ピーク・ディストリクトを歩く・・・１ 謎の建築物体、ホワイト・ナンシーめざしてボリントンを出発・

イギリス北部の丘陵地帯、国立公園　ピーク・ディストリクト Peak District National Park 。　　　　　　　
その大半はダービャーですが、一部チェシャー、スタッフォードシャーも含まれます。

チェシャー Cheshire の田舎町ボリントン Bollingtonも、国立公園の西はしに位置します。

ストックポートから車でたったの２５分。

坂道の両側に小さな石造りの古いコテージが整然と並ぶ、美しい町です。





名物ホワイト・ナンシー White Nancy のまわりの丘陵をめぐるハイキングコースと、古い工場群に沿って流れる運河沿いの散歩道の出発点の町としてよく知られています。

ホワイト・ナンシーは、小高い丘のてっぺんにたつ、白塗りのへんてこりんな建物。


１８１５年、ワーテルローの戦いでイギリス軍がナポレオン軍を破った記念に建てられました。

２００周年記念のペイントが施されています。

もとは空洞で　中に丸いベンチと、石のテーブルがあったのですが、ずいぶん前に入り口が閉じられ、「あずまや」としての機能を消失、ただの謎の建築物体になりました。

こういう、特に機能を持たず、景観にアクセントを持たせるためだけの、多くは奇抜な形の建築物のことは　フォリー folly といいます。

１８世紀のイギリスとアイルランドで大流行したそうです。

丘の上や原っぱのまんなかにたつ、意味もなく高い塔、東洋風のパゴーダ、ミニチュアのお城の塔とか。
建築作業に失業者を雇う慈善事業の性質もあったらしいです。

多くは流行が廃れたら取り壊されました。

バクストン Buxton 近くのソロモンズ・テンプル Solomon's Temple も現在に残るフォリーのひとつ。


５月２８日の本欄をお読みください。↓
http://blog.goo.ne.jp/stockport/d/20150528


もっとも、ナンシーとソロモンをフォリーに分類するのに疑問を持つ建築史家もいるようです。
どちらも　休憩や雨宿りを想定して建てられてるので、ガゼーボ gazebo（あずまや）やシェルターshelter（避難所）の機能がもともとあるわけですから。

ナンシーには戦勝記念のモニュメントの役割もありました。

ホワイト・ナンシーをめぐるハイキングコースの写真は明日から順次お見せします。



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トリップアドバイザー　ピークディストリクト国立公園
http://www.tripadvisor.jp/Attractions-g186354-Activities-Peak_District_National_Park_England.html

ピークディストリクト国立公園
http://www.peakdistrict.gov.uk/