わにの日々-中西部編

在米30年大阪産の普通のおばさんが、アメリカ中西部の街に暮らす日記

コロンバスの図書館

2017-08-31 | アメリカの街の暮し
 しょっちゅう前を通りかかるたびに気になっていた図書館へ行ってみました。まだ建ったばかりらしい、新ピカなガラス張りの建物です。いつもは、自分が住んでいる市の、ややくたびれた図書館に行くのですが、同じコロンバスの図書館システム内なので、借りてたDVDの返却がてら、少し足を延ばしてみました。

 少し危険な地域と評判の低所得エリアにありますが、主要道に面しているので、図書館そのものが危険な感じはありません。広々とした駐車場のアスファルトも新しくて、やはり新しい図書館のようです。ガラス張りの壁で仕切られた会議室と小部屋が並び、フロア中にリラックスできそうな椅子や、小テーブルが散らばる真新しい館内は、びっくりするほど、本が無い

 図書館というよりは、コミュニティーセンターとしての役割が中心のようです。この辺りでは新学期が始まったばかりで、小部屋は家庭教師と勉強中の子供達、テーブルはグループ学習中らしき中学生や高校生、沢山ある椅子も全て子供達で占められ、随分と盛況な模様。学校から帰っても、親は仕事に出掛けていないし、塾やスポーツにも参加していない。そんな、ギャングや犯罪に足を踏み入れる機会の多い子供たちも、図書館で過ごせば、そんな危険や誘惑から遠ざける事ができます。黒人やラテン系、カラフルな民族衣装のインドやアフリカからの移民の子供たちが占めていますが、司書さんと宿題を手伝ってくれる大人達は白人ばかり。

 昨年の大統領選挙時から覗き始めていた、アメリカの人種差別主義的な一面が、トランプ政権になってからは、堂々と曝け出されているようになりました。私がたまに行く、もう一つの図書館は、比較的、裕福な地域であるNew Albanyという地域にありますが、ここは、ちゃんと本やDVDが豊富に揃えられた、変な言い方だけど、普通に図書館らしい図書館。

 ここではお母さんに連れられた小さな子供たちが多いです。人種による棲み分けは明白です。低所得層の住む地域では有色人種や移民が多く、裕福な地域は白人が多い。典型的な都会の光景。ちなみにこのニュー・アルバニー図書館は、地元の有志の呼びかけで、コミュニティーが作った図書館だそうです。

 ならば低所得層の白人は何処にいるかというと、一概には言えないけれど、例えば、私がつい最近までいた農村部。有色人種が殆ど見当たらず、保守的なエリアで、貧しいとまでは言えずとも、一部を除いては余裕のない暮らしぶりの人口が占める田舎町では、圧倒的にトランプが支持されています。

 今までは、おおっぴらにできなかった「黒人は優遇されている。自分は白人だから逆差別されている」という不満が、あちらこちらで吹き出している。そして、トランプは、いくら批判されても、彼にとっての票田であるの白人至上主義者たちの支持を護り続けるために、今後も同様の政策方針を変えないでしょう。さぞや巨額を費やしたらしいコミュニティーセンター/図書館のような施設は、今後、増やすのは難しいかも…と、思いました。世知辛い世の中だねぇ…

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