「県政オンブズマン静岡(静岡県庁の光と闇)~よりよき未来のために~」管理人のブログ

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JR東海、川勝の空港新駅構想に「意味が分からない」と一蹴

2013-12-11 20:04:00 | 静岡空港
今日のJR東海の社長会見で山田社長は、7年後の東京オリンピックに便乗し静岡県知事川勝平太が設置の再考を持ち出し騒いでいる静岡空港新幹線新駅について、「意味が分からない」と一蹴した。

川勝の空港新駅構想は12月県会でも質疑が行われ、これまでの発言と併せ、要約すると以下のように知事は構想及びその理由を示している。

1 オリンピック期間中(17日間)の航空需要を首都圏の空港だけではまかなえないので、新幹線新駅を造って静岡空港が成田、羽田を補完する首都圏第三空港となるべき。
2 富士山が噴火すれば降灰のため東側の成田、羽田は飛行機が飛べなくなるが西側の静岡空港は使えるので首都圏第三空港にふさわしい。
3 静岡空港は南海トラフ巨大地震等の防災拠点であるので被災時の支援部隊などの輸送に空港新駅が有効。
4 JRの採算性を害しないように、新駅は原宿の御召列車用の駅同様、有事の際やオリンピックの際に使う(駅員を配置し開設する)だけでよい。
5 JRに陳情や誘致はしない。駅の必要性(富士噴火時やオリンピックの際の首都圏空港としての位置づけ)は国に訴えていく。

これらについてコメントすれば、
JRの社長も述べたが、そもそもわずかな期間のイベントのために何百億円も使って駅を造る必要性は何ら認められない。(今でさえ安い成田などの他空港に需要を奪われているのに片道7千円もの新幹線料金の追加負担ではいくらオリンピック時とはいえ需要は少ないだろう。)
さらに南海トラフ巨大地震の際に空港が防災拠点となるとしても、新幹線自体被災し、復旧後の新幹線を利用するとしても防災拠点への行き来という需要などほとんど見込めない。(そんなことよりも先に震災などによる原子力災害発生時の31Km圏内86万人の避難計画(避難路のインフラ補強含む)をしっかりしろといいたい。)
さらに滑稽なのは富士山の噴火であるが、川勝は噴煙が東にだけ向かうとでも思っているのだろうか。
2010年のエイヤフィヤトラヨークトルの噴火でもヨーロッパだけでなくアメリカ大陸にまで火山灰の雲が及んでいる。
まして静岡県は福島よりも西に有りながら、噴火よりもわずかな爆発にもかかわらず福島原発の放射性物質の被害を現に受けたではないか。
今月の放射性物質検査でも微量では有るが未だに、県西部の浜松市においてさえ、水に戻した後の乾しいたけや獣肉からセシウムが検出されている。
川勝の必要性の根拠はあまりに御花畑の発想で経営経験がないことを差し引いて学者として見てもお粗末きわまりない。
夢を語るのは大いに結構だが、現実をふまえた夢でなければ誰もついていかない。
まして株主責任を負っているJRにとってはなおさらだ。
税金使い切り体質の変わらない県のように採算性と関係のない経済波及効果だけで事業を行う民間企業はいないのである。
意味のない新駅に税金を使うくらいなら、いくら有っても足りない道路や橋といった生活インフラの老朽化対策に回した方が賢明だ。