Sightsong

自縄自縛日記

松風鉱一+上村勝正+石田幹雄@本八幡cooljojo

2020-08-02 12:00:19 | アヴァンギャルド・ジャズ

本八幡のcooljojo(2020/8/1)。

Koichi Matukaze 松風鉱一 (fl, ts, as, cl)
Katsumasa Kamimura 上村勝正 (b)
Mikio Ishida 石田幹雄 (p)

予定ではベースは吉野弘志さんだったが事情があって上村勝正さんに交代。まったくバンドサウンドが違ったものになりそうだが、どっちも聴きたい。松風さんはcooljojo初登場。

最初はフルートで楽園的な「Mr. Strongman」。続く「K2」ではうねうねとした旋律でかすれた音のテナー、ここにベースが不穏に刻む。石田さんのピアノは多くのフラグメンツが有機的につながってゆくようであり、テナーのうねりとも軌を一にしておりさすが。アルトでのバラード「2020春」では、かすれたヴィブラートにささくれた音が貼りついており、松風さんの唯一無二の音にうなってしまう。

テナーでの「水色の円と線」(「Blue Blackの階段」と同じくお弟子さんがタイトルを付けたらしい)は不思議なコード展開で、ピアノは不思議に不思議を重ね、ベースはスワロウのように色っぽく入る。「The Man」はハービー・マンに触発された曲だそうで当然フルート。変わったパターンのあとに入ってくるピアノの和音が強くてそのたびに新しい。

またテナーに持ち替えての「E.E.E.」では、ピアノの哀し気なイントロから入り、エロチック感を漂わせる曲。ベースがそれをぶんぶん揺らしている。そのままテナーで「島の朝」。モンクも思わせるメロディーだが松風さん的でもある。ノッてくると軋みとともに全員が走る。

セカンドセット。テナーでの「Hawk Song」を経て、珍しくクラリネットで、また珍しくスタンダードの「After You've Gone」。「Outside」ではかすれた音とキュッと楔のように刺さる高音とが混在し、眼が醒める。可変速のピアノ、悠然と合わせるベースが一緒に遊んでいる感覚でとても良い。

そのままアルトでの「Shallow Dream」のあとは最後までテナー。「ゲストハウスで昼寝」では、一回だけ松風さんが入り遅れてにやっと笑った瞬間があった。「Big Valley」でのピアノは楔を打ち込みながら驚くほどのスピード感で進む。ノリノリのベースも嬉しい。最後は「築地Subway Station」。繰り返しのリフ、速くてかすれたフレーズ。ベースはむしろゆったりとしており、その重層的な時間間隔がおもしろい。石田幹雄のピアノは最後まで素晴らしく、重さを持ちながらも加速も急停止も自在。

松風さんも、ココ音良いなと言っていた。アンプなし生音のライヴ再現に期待。

Fuji X-E2、7Artisans 12mmF2.4、 XF60mmF2.4

●松風鉱一
松風鉱一カルテット+石田幹雄@新宿ピットイン(2020年)
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松風鉱一カルテット+石田幹雄@新宿ピットイン(2019年)
渋大祭@川崎市東扇島東公園(2019年)
松風鉱一カルテット+石田幹雄@新宿ピットイン(2019年)
平田王子+渋谷毅『Luz Do Sol*やさしい雨』(2018年)
松風鉱一カルテット+石田幹雄@新宿ピットイン(2018年その2)
松風鉱一カルテット@西荻窪Clop Clop(2018年)
松風鉱一カルテット+石田幹雄@新宿ピットイン(2018年その1)
松風M.A.S.H. その3@なってるハウス(2018年)
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松風M.A.S.H. その2@なってるハウス(2017年)
松風M.A.S.H.@なってるハウス(2017年)
渋谷毅オーケストラ@新宿ピットイン(2017年)
渋谷毅オーケストラ@新宿ピットイン(2016年その3)
松風鉱一カルテット+石田幹雄@新宿ピットイン(2016年)
渋谷毅オーケストラ@新宿ピットイン(2016年その2)
松風鉱一@十条カフェスペース101(2016年)
渋谷毅オーケストラ@新宿ピットイン(2016年その1)
渋谷毅エッセンシャル・エリントン@新宿ピットイン(2015年)
松風鉱一カルテット+石田幹雄@新宿ピットイン(2015年)
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5年ぶりの松風鉱一トリオ@Lindenbaum(2013年)
松風鉱一カルテット@新宿ピットイン(2012年)
渋谷毅オーケストラ@新宿ピットイン(2011年)
松風鉱一トリオ@Lindenbaum(2008年)
松風鉱一カルテット、ズミクロン50mm/f2(2007年)
原みどりとワンダー5『恋☆さざなみ慕情』(2006年)
板谷博ギルティ・フィジック(1990、95年)
松風鉱一『Good Nature』(1981年)
松風鉱一トリオ+大徳俊幸『Earth Mother』(1978年)
『生活向上委員会ライブ・イン・益田』(1976年)
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反対側の新宿ピットイン
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