視人庵BLOG

古希(70歳)を迎えました。"星望雨読"を目指しています。
TwitterID @seibou_udoku

観光コースでないベルリン―ヨーロッパ現代史の十字路

2009-04-17 10:55:11 | 2009ドイツ旅行
観光コースでないベルリン―ヨーロッパ現代史の十字路
熊谷 徹
高文研

このアイテムの詳細を見る


ドレスデン、ベルリンを訪ねた旅行から戻ってはや一ヶ月。
何か欲求不満の感覚が拭えませんでした。特にベルリンについては・・・・?
もちろんベルリンには3.5日しか滞在せず、それでベルリンを満足しようとするなんてもってのほかですが。

欲求不満の元、それが何だかずっと思っていたのですが、この本を読んで何だか解ったような気がしました。

「今のベルリンで"東ベルリン"の歴史がよく視えない!?」

ドイツを旅したのは3回目です。
最初は1987年頃、当時の西ドイツ、ロマンチック街道をツアーでまわりました。
2回目は1991年、東西ドイツ統合後、亡父の希望でヘルマン・ヘッセの足跡を視てまわるため、シュツットガルトに滞在してレンタカーを借り、ヘッセの生まれ故郷のカルブ、「車輪の下」の神学校があるマルブロンなど近郊の都市を訪れました。
ドイツ語は読める父と、カタコト英語と車の運転しか出来ない小生の珍道中でしたが、今となってはいい思い出です。
そのときのドイツは東西ドイツ統一後のすざましいインフレ状態でした。

今年はベルリンの壁崩壊から20年にあたります。

今回、ベルリンにきて逆に気がつかなかったことは、東ベルリン時代の痕跡の匂いです。

この本を読んで判ったことは、ベルリンもやっと東ドイツ時代の歴史の痕跡を街角に記録すべき作業が始まったということでした。

ドイツ語の出来ない一介の旅行者には、新しさに隠されてしまったそれらの歴史の"痕跡"に気づくことはとても無理でしょう。

小生が高校生の時読んだ、ジョン・ル・カレの傑作スパイ小説「寒い国から帰ってきたスパイ」の初版ハードカヴァー表紙に載っていたブランデルグ門は交通量の多い街中にありました。
主人公のイギリス諜報部員から事務職にまわされたアレック・リーマスが見たブランデルグ門はどんな風だったのでしょうか?

下、旧西ベルリン側から視たブランデルブルグ門


ほかにも先日小生も見に行った映画「ワリキューレ」で初めて撮影が許可された、ヒットラー暗殺首謀者のシュタウフェンベルグが勤務していた「ベントラー・ブロック(旧ドイツ帝国海軍局)」など、今のベルリンであまり思い出したくない歴史の遺跡が数多く紹介されています。

この本、本屋に並んだのは4月にはいってからなので、ドイツに行く前に読むことは出来ませんでした。
次回ベルリンに行く機会があったときは、この本を片手に歩いてみたいと思います。

オペレーション・ワルキューレ 予告編 (日本版・ビデオ用)

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 朝日ジャーナル創刊50年 | トップ | こんな船旅がしたい!! »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

2009ドイツ旅行」カテゴリの最新記事