Sightsong

自縄自縛日記

内田修ジャズコレクション『宮沢昭』

2016-05-21 13:54:51 | アヴァンギャルド・ジャズ

内田修ジャズコレクション~人物編の2枚目として出された『宮沢昭』を聴く。医師・内田修氏が企画していた「ヤマハ・ジャズ・クラブ」でのライヴや、自身の病院に設置されたスタジオでの演奏などが収録されている。

1: 宮沢昭 (ts)、中牟礼貞則 (g)、稲葉国光 (b)、佐藤允彦 (p)、小津昌彦 (ds)、1976年
2: 宮沢昭 (ts)、佐藤允彦 (p)、望月英明 (b)、森山威男 (ds)、松本治 (b.tb)、吉田憲治 (tp)、林研一郎 (flh)、鈴木正則 (flh)、皆川知子 (tuba)、南浩之 (frh)、高野哲夫 (frh)、1987年
3: 宮沢昭 (ts)、渡辺香津美 (g)、佐藤允彦 (p)、井野信義 (b)、日野元彦 (ds)、1981年
4-8: 宮沢昭 (ts)、佐藤允彦 (p)、井野信義 (b)、日野元彦 (ds)、1981年
9: 宮沢昭 (ts)、1987年

渋谷毅とのデュオ『野百合』はわたしの愛聴する1枚だが、それ以外のフォービート物はさほど聴きたいとも思わず、手放してしまってもいる。しかし、この録音を聴くと、宮沢昭というテナーマンがやはりトップランナーであったことが実感される。

1曲目は吹き込みの乏しかった70年代、2曲目はその11年後、同じ「Rainbow Trout」であり、どちらも、こんこんと湧き出てくるアイデアが何らの障壁なく指に伝わり、豊かなテナーの音を放っている。特に後者は森山威男のドラムスがフィーチャーされていて嬉しい。

4-8曲目は、『My Piccolo』録音前日のリハーサルである。「さあいくぞ」なんて掛け声があったり、日野元彦が叩き始めたところ「もうちょっと早く」と注文してリスタートしたり、「徹底的にやんないと大フリーになっちゃうから」「いや大フリーでもいい」とか話し合っていたりと、親密で愉しい。なんだか完璧主義者のようにも思える。『My Piccolo』はずいぶん前に借りて聴いて忘れてしまったのだが、あらためて聴き比べてみたいところ。

最後の曲は独奏。吹き終わりのフレーズと響きに特徴があって、寂しさも覚えてしまうのは、『野百合』と同じである。

●参照
宮澤昭『野百合』 


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