党支持だそうですし。
とにかく、公共サービスや福祉を向上するには財源の確保が必須なのは国民すべてが理解しているはずです。
私は今回の総選挙まで、保守党は右派、労働党は左派、第三政党のリブデムス(LibDems =自民党)は中道派...と何となく思っていました。そんな単純なものではありませんでした。
調べてみたら、前回(2019年)の総選挙で議席を得たのは13党(多くてびっくり)。議席のない公認の党は4党。何人かいたらしい無所属候補者は前回は1人も議席を獲得していません。
興味のある方のために、政権討論会や政見インタビューなどでマスメディアから平等な扱いを受けるべき英国7大政党を書き出します。
現行の議席の多い順に...保守党(中道右派~右派)、労働党(中道左派)、スコットランド国民党 SNP (中道左派)、リブデムス(中道派~中道左派)、ウェールズ党 Plaid Cymru (プライド・カムリ、通称カムリ、中道左派~左派)、緑の党 Green Party (左派)そして議席はないものの前回の総選挙後にガンガン躍進している、英国公認党の中で最右派、ポピュリズム系の英国再構築党(?Reform UK、右派)...
スコットランドのSNPとか、ウェールズのカムリとか、そこでしか候補者を立てていないローカルな党の代表者も、ちゃんと全国放送の討論会などによばれています。どっちもウザい国家主義的な民族主義集団みたいな党名ですが、おどろくほどラディカルです。
カムリにいたっては、労働党よりも左派でした!子供の貧困を撲滅しウェールズの教育の機会の不公正を正してイングランドより教育水準をあげてやると言っていましたし、SNPはスコットランドが英国から独立したらEUにー国家として加入する、移民と共存する社会を目指すと言っていました!!
...私たちは万がー、保守党が政権にいすわったらスコットランドに移住してもいいぐらいだ...とうすぼんやりと考えているところです。現実味はありませんが。
労働党はその名のイメージに反して意外と経済重視です。党首の温厚そうな紳士、サー・キア・スターマーは「(ハマスを叩き潰すまで)イスラエルは戦争を継続すべき」旨の発言をして、国内のイスラム教徒支持者の大半を離反させました。あれだけ民間人の犠牲を出しているガザの攻撃、だめでしょうっ!?
選挙権のない私はともかく、労働党員の夫とトランスジェンダーの娘は労働党に投票するはずです。「親イスラエル」の党首に少しの疑問はありますが、保守党に政権を温存させることなど絶対にあってはならないことですっ!
「労働党に投票しよう」と書かれた党発行のポスターを通りから見えるようにに貼り付けているぐらいですし☟
朝食を食べながら紗のカーテン越しに通りをながめるのが大好きな夫がキッチンの窓に貼ったポスターがジャマだと言うので、(自分で貼ったくせに)玄関わきに移しました。植木がよく育っているのが私の自慢です。
サラサラの赤髪がトレードマークの労働党副党首、アンジェラ・レイナー(郷土の誉、ストックポート出身のギャル大臣)、スナク首相発案の世紀の墳飯公約、「兵役 National Service 復活」、ほら吹き右翼ナイジェル・フォラージ(リフォームUK党首)のイケオジファッション...そして重要な不法入国者 illigal migrants 問題 (前回、移民と書いたのは誤りです。後述します)等、書くべきことがまだあるのですが長くなって収拾がつかなくなったので、また今度。
(もう少し軽い話題をお届けした後、総選挙の話題に戻ります)
フサフサ茂った庭の草と息子ネコ、ティブのあざやかな背中ハゲ☟
草ボーボーキャンペーンの記事のリンクです☟
特に王政/王室廃止については、私の見識が全く不十分だったことに気が付きました。英王室や貴族の特権や権力というのは、私の想像を超えていました。
ただ、番組の最後に、英北部 Burnleyという英国でも最も貧しい町の一つとされる所の、15年前まではドラッグのディーラーで、十戒の全てを破った経験を持つという町の“司教”さんが、政府が年々社会施設に対する予算を削っていくのに対して、貧困などの社会的な問題の焦点になる所を訪問するなどしてメディアの目を惹かせることで、様々なプロジェクトを間接的にでも援助するRoyalsの影響力の方が、政治家よりも信頼できる、というようなことを言っていたのが印象的でした。「国は、貧困対応はチャリティにやらせておけばよい、という考えだ。政治家は“貧困”がどんなものなのかなど分かってはいないけれど、貴族達はそれが実際にどんなものなのか、彼ら(政治家)よりもよく知っている。王室を廃止して国だけに頼るような事態は危険だ。だから自分は、現時点で英国は王室を必要としていると思う。」と。
あ、英国にもいろんな党があるのですね!知りませんでした。英国の選挙って基本的に、党を選ぶのですか?それとも日本のように人を選ぶのですか?
ところで、ディヴくんの背中、禿げている所が以前に比べると大分限定的になっている気がしますが?
ストレスからだろうということですが、ふと「人が爪を噛むのと同じなのかな」と思いました。悪しき習慣、癖みたいなものでしょうか。ちゃんとご飯が食べられていて、他に健康上の問題がないのなら、感染症などだけ気を付けてあげればいいのでしょうね。きれいな猫さんだと思います。
楽しいですね 6月ですものね
嘘くさい 戦争ゴッコが
続いて 子供の頃の
愛国心とか
昔の 軍歌の 見よ東海の空あけて とかが
時代に 会わなくなって 来てるのですね
国境に 押し込められてる
不法移民も 行き場が無いままに
Burnleyは、ブラックプールに行く途中にあるけっこう近くです。(行ったことはありませんが)司教がいるって、あれぇ大聖堂なんてあったかな。と思って調べてみました。そうだストックポートも大聖堂がないのに司教がいる(女性です)なんかややこしい同じ教区制度下の特別な司教のようですね。そのドキュメンタリーの内容にとても興味をもちました。
特権階級が貧困を理解しているかというとはなはだ疑問ですが、王室がそういう社会問題を無視できない、すべての国民のウェルフェアに心を配るのも責務のうちと心得ているのは納得です。その人の言う通りですよ。
故ダイアナ妃の大きな功績は、それまで全く光の当たらなかった慈善事業が注目されるようになったというのがあります。王室にも使い道があるということです。実際、ある人々の心のよりどころになっていたり、経済効果も生み出していますから。私は、王室関係の行事をテレビで見るのが大好きです。同世代の日本の天皇皇后陛下にも親しみを持っています。天皇制、王制擁護派か、と言われるとそこまで熱心に支持はしてないというのがこたえです。
オーストリアでドイツ国営放送が見られるのですか。それはともかく、一昨日は国王の公式誕生日で英国各国の衛兵2万人の、ウマや馬車が出てくるパレード、閲兵式のある日でした。それを踏まえての英国王室ドキュメンタリーだったのでしょうか。
はい、英国では一般に候補者の人柄や個々の政見(公約)ではなく、政党で投票します。
ティブに心をかけてくださってありがとうございます。
ハゲの面積は一部より狭まりましたが、同じ場所を前に後ろに執拗になめるので、同じ場所のハゲが深くなってきました。もっと広かった時は、うっすらとうぶげというか下生えのような薄い毛がホワホワ生えていたのですが、それもなくなりガサガサした地肌があらわです(悲しい、泣きたい)