視人庵BLOG

古希(70歳)を迎えました。"星望雨読"を目指しています。
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伊藤若冲&清水次郎長&生命の星・地球

2010-04-23 13:04:25 | 伊藤若冲

昨日、静岡県立美術館で開催中の「伊藤若冲アナザーワールド」を視にってきました。
一昨日より20度近く低い温度、横殴りの雨の中を満車近い駐車場から会場まで歩くのは辛かった!

静岡県立美術館、リニューアルオープン記念ということで、大学生以下は無料でした。
早速、放送大学の学生証を活用しました。これはラッキー!

若冲展は結構開催されているので視慣れた画も多いですが「樹花鳥獣図屏風」は会場が空いていたので、ゆっくりと会場をさがって視たり、ガラスに顔を近づけて視たりと、結構時間をとることが出来ました。
あと佐野市立吉澤記念美術館が所蔵している「菜蟲譜」を久しぶりに視れたのが嬉かったです。


展覧会カタログは最近は展覧会にいっても買わないのですが今回は購入しました。金2000円也。
このカタログに伊藤紫織氏が書かれた"「唐画」としての伊藤若冲"という論文が掲載されており、俗に"孤高"の画家と言われる若冲も、中国や一説には朝鮮の画にも影響を受けたと言われる、若冲の画風の源流を論じています。
展示にも「若冲前史」というコーナーがあり、若冲の人物画への影響が考えられる川村若芝(17世紀後半)の人物画(上写真右側)や、竹や鶴の表現への影響が考えられる大岡春トの「画巧潜覧」(上写真左下)などを視ることが出来たのは収穫でした。

参考:「朝鮮王朝の絵画と日本 宗達、大雅、若冲も学んだ隣国の美」展


美術館を出て清水港近くにある「清水次郎長の船宿 末廣」を視にいきました。
清水次郎長というと浪曲に出てくる江戸時代のヤクザというイメージが強いですが、幕末から明治維新にかけて活躍した実在の博徒です。


上写真に展示されている写真は左から清水次郎長、妻のおちょう、第一の子分の大政です。
幕末から明治維新にかけての動乱の時代、暴力集団としての博徒という裏街道を生きた人たちがどのような処世術で時代をのりきったかは興味深々なテーマです。


清水次郎長は維新後、清水港振興に活躍し、老後は清水港に来航する英米船員に対応する人材養成のため、日本で最初の英語塾を開講するなどさまざま事業をおこない、明治26年74歳で畳の上で大往生をとげたそうです。上写真は英語塾の様子。


東京へ戻る途中、豪雨の中箱根ターンパイクを走って箱根新道出口近くの「神奈川県立 生命の星・地球博物館」によりました。
箱根にツーリングにいくときよく案内板は視ていたのですが、現在受講している放送大学講座「太陽系の科学」に博物館が紹介されて興味を持ちました。
大変広い博物館で地質関係の展示は優れていると思います。次回はノンビリ視にいきたいです。


自宅までのドライブは清水次郎長記念館で購入した2代目広沢虎造の清水次郎長伝を聴きながらでした
小生、浪曲大好きです!


清水次郎長――幕末維新と博徒の世界 (岩波新書)
高橋 敏
岩波書店

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百花若冲繚乱(こんぴらさん)

2010-03-29 15:01:53 | 伊藤若冲


視てまいりました!感じてきました!「百花若冲繚乱
「花丸図」よかったァー!!

先週の金曜日夜、三鷹ネットワーク大学で行われた「みたか星空散歩」で、昨年末受講した4D2Uナビゲータ養成講座仲間が再演した「"家族写真"送り届けたボイジャー」を視て、雨の東京を"マイ軽キャンパー"で出発しました。
雨の東名は年度末の金曜日夜のせいか(?)10tトラックや大型コンテナトレーラーが数珠繋ぎ100km平均でマイ軽キャンパーの横を飛ばしていき、コワーイ、コワーイ!!

途中、何度も行くのを挫けかかりました(悲)。
太陽系外に旅立っていったボイジャーの心細い心境でした(笑)。

そして土曜朝の大阪神戸の渋滞にうんざりしながら淡路島を抜けて四国にはいり12時前にこんぴらさんにつきました。

3月27日(土)のつぶやき」参照

まずは昼飯!とういうことでお決まりのさぬきうどん、トッピングはレンコンとじゃ子天です。

腹ごしらえも出来たところで、1300段を越す石段を登りはじめました。
参拝の老若男女の波、参道両脇の虎の木彫りを置くお土産屋、5分咲きの桜並木、お爺ちゃんの手をひく孫、格好は"今"風だけど何故か素朴な顔つきのカップルetc.,etc.
雰囲気はまさに昭和30年代!?信仰がまだ生きている空間にいる自分を感じながら石段を登っていきました。

そして第1会場の表書院前で入場券を購入。上写真の上の絵葉書です。

最初表書院で丸山応挙の猫のような虎を拝観し、奥書院上段の間へ茶室側から入りました。

上写真下側の絵葉書が「花丸図」がある奥書院上段の間です。
右側の襖は今、はずされて第2会場のガラスケースの中に展示されています。
拝観者は「花丸図」を絵葉書左側で右側の襖がはずされた間から視る形となります。

小生がいったときはなぜか拝観者がおらず、小一時間ほど座して拝観しておりました。

この絵葉書の側が明かり窓となっている以外、外から光が入ってくる様子はないようでした。

外されて第2会場に展示されている襖を閉めて、上段の間に座し、四方に描かれた若冲の花丸図を視る心境(?)はどんなものでしょう?

小生だとしたらそれは至福の時に違いありません。

美術館では絶対に味わえない若冲空間に自分を置くことが出来た"旅"となりました。

「花丸図」通常は非公開ですのでぜひご覧になることをお勧めします。(6/13まで)

「花丸図」については2008年にフランス国立ギメ東洋美術館で開催された「こんぴらさん 海の聖域展」のホームページをご覧ください。


コメント (2)
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若沖展 相国寺

2007-05-28 12:56:49 | 伊藤若冲
伊藤若沖が相国寺に寄進した動植綵絵30幅と釈迦三尊像3幅が相国寺の美術館で6月3日まで公開されている。先週このことを新聞で知って、慌てて今朝東京をたって9時半前に相国寺についたがすでに30分待ち。
動植綵絵は昨年皇居で展示時期をわけて展示されているの視てはいるが、こうして一同にかいして視るとホント壮観である。
いままで見損なっていた作品もありこういう機会はまずないだろう。しかし凄い混みよう!!
帰りはいつものごとく、若沖ゆかりの錦市場にいき前回は食べ損なった八百屋「かね松」の野菜弁当を食べる予定。これも1時間待ちで、新京極のマックで今これを書いている。
暑くなく寒くなく京都はホント観光シーズン。前のテーブルには修学旅行生らしい女学生が談笑している。
これで明日からの面接授業がなければもう少し京都にいるのだが....
相国寺で試しに放送大学の学生証を出したら学生料金で入れた。学生証有効活用しなくちゃ!

P.S.
一時間待ちで食した「かね松」の野菜のみの食事、豆腐のつみれ焼きがメインです。湯葉こんにゃくが美味でした。



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プライスコレクション 若冲と江戸絵画展

2006-07-10 04:55:57 | 伊藤若冲

7/8,東京国立博物館で開催されている「プライスコレクション 若冲と江戸絵画展」にいってきました。
当日はジョー・プライス氏の記念講演会があり、応募したら抽選に運良く(倍率3倍!)当たったので、博物館開門と同時に入場し、ゆっくり作品を鑑賞して、法隆寺宝物館に出来たレストランで昼食をとって講演会に臨みました。

講演はジョー・プライス氏が作成したDVDをスクリーンに流して、ところどころで司会の質問に答えるという形式で、チョットビックリしました。
詳しい内容はいつもお世話になっている、「弐代目・青い日記帳」を読んでいただくとして、小生が若冲の作品に感じていたことが、少し解ったような気がした部分について書きたいと思います。

それは若冲の作品に「写実的でないのに実物を見ているようだ?」といつも思っていたことでした。
プライス氏がDVDの中でかたっていた、若き日々フランク・ロイド・ライトから学んだ、「自然界にあるもの(植物、動物)すべては力学的に整合性がとれている」というのがキーワードでした。
花びら一枚でも、その花のこの位置に在り得るのは、「力学的整合性があるからだ。」ということです。

若冲の絵には視覚的なリアルでなく(勿論スーパーリアリズムの作品もありますが)、墨の線一本で描かれた動植物がリアルであるのは、若冲が写生したそれらの動植物のその位置における、自然界の力学的バランスを忠実に描ききっているからだと思えてなりません。

これこそが、若冲の模作、贋作と本物を見極める大きなポイントである点であるという氏の話は納得できました。

いつまでもいつまでも鶏を観察していたという、観察の天才(オタク)。
それが若冲の最大の魅力です。


コメント (3)
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「花鳥-愛でる心、彩る技 <若冲を中心に>」

2006-05-15 05:05:34 | 伊藤若冲

週末、三の丸尚蔵館で開催されている「花鳥-愛でる心、彩る技 <若冲を中心に>」 展を視にってきました。
若冲が相国寺に寄進し、明治維新後皇室に移された「動植綵絵」30幅を6福づつ5期にわたって展示しています。(3/25-9/10)
お目当ては「梅花皓月図」「梅花群鶴図」です。明るくない満月とお尻しかみえないオシドリ、面白いです。
この展覧会については「弐代目・青い日記帳」さんのブログをご覧ください。とても参考になります。

今年は東京国立博物館で開催されるプライスコレクション「若冲と江戸絵画」展(7/4-8/27)もあり楽しみな年になりそうです。
また同展覧会に先立って開設されているジョー・プライス氏による出展作品109点すべてを解説されているコレクションブログは必見です。

コメント (1)
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