「県政オンブズマン静岡(静岡県庁の光と闇)~よりよき未来のために~」管理人のブログ

注)teacupブログから移転の2022年5月以前の投稿には、文字コードの違いから多くの文字化けがあります。

静岡空港利用者の推移(開港6年目4か月)~ピーク年の約8割、過去の壁は未だ高く4か月連続で歴代3位~

2014-10-08 19:58:00 | 静岡空港
静岡空港利用者数(搭乗者数)の推移

(注)開港初年については月ごとの発表のなかった上海便各月推計データを加味した上で6か年を比較したグラフです。
以下、開港6年目の4か月目となる9月実績に基づき傾向を概観する。

<傾向等>
開港から6年目の9月実績は、ここ4か月の傾向に大きな変化は見られない。過去6年間で3位の実績が続いている。
利用者数は前年同月よりは伸びたものの、開港以来の9月の最高52,278人に対しては、これに約2割及ばず、過去の壁は高い。
県が当面の目標としている年間70万人を達成するには過去最高だった初年の年間63万人当時の記録を超えなければならないが、その気配すら見えない状況である。
国内線では過去最高を記録した路線はなく、国際線でも近隣空港との旅客争奪が激化している台湾線が就航3年目にして早くも頭打ちで減少、上海線のみ過去最高となったもののわずか223人増で記録更新しただけで、搭乗率は振るわず57.7%、県の手厚い補助金がなければ完全に赤字路線で、自立運行の見込みが見えない路線である。
唯一明るいニュースは、現在ソウル便の減少分をカバーしている6月からの天津航空(1便100万円補助)のチャーター便が、定期便化されるというものであるが、今より便が増えるというものではなく、現状の3位レベルを今後も維持することには貢献するものの、これだけでは利用者数増加にはならない。
もっとも、定期便化すれば、これまでは中国側の帰国便専用だった機が県民の訪中にも使用できることとなり、利用者数は増加しなくても今よりは少しはましな路線となることは事実であるが。

さて、路線ごとに見た過去6年間の9月実績のみで比較した順位と比率は以下のとおり。
札幌線8,515人   3位/過去6年(1位の平成21年12,796人に対して66.5%
福岡線10,594人  2位/過去6年(1位の平成21年14,196人に対して74.6%
鹿児島線1,728人  4位/過去6年(1位の平成23年2,756に対して62.7%
沖縄線5,331人   4位/過去6年(1位の平成22年5,784人に対して92.2%
ソウル線4,180人 6位/過去6年(1位の平成22年14,736人に対して28.4%
上海線3,449人   1位/過去5年(2位の平成22年3,226人に対して106.9%
台湾線3,082人   2位/過去3年(1位の平成25年3,795人に対して81.2%
また、上記路線以外のチャーター便を含む総利用者は43,799人で過去6年間で第3位、ピークの平成21年(52,278人+上海推計1,550人)に比べて81%であった。

国内線と国際線の過去6年間の推移を見ると、

定期便中心の国内線が2年目以降ほぼ横ばいで、国際線は増減を繰り返しながらも1~2万人の間をやはり横ばいである。

国内線の内訳を見ると、

札幌、福岡の両路線は初年度の壁が遠いものの福岡線には回復が見られる、沖縄線、鹿児島線は横ばい状態にある。

国際線にあっては、

上海線、台湾線がほぼ横ばい、ソウル便が激減するのと対照的に補助金優遇のチャーター便が急な伸びを見せて補填関係にあることが分かる。

では以下、今月の実績を記す。
<平成26年9月の実績:対前年同月比>
路線:搭乗者数対前年同月比(H26.9/H25.9):搭乗率[H26.9;H25.9](赤文字は搭乗率が65%を下回っており、税金補助がなければ路線存続が疑問視されるもの)

札幌線:111.2%(8,515人/7,654人):[63.5%;58.8%]
福岡線:110.1%(10,594人/9,624人):[72.4%;69.2%]
沖縄線:98.4%(5,331人/5,416人):[52.3%;52.2%]
鹿児島線:146.7%(1,728人/1,178人):[79.1%;63.5%]
国内定期便計:109.6%(26,168人/23,872人):[64.7%;61.0%]

国内線チャーター便計:-%(226人/0人):[89.7%;-%]

国内線計:110.6%(26,394人/23,872人):[64.9%;61.0%]

ソウル線:63.7%(4,180人/6,562人):[62.3%;51.0%]
上海線:163.5%(3,449人/2,110人):[57.7%;63.6%]
台北線:81.2%(3,082人/3,795人):[61.0%;70.6%]
国際線定期便計:85.9%(10,711人/12,467人):[60.4%;57.8%]

国際線チャーター便計:-%(6,694人/0人):[85.4%;-%]

国際線計:139.6%(17,405人/12,467人):[68.0%;57.8%]

全路線計:120.5%(43,799人/36,339人):[66.1%;59.9%]