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自縄自縛日記

木村尚『都会の里海 東京湾』

2016-08-07 08:37:24 | 環境・自然

木村尚『都会の里海 東京湾 人・文化・自然』(中公新書ラクレ、2016年)を読む。

昔と違って、東京湾は汚染度が低く、実にさまざまな生き物が集まっている。なんとここでは絶滅したと言われていたハマグリさえ復活の兆しがあるという(なお、アメリカ船にくっついてきた外来種ホンビノスガイは「白ハマグリ」とも呼ばれ、すっかりポピュラーになった)。

これには、河川から流入する汚染や汚濁の減少、稚貝や稚魚の放流、水辺環境の改善などが大きく貢献している。三番瀬では干潟を人工的に造成することに対する議論がなされてきたが、著者は、人工干潟については肯定的にとらえているようだ。それはおそらく、水辺環境は人が常に生活の場として立ち入ることによって成り立ってきたという考えがある。

本書には、三番瀬や盤洲干潟といった代表的な干潟だけでなく、江戸川・荒川・隅田川・多摩川の河口、海ほたる(行ったことがないが)、お台場、内湾と外湾との間に首都防衛のために作られた海堡など、さまざまな場所でみられる生き物の面白さが、手際よくまとめられている。読んでいると何かを食べに行きたくもなってしまう。

●参照
豊かな東京湾
東京湾は人間が関与した豊かな世界
船橋側の三番瀬 ラムサール条約推進からの方針転換
『みんなの力で守ろう三番瀬!集い』 船橋側のラムサール条約部分登録の意味とは
浦安市郷土博物館『三角州上にできた2つの漁師町』
市川塩浜の三番瀬と『潮だまりの生物』
三番瀬を巡る混沌と不安 『地域環境の再生と円卓会議』
三番瀬の海苔
三番瀬は新知事のもとどうなるか、塩浜の護岸はどうなるか
三番瀬(5) 『海辺再生』
三番瀬(3) 何だか不公平なブックレット
三番瀬にはいろいろな生き物がいる(2)
三番瀬にはいろいろな生き物がいる
船橋の居酒屋「三番瀬」
『青べか物語』は面白い
谷津干潟
井出孫六・小中陽太郎・高史明・田原総一郎『変貌する風土』 かつての木更津を描いた貴重なルポ
平野耕作『キサラヅ―共生限界:1998-2002』
盤洲干潟
新浜湖干潟(行徳・野鳥保護区)
江戸川放水路の泥干潟
下村兼史『或日の干潟』
日韓NGO湿地フォーラム
加藤真『日本の渚』
『海辺の環境学』 海辺の人為
畠山重篤『日本<汽水>紀行』

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