現職優位はあるにしても、直前2回の市長選では現職が大差で敗れ続けていた下田市長選挙。しかしそこには市役所移転場所など具体的で大きな争点があったからこそであり、投票率も67%以上となっていた。前回現職を破って当選した松木も相対得票率70%で圧勝していた。
今回は先日述べたとおり大きな争点がなく施策も抽象的で原則どおり現職優位が働いたようだ。
とはいえ、知事選ではあるが川勝が期を重ねるごとに支持を固めていったのとは逆に、松木市政は信任されたとはいえ、相対得票率は70%から51%に急落、しかも投票率も60.87%と低調で絶対得票率は31%にと、メッキが剥がれつつある状況である。
また、大票田の旧町(中心街)出身であることからその地盤を中心に逃げ切ったというのは浜松出身の鈴木康友に類似しており、今回支持の大きかった旧町、稲生沢、朝日地区住民の声ファーストでいくのかバランスを取るのかも県政同様に見ものである。
日本経済も先行き不透明で市長の支持(得票)も陰りが見え地区によっては市民の不満もより一層顕在化しやすくなる中、天の時も地の利も人の和もなく市の成長に結びつくような具体的施策が彼の思いどおりに為せるとは期待できない。どれほどの強権をもってしても、この国が自由主義と民主主義に立脚した法治国家である以上、市民個々の協力を得るのは難しくなりおそらく二期目の4年でできることは限られるだろう。故にこれまでの隠蔽や裏工作といった手法や費用便益比を示さない放漫財政を改められるのか、今後も監視を続けていきたい。