Sightsong

自縄自縛日記

エヴァン・パーカー+ノエル・アクショテ+ポール・ロジャース+マーク・サンダース『Somewhere Bi-Lingual』、『Paris 1997』

2018-06-22 00:19:56 | アヴァンギャルド・ジャズ

相変わらずのノエル・アクショテの激しい音源リリースの中に、見覚えのあるメンバー。

アクショテが、エヴァン・パーカー、ポール・ロジャース、マーク・サンダースと組んだ演奏であり、出た当時から持っている『Somewhere Bi-Lingual』(Siesta Records)が1997年4月15・16日のロンドンにおけるスタジオ録音、今回の『Paris 1997』が4月18日のパリにおけるライヴ録音。

Evan Parker (ts, ss)
Noël Akchoté (g)
Paul Rogers (b)
Mark Sanders (ds)

改めて『Somewhere...』と聴き比べてみると面白い。

エヴァン・パーカーと共演するとしても、たとえばデレク・ベイリーのギターはその場限りの一閃のようなものだが、アクショテのそれは音価が長く、パーカーと別の形で拮抗しおおせている。アクショテの金属音が、ポール・ロジャース、マーク・サンダースの石を引っ掻くがごとき音と相乗効果を生み出し、良いノイズ時空間が成立している。

パーカーはいろいろと試していて、テナー、ソプラノそれぞれで渾身の研ぎ澄まされたブロウを放つほどではない。・・・と、言おうとしたのだが、違った。

パリのライヴは録音がさほど良くないものの、演奏の迫力はロンドンでのスタジオ演奏を凌駕しており、パーカーの循環呼吸奏法には黙って聴き入ってしまう(特にセカンドセットの2曲目)。この最後から3曲目冒頭までのロジャースのベースソロも良い。また、その前のセカンドセット1曲目もグループ全体の一体感が素晴らしい。ライヴというものはこんなことが起きるのだな。聴いて良かった。

●ノエル・アクショテ
ノエル・アクショテ『Get Happy – Plays Sonny Rollins's “A Night At The Village Vanguard”』(2015年)
カンタン・ロレ+ノエル・アクショテ『The Return of Q. & A』(2015年)
フィル・ミントン+ロル・コクスヒル+ノエル・アクショテ『My Chelsea』(1997年)
コクスヒル/ミントン/アクショテのクリスマス集(1997年)
ルイ・スクラヴィス+ティム・バーン+ノエル・アクショテ『Saalfelden '95』(1995年)

●エヴァン・パーカー
エヴァン・パーカー@稲毛Candy(2016年)
エヴァン・パーカー+高橋悠治@ホール・エッグファーム(2016年)
エヴァン・パーカー@スーパーデラックス(2016年)
エヴァン・パーカー、イクエ・モリ、シルヴィー・クルボアジェ、マーク・フェルドマン@Roulette(2015年)

Rocket Science変形版@The Stone(2015年)
エヴァン・パーカー US Electro-Acoustic Ensemble@The Stone(2015年)
シルヴィー・クルボアジェ+マーク・フェルドマン+エヴァン・パーカー+イクエ・モリ『Miller's Tale』、エヴァン・パーカー+シルヴィー・クルボアジェ『Either Or End』(2015年)
エヴァン・パーカー+土取利行+ウィリアム・パーカー(超フリージャズコンサートツアー)@草月ホール(2015年)
マット・マネリ+エヴァン・パーカー+ルシアン・バン『Sounding Tears』(2014年)
エヴァン・パーカー ElectroAcoustic Septet『Seven』(2014年)
エヴァン・パーカー+ジョン・エドワーズ+クリス・コルサーノ『The Hurrah』(2014年)
ジョン・エスクリート『Sound, Space and Structures』(2013年)
『Rocket Science』(2012年)
ペーター・ブロッツマンの映像『Soldier of the Road』(2011年)
ブッチ・モリス『Possible Universe / Conduction 192』(2010年)
エヴァン・パーカー+オッキュン・リー+ピーター・エヴァンス『The Bleeding Edge』(2010年)
ハン・ベニンク『Hazentijd』(2009年)
アレクサンダー・フォン・シュリッペンバッハ『ライヴ・イン・ベルリン』(2008年)
シュリッペンバッハ・トリオ『Gold is Where You Find It』(2008年)
エヴァン・パーカー+ネッド・ローゼンバーグ『Monkey Puzzle』(1997年)
エヴァン・パーカー+吉沢元治『Two Chaps』(1996年)
ペーター・コヴァルトのソロ、デュオ(1981-98年)
スティーヴ・レイシー+エヴァン・パーカー『Chirps』(1985年)
エヴァン・パーカー『残像』(1982年)
シュリッペンバッハ・トリオ『Detto Fra Di Noi / Live in Pisa 1981』(1981年)
シュリッペンバッハ・トリオ『First Recordings』(1972年)

●ポール・ロジャース
ミシェル・ドネダ『OGOOUE-OGOWAY』(1994年)

●マーク・サンダース
ジョン・ブッチャー+ジョン・エドワーズ+マーク・サンダース『Last Dream of the Morning』(2016年)


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