先週、浜松ドーム球場における知事の狙いについて「本心の全面ドーム球場(開放型ドーム球場は選挙用で光や音漏れを理由に自分以外に否定させる目論見)」と書いたが、早速役者が揃い県民向けの猿芝居が行われたようだ。
というのも、昨日26日の県議会で自民党の河原崎県議が風や照明の影響を理由に開放型ドーム案に疑問を呈し、これに対して鈴木康友知事も「密閉型ドーム球場に比べ、強風などの影響を受けやすい」とデメリットを認めたのである。公約違反との批判を抑え、全面ドームへ進む道が開けた瞬間である。
まさに「人栄え国亡ぶ 盲(めし)ひたる民世に踊る」状況だ。
また、ここで久しぶりに部局調整費(議会のチェックのない事業もできてしまういわば裏の予算)の使途について公文書開示を受けたので2部局(知事直轄、スポーツ文化観光)について紹介しておこう。
事前に知らされていないと自民党から川勝前知事が糾弾されるに至った県東部の文化施設についても新文化施設の整備を前提にした調査費用がこの部局調整費に盛り込まれているのがわかる。県議会が自ら予算統制の役割を放棄し、行政府に自由なお金を与えておきながら事前に使い道を知らせないと憤るのはイチャモンと言われても仕方ないのではないかと思う根拠である。
また、フランスに出張しラグビーW杯を誘致した費用も計上されているが、いつの間に誘致などという意思決定がなされたのか。県民の知らないところで決まって行動に移されるという、下田市の防災道の駅と同様で、権力者の奢りでしかない。
まさに「権門(けんもん)上(かみ)に傲(おご)れども国を憂うる誠なし
財閥富を誇れども社稷(しゃしょく)を思う心なし」の状況である。
時代は繰り返すというが、今ほどそう感じることはない。