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自縄自縛日記

山崎晴雄・久保純子『日本列島100万年史』

2017-02-23 00:06:39 | 環境・自然

山崎晴雄・久保純子『日本列島100万年史 大地に刻まれた壮大な物語』(講談社ブルーバックス、2017年)を読む。

貝塚爽平『東京の自然史』が二十歳の頃に読んで以来の愛読書でもあったから、東京の地形の形成プロセスについてはある程度は知っている。またプレートテクトニクスについては大学院時代の研究テーマだったから、それなりに解っている。しかし日本各地となると、実はあまり理解していなかった。

本書は、北海道から九州までの地形の形成プロセスを平易に概説してくれる本である。関東平野の造盆地運動はなぜ起きているのか。プレート境界と火山フロントとが重なる富士山がいかに稀有な場所か。なぜ日本列島はくの字に折れ曲がっているのか。中央構造線はなぜ横ずれするのか。・・・など、ああなるほどと目から鱗が落ちそうな箇所がいろいろあった。

南海トラフでの大地震に関する周期説が当然のように書かれていることには、違和感を覚えたのではあるけれど。また、沖縄の自然史も入れてほしかったところ。

●参照
貝塚爽平『東京の自然史』
貝塚爽平『富士山の自然史』
榧根勇『地下水と地形の科学』
薄っぺらい本、何かありそうに見せているだけタチが悪い 
島村英紀『火山入門』
島村英紀『「地震予知」はウソだらけ』
ロバート・ゲラー『日本人は知らない「地震予知」の正体』
黒沢大陸『「地震予知」の幻想』
大木聖子+纐纈一起『超巨大地震に迫る』、井田喜明『地震予知と噴火予知』
石橋克彦『南海トラフ巨大地震』
石橋克彦『原発震災―破滅を避けるために』
『The Next Megaquake 巨大地震』
『Megaquake III 巨大地震』
『Megaquake III 巨大地震』続編
沖縄の地学の本と自然の本


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