Sightsong

自縄自縛日記

マット・マネリ+エヴァン・パーカー+ルシアン・バン『Sounding Tears』

2017-06-13 23:50:46 | アヴァンギャルド・ジャズ

マット・マネリ+エヴァン・パーカー+ルシアン・バン『Sounding Tears』(clean feed、2014年)を聴く。

Mat Maneli (viola)
Evan Parker (sax)
Lucian Ban (p)

不思議なトリオを組んだものである。特にルーマニア出身のルシアン・バンは、『Songs From Afar』では地元の美しい旋律を弾いていたこともあり、このようなインプロとはちょっと世界が違う人なのかと決めてかかっていた。とは言え、同盤でもマット・マネリと共演していたのだった。

演奏は、三者が意図的に同じ強度に並んだような雰囲気である。その結果、抑制的で、室内楽のようでもある。驚いたことは、ヴィオラとサックスとに類似性があったということだ。マット・マネリはやはりこのように連続的に音を紡いでゆく人だと思う。かれのヴィオラは、エヴァン・パーカーのサックスと絡み、ほとんど官能的と言ってもよいサウンドを響かせ続ける。息を潜めてエロチックな世界を創り出すふたりに、バンのピアノが密やかに色を付ける。

かれらの別の世界を見せられたようである。快感。

●マット・マネリ
トニー・マラビー+マット・マネリ+ダニエル・レヴィン『New Artifacts』(2015年)
チェス・スミス『The Bell』(2015年)
イングリッド・ラブロック、メアリー・ハルヴァーソン、クリス・デイヴィス、マット・マネリ @The Stone(2014年)
ルシアン・バン『Songs From Afar』(2014年)
ジェン・シュー『Sounds and Cries of the World』(2014年)
クリス・デイヴィス『Rye Eclipse』、『Capricorn Climber』(2007、12年)

●エヴァン・パーカー
エヴァン・パーカー@稲毛Candy(2016年)
エヴァン・パーカー+高橋悠治@ホール・エッグファーム(2016年)
エヴァン・パーカー@スーパーデラックス(2016年)
エヴァン・パーカー、イクエ・モリ、シルヴィー・クルボアジェ、マーク・フェルドマン@Roulette(2015年)

Rocket Science変形版@The Stone(2015年)
エヴァン・パーカー US Electro-Acoustic Ensemble@The Stone(2015年)
シルヴィー・クルボアジェ+マーク・フェルドマン+エヴァン・パーカー+イクエ・モリ『Miller's Tale』、エヴァン・パーカー+シルヴィー・クルボアジェ『Either Or End』(2015年)

エヴァン・パーカー+土取利行+ウィリアム・パーカー(超フリージャズコンサートツアー)@草月ホール(2015年)
エヴァン・パーカー ElectroAcoustic Septet『Seven』(2014年)
エヴァン・パーカー+ジョン・エドワーズ+クリス・コルサーノ『The Hurrah』(2014年)
ジョン・エスクリート『Sound, Space and Structures』(2013年)
『Rocket Science』(2012年)
ペーター・ブロッツマンの映像『Soldier of the Road』(2011年)
ブッチ・モリス『Possible Universe / Conduction 192』(2010年)
エヴァン・パーカー+オッキュン・リー+ピーター・エヴァンス『The Bleeding Edge』(2010年)
ハン・ベニンク『Hazentijd』(2009年)
アレクサンダー・フォン・シュリッペンバッハ『ライヴ・イン・ベルリン』(2008年)
シュリッペンバッハ・トリオ『Gold is Where You Find It』(2008年)
エヴァン・パーカー+ネッド・ローゼンバーグ『Monkey Puzzle』(1997年)
エヴァン・パーカー+吉沢元治『Two Chaps』(1996年)
ペーター・コヴァルトのソロ、デュオ(1981-98年)
スティーヴ・レイシー+エヴァン・パーカー『Chirps』(1985年)
エヴァン・パーカー『残像』(1982年)
シュリッペンバッハ・トリオ『Detto Fra Di Noi / Live in Pisa 1981』(1981年)
シュリッペンバッハ・トリオ『First Recordings』(1972年)

●ルシアン・バン
ルシアン・バン『Songs From Afar』(2014年)


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