ジョン・ラッセル+フィル・デュラン+ジョン・ブッチャー『Conceits』(EMANEM、1987・1992年)を聴く。
John Butcher (ts, ss)
Phil Durrant (vl, tb)
John Russell (g)
ジョン・ブッチャーの活動としては初期の録音だと思う。とは言え、1983年にロンドンにおいてこのトリオを結成したというのだから、もう5年、10年目の記録ということにもなる。初顔合わせでもないのに緊張感で場が張り詰めており、同時に煮詰まっている感もあって面白い。音が妙にドライでもある。
何しろブッチャーがサックスから出てくる音を完璧に制御しているように聴こえる(倍音も擦音も共鳴も)。また、ラッセルのギターもさることながら、デュランのトロンボーンやヴァイオリンとのコラボレーションに特に耳を奪われる。ブッチャーは周囲の音に合わせてカメレオンのように姿を変化させる稀な人だと思っているが、それはこのあと発展していくのかな。
マドリッドで撮った写真が公式サイトに使われている
●参照
フレッド・フリス+ジョン・ブッチャー『The Natural Order』
ロードリ・デイヴィス+ジョン・ブッチャー『Routing Lynn』
ジョン・ブッチャー@横浜エアジン(2013年8月)
デレク・ベイリー+ジョン・ブッチャー+ジノ・ロベール『Scrutables』
ジョン・ブッチャー+大友良英、2010年2月、マドリッド
ジョン・ブッチャー『The Geometry of Sentiment』