「県政オンブズマン静岡(静岡県庁の光と闇)~よりよき未来のために~」管理人のブログ

注)teacupブログから移転の2022年5月以前の投稿には、文字コードの違いから多くの文字化けがあります。

県の押し付け合併構想破綻

2007-11-19 22:12:18 | 日記
2006年2月に県の御用審議で答申された南伊豆地区合併構想は住民の反対の声で破綻した。
今日、対象の6市町(下田市、東伊豆町、河津町、南伊豆町、松崎町、西伊豆町)の内、東伊豆町と西伊豆町が、いずれも町民の声を背景に、構想からの離脱を表明したからだ。
振り返ればこれまでの県の姿勢は疑問符だらけだ。
地元の実情など考えず、ましてよりよき未来の姿を示し希望を与えることなく、合併しなければどうのこうのという恫喝と、もはや誰も信用しない県の示す目的のための数字(財政シュミレーション)によって、強引にただ「既にそう決まった」というだけで合併の方向に誘導しようと役人が空港張りに必死に成果を求めただけだ。
耐震偽装の設計書で強引に建設・販売させようとしていたに等しい。

知事はこの破綻の動きをけん制するかのように先週の会見で地域の中核となる医療機関支援の問題を「合併のテコになるかもしれないと見ていました」と、合併と医療を絡めている事実を認め、「先々困るのではないかと県が思っていても、地域のリーダー、人々がこのままでよいと言えば、それはそれで地方自治なのです。」と一見住民意思を尊重するかのように言いながら「本当に困ったと追い込まれないと動きが出てこないのはやむを得ない現象です。」とすぐに続け、何やら不穏当な兵糧攻めでも考えているかのような揺さぶりを見せた。
しかし、その結果はくだんのとおりである。

この件についてはこれまでに町民の何人かとも意見を交換したが、構想に反対の住民は何も単独でよいといっている人はほとんどない、「この枠組みならこういう理由で将来の展望がある」という希望のある合併を求めているだけだ。県がそれを示せないこと、住民のことを考えていない自己都合の構想であることがあまりにあけすけなのだ。

県はトップダウンの意思決定に慣れすぎて民主主義の本質を忘れてしまっている。確かにトップダウンは何も考えないで言われたとおりにやるだけという役人向きの手法であるが、このような自分達だけでなくその子々孫々の将来を決めるような問題はたとえ遠回りで煩雑であろうと、その主体である住民の声をボトムアップして構想を組み立てるべきだ。
そういう意味でも、強引な手法と虚偽の数字で突っ走ったあげく、失敗の見えてきた空港問題の与えた影響は大きい。
県が説得力ある言葉を持つためには、まず信頼の回復に向けた「責任」ある行動を示すべきである。


<参考>
「鈴与の厚顔、県の傲慢」
http://navy.ap.teacup.com/hikaritoyami/79.html#readmore
「上と合併?下と合併? 西伊豆町、東伊豆町」
http://navy.ap.teacup.com/hikaritoyami/75.html#readmore
「南伊豆地区6市町合併は衰退への序曲」
http://navy.ap.teacup.com/hikaritoyami/42.html#readmore
「合併しなければ・・・と県の脅し」
http://navy.ap.teacup.com/hikaritoyami/47.html#readmore

知事、静岡空港需要予測破綻を認める

2007-11-15 22:16:45 | 日記
石川嘉延はかつて「需要の推計数字の妥当性を批判する向きもあるが、水鰍ッ論に陥りやすい。我々の予測が間違っていないという論拠には、他の地方空港との比較がある。人口240万人の宮城県の仙台空港は大都市便を除き150万人、鹿児島空港は、120万人の利用者がある。静岡空港で120万~130万人の地方便利用を見込むことを過大とは思わない。佐賀空港や大館能代空港とよく比較されるが、周辺人口はそれぞれ100万人、30~40万人。少なく見積もっても200万人の静岡空港と比べるのは、かなりずさんといわざるを得ない。」(2001.01.17)http://www2.ocn.ne.jp/~sizuoka1/kukou4.html
と豪語し、ついには106万人という需要予測をもって土地の強制収用まで行った。
ところが、昨日の記者会見で知事は「開港時に耳をそろえるのは航空会社の採算を考えると難しいのかもしれない」(11/15毎日新聞朝刊)と事実上需要予測の破綻を認めた。
開港時に達成しなくてもいずれ達成すればよいではないか、という問題ではない。強制収用の前提となっている費用便益効果(費用対効果=公益性)は、開港時の106万人から右肩上がりに需要が増加することを前提にして計算されたものだからだ。
あれほど航空会社の収益性を考えない過大な需要予測だと批判され需要予測を現実的なものに見直せといわれ続けてきたにもかかわらず「妥当だ」の一点張りで強引に事業を進めておきながら何をいまさらと言いたい。
間違った予測で個人に損害を与えたばかりか結果的に県民を欺いた責任は誰がどうとるのか。
まさか、「やっぱりだめでした。」で済ますことはないだろうが、はっきりさせてもらいたいものだ。
また、この需要予測を是とし儲け話に乗った空港運営会社参加企業は県民に負担をかけることなく自ら責任を持って運営してもらいたい。スズキの会長のいう補助金に頼る「こじき根性」とやらは出さないことを祈る。

2007/10/21の件の詳解

2007-11-10 20:35:42 | 日記
2007/10/21のブログで「詳しくは後日詳解するが」としていた件についてである。

『高齢者介護施設における感染対策マニュアル』(厚生労働省ホームページ)の7.感染症発生時の対応の4)では、次のように明記されている。
http://www.mhlw.go.jp/topics/kaigo/osirase/tp0628-1/index.html
4) 行政への報告
施設長は、次のような場合、迅速に、市町村等の社会福祉施設等主管部局に、報告することとされています。あわせて、保健所にも対応を相談します。
(付録1 「社会福祉施設等における感染症等発生時に係る報告について」第4項 参照)
<報告が必要な場合>
ア 同一の感染症や食中毒による、またはそれらが疑われる死亡者・重篤患者が1週間以内に2名以上発生した場合
イ 同一の感染症や食中毒の患者、またはそれらが疑われる者が10名以上又は全利用者の半数以上発生した場合*
ウ 通常の発生動向を上回る感染症等の発生が疑われ、特に施設長が報告を必要と認めた場合
*同一の感染症などによる患者等が、ある時点において、10 名以上又は全利用者の半数以上発生した場合であって、最初の患者等が発生してからの累積の人数ではないことに注意する。
ただし、「社会福祉施設等における感染症等発生時に係る報告について」の原文ア~ウは、
ア 同一の感染症若しくは食中毒による又はそれらによると疑われる死亡者又は重篤患者が1週間内に2名以上発生した場合
イ 同一の感染症若しくは食中毒の患者又はそれらが疑われる者が10名以上又は全利用者の半数以上発生した場合
ウ ア及びイに該当しない場合であっても、通常の発生動向を上回る感染症等の発生が疑われ、特に施設長が報告を必要と認めた場合

と若干表現が異なる。

これら厚生労働省の通知に沿った指針を公開している社会福祉法人の実例として、
http://www.daijien.com/pdf/kansensyo-sisin.pdf
「感染症・食中毒の予防・まん延防止に関する指針 」の本文2ページ目には
<報告が必要な場合>
ア 同一の感染症若しくは、食中毒による又はそれらによると疑われる死亡者又は重篤患者が一週間以内に2名発生した場合
イ 同一の感染症若しくは食中毒による又は、それらが疑われる者が10名以上又は全利用者の半数以上発生した場合
ウ ア及びイに該当しない場合であっても、通常の発生動向を上回る感染症等の発生が疑われ、特に施設長が報告を必要と認めた場合
※ イについては、同一の感染症などによる患者等が、ある時点において、10名以上又は全利用者の半数以上発生した場合であって、最初の利用者等が、発生してからの累積の人数ではないことに注意。

他県の例としては、
http://www.pref.shiga.jp/e/kenko-t/noro/taiou.html

さらに、国立感染症研究所に寄稿の厚生労働省老健局計画課職員によっても、
http://idsc.nih.go.jp/iasr/26/310/dj3107.html
ある一時点で、10名以上あるいは、利用者の半数が発症あるいは疑われる場合であり、発症あるいは疑われる利用者の積算数ではない」との記述がある。

一方、本県の公表指針に沿った指針を公開している社会福祉法人の実例として
http://www.sunrich-mishima.jp/kansennsyo.pdf
2 公表対象基準
施設長は、次の場合は市担当部局及び東部健康福祉センターに人数、症状、対応状況等を報告し、指示を求める等の措置を講じる。
(1) 同一の感染症若しくは食中毒による又はそれらによると疑われる死亡者又は重篤患者が1週間以内に2名以上発生した場合
(2) 同一の感染症若しくは食中毒による又はそれらによると疑われる者が1週間以内に10名以上又は全利用者の半数以上発生した場合
(3) 通常の発生動向を上回る発生が疑われ、施設長が報告を必要と認めた場合

この根拠となった本県の公表指針というのが、「社会福祉施設等における感染症発生時の公表指針」というものであり、その中で
3 公表対象基準
「社会福祉施設等における感染症等発生時に係る報告について」(厚生労働省通知)により対象とされた報告基準のうち次の(1)及び(2)の場合
(1) 同一の感染症若しくは食中毒による又はそれらによると疑われる死亡者又は重篤患者が1週間以内に2名以上発生した場合
(2) 同一の感染症若しくは食中毒による又はそれらが疑われる者が1週間以内に10名以上又は全利用者の半数以上発生した場合

と基準を明記しているのだが、なぜ厚生労働省の基準と異なるより厳しい基準を定めたのか、そもそも報告の対象とならないものまでも公表するというのはどういう理由からなのか不明である。だいたい、「(厚生労働省通知)により対象とされた報告基準のうち」の「うち」という表現もおかしい。
もしかしたら誤りではないかという疑念もある。

そこで、静岡県厚生部福祉こども局地域福祉室(室長:森下博司)に対し、「ある時点」(発生動向や疫学曲線の単位でいえば日となる)と「1週間」との相違について施設指導基準の考え方の違いの根拠・理由を照会したのだが、11月21日のブログで既述のとおり、回答がいまもって一切ない。
厚生部全般とは言わないが、少なくとも地域福祉室(室長:森下博司)の職員は、説明責任という言葉を知らないらしい。そういう連中が施設の指導をしているのだから指導を受ける側が気の毒というものだ。
昨日まとめられた会計検査院の無駄遣いのワーストワンは厚生労働省だそうだが、上が乱れれば下まで乱れるのだろう。C型肝炎のリストの見過ごし(隠蔽?)もしかりだが、もう少し人間としての常識的な想像力を働かせて仕事をしてもらいたいものだ。

大義

2007-11-04 23:39:58 | 日記
なぜ大連立がこうもあっさりと批判されるのか。
法案が一本もまともに通らない今の状況を善しというのだろうか。
小沢氏に反発した民主党の方々は誰のために政治を行おうとしているのか。
政権をとることが一番大切な目的にのようにいうが、そうではないだろう。
国家国民のために何をしたいのかが最優先ではないのだろうか。
であるならば、少なくとも自・民両党による政策協議は政治として必然である。
国益という大義が異なっていない者同士がともに話し合って調整して法案化することに何の違和感があろう。
民主党は政権をとったらかつての自民党と同じ様に数で独善を通して行こうとでも思っているのだろうか。
総理大臣を取ることに意義を見い出す前によりよき未来のために今為すべきことを良く考えるべきである。
このまま対立による政治の停滞が続けば、解散による民主政権誕生以上に再編の方が現実的だ。