4月3日 雨 22℃
ユネスコに登録されているドンホー版画の里、ドンホー村は、ハノイ市内から40km、紅河の支流ドゥオン河の堤防道路の両側に広がるのどかな田園風景のなかにある。
ドンホー版画とは、もともとお正月を彩る版画として用いられてきたもので、貧しかったベトナム人家族が、せめてお正月だけでも華やかに彩りたいという思いから生まれたものといわれている。
画材としては、風刺画や庶民の願いを題材としたものがおおい。
ドンホー版画を守り続けている一人、チェーさん
結婚式がテーマの版画と、紙の材料になるゾーという木の皮や天然の顔料、木版など
以前村全体で制作されていたドンホー版画は、何度もあった戦争の影響で、現在この版画で生計を立てる家は、2軒しか残っていないそうだ。
それに代わって村の生計をたてているものが、ハンマといわれる、なくなった人があの世で苦労しなようにとの願いを込め、火で燃やしてあの世へ送る紙の模型になっている。
それが、なんと3階建の家であったり、パソコン、クーラー、レクサス(車)、ホンダのバイク、きらびやかな洋服、靴、黄金の亀、なにもここまではというものまでの紙製品が作られ、軒先に釣られている。
見え張りのベトナム人の、現世ではもてないけど、あの世では持ちたいもの全部をもたせてやろうという、反面的なやさしい心のあらわれでもあるのか…
ところがこれがハノイで売られると結構なお値段がするそうで、家1軒30万ドン(1500円)位したという話をきいたが、燃やすためのものにここまでお金を使うのはいかがなものかと…思うのはわたしだけ?
すぐちかくにある、ベトナム最初の仏教の中心地で2000年前からあるといわれている、ブッタップ寺にもいってみた
筆塔
門の前でお迎えしてくれる狛犬?後ろにカエルもいる
朝からかなり強い雨の中、しかも地域全体が停電中なので、お堂の中は真っ暗でなにもみえない
カメラのフラッシュでああ、こんなお姿なんだとやっとわかる程度の観音様
この国宝級の千手千眼観世音菩薩像は、ハノイ歴史博物館とかにレプリカがあるが、本物の持つ威厳と美しさと気品にはおもわず手を合わせたくなるものがある
日本だったら空調温度管理の行き届いた場所で保管されるのだろうが、この観音様は野ざらし状態、指先は欠けているし、ほこりで汚れてもいる、それでもこの威厳をもっているということに感動を覚える
お寺といい、版画といい、長い伝統と格式をもっているはずなのに、ここにも戦争の影響が残っている。
この国の優先順位はほかにあるようで、文化が後回しにされていることに、寂しさを覚える
で、どうしたら連絡とれるのかしら?
そっか、メールします。