「県政オンブズマン静岡(静岡県庁の光と闇)~よりよき未来のために~」管理人のブログ

注)teacupブログから移転の2022年5月以前の投稿には、文字コードの違いから多くの文字化けがあります。

またもや県職員の不適正事務で県民が損害負担

2014-10-09 18:08:00 | ノンジャンル
県は7日に「源泉所得税等の自己点検の結果」という報道資料を公開した。
内容は「自己点検の結果、一部の所属で10人(18件)、196万円余の徴収不足が判明した。」というもので、一見すると、事務の不適正があったことは分かるものの、県民に損害が及ぶとは見えないものだ。
ところが、その後の報道によれば、一部の事務所というのは沼津、富士、静岡、袋井の4土木事務所であり、源泉徴収漏れの分は報酬を支払った相手方から徴収して納めるものの、県が徴収漏れをしたことで納期に遅れたため納めることとなる「不納付加算税」65500円と「延滞税」61600円については、県が県民の税金で補填するとのことである。
つまり、現在県議会で審議中の県くらし・環境部水利用課による「虚偽報告や事務放置で1億8千200万円の損害を県民に与えた県職員に停職6か月、賠償1割の軽い処分で幕引き」事件同様の無責任公務員のつけを一般県民に押し付ける構図が再び繰り返されそうなのである。

問題なのはこれをだれもが他人事のように思っている意識構造である。
前回の水利用課の際の損害額は県民一人当たりにして48円程度であるが、もしこれを県民から直接徴収すると言ったら、なぜ県職員の不適正事務の損害を納めなければならないのかと苦情が殺到するはずである。
しかし、県予算という中から払うと言えば、今のように苦情を誰も申し立てないのである。
実際、税金が来年この分増えるかというとそれもない。
なぜならば、今ですら国と地方の借金は将来世代のつけになって現役世代は負担していないのであるから、将来世代の借金が何倍になろうが、それに伴って国家規模で財政破綻するなどして経済が混乱しない限り、他人事でしかないのである。
ゆえに、納税者である県民も、それを預かる県も、国から以下に予算をとるかは考えても、預かった税金を大切に使うなどという意識は働かなくなるのである。
まして、今回の損害は一人当たりにしたら1円にも満たない。県としては大したことではないとの認識なのだろう。

県行政においては、不適正事務が止まないだけでなく、倫理観の欠如がより促進されることであろう。
本来県民に代わってそういう問題を追及すべき議会ですら、以下の議案を素通りさせようとしているのだから、まさに自虐的状況である。

<国家賠償法>
第一条  国又は公共団体の公権力の行使に当る公務員が、その職務を行うについて、故意又は過失によつて違法に他人に損害を加えたときは、国又は公共団体が、これを賠償する責に任ずる。
2  前項の場合において、公務員に故意又は重大な過失があつたときは、国又は公共団体は、その公務員に対して求償権を有する。
(注:つまり、1割の求償で良いなどとは規定していないのだが・・・。)