Sightsong

自縄自縛日記

エヴァン・パーカー ElectroAcoustic Septet『Seven』

2015-12-30 10:37:39 | アヴァンギャルド・ジャズ

エヴァン・パーカー ElectroAcoustic Septet『Seven』(Victo、2014年)を聴く。

Peter Evans (piccolo tp, tp)
Okkyung Lee (cello)
George Lewis (electronics, tb)
Ikue Mori (electronics)
Sam Pluta (electronics)
Ned Rothenberg (bcl, cl, shakuhachi)
Evan Parker (ss)

エヴァン・パーカーのエレクトロアコースティック路線については、最初に『Toward the Margins』(ECM、1996年)が発表されたときには唐突すぎてよくわからなかったし、何しろ異質で耳にも脳にも馴染まなかった。2000年に来日したときにも新宿ピットインで観たのだが、パーカーのソロしか印象に残っていない。とまどっている世評も多かったのではないか。

ところが、今年(2015年9月)にNYのStoneで観たライヴは素晴らしかった(残念ながらオッキュン・リーが別用で入っておらず、また「アメリカン」の目玉でもあったクレイグ・テイボーンが勘違いで来なかった)。エレクトロアコースティック路線を見直さざるを得なかった。パーカーと同等の個性集団をそろえたためか、時代または当方の耳が追いついたからか。

本盤の演奏もじっくり聴くと興奮させられる。ジョージ・ルイス、イクエ・モリ、サム・プルータのエレクトロニクスが創り出すヴァーチャルな宇宙は、実にファンタスティックなのだ。ここに、ヘンな尺八の音やバスクラの基底音を出し入れするネッド・ローゼンバーグ、メタリックな音で火花を散らすピーター・エヴァンス、色気のある擦れ音のオッキュン・リー、そして広い広い宇宙を存分に蛇行するパーカーのソプラノサックス。

また観たいが、これほどのメンバーがいちどに来日することは難しいのだろうね。ところで、2016年には、エヴァン・パーカーもオッキュン・リーも東京で観ることができそうだ。

●エヴァン・パーカー
エヴァン・パーカー、イクエ・モリ、シルヴィー・クルボアジェ、マーク・フェルドマン@Roulette(2015年)
Rocket Science変形版@The Stone(2015年)
エヴァン・パーカー US Electro-Acoustic Ensemble@The Stone(2015年)
エヴァン・パーカー+土取利行+ウィリアム・パーカー(超フリージャズコンサートツアー)@草月ホール(2015年)
ジョン・エスクリート『Sound, Space and Structures』(2013年)
『Rocket Science』(2012年)
ペーター・ブロッツマンの映像『Soldier of the Road』(2011年)
ブッチ・モリス『Possible Universe / Conduction 192』(2010年)
エヴァン・パーカー+オッキュン・リー+ピーター・エヴァンス『The Bleeding Edge』(2010年)
ハン・ベニンク『Hazentijd』(2009年)
アレクサンダー・フォン・シュリッペンバッハ『ライヴ・イン・ベルリン』(2008年)
シュリッペンバッハ・トリオ『Gold is Where You Find It』(2008年)
エヴァン・パーカー+ネッド・ローゼンバーグ『Monkey Puzzle』(1997年)
エヴァン・パーカー+吉沢元治『Two Chaps』(1996年)
ペーター・コヴァルトのソロ、デュオ(1981-98年)
スティーヴ・レイシー+エヴァン・パーカー『Chirps』
シュリッペンバッハ・トリオ『Detto Fra Di Noi / Live in Pisa 1981』(1981年)
シュリッペンバッハ・トリオ『First Recordings』(1972年)


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