昨年度も参加して非常に勉強になったぐんま天文台の「天文学校」に今年度も参加しました。
「平成18年度 ぐんま天文台 天文学校「星の動きを調べてみよう」
参加者募集のお知らせ」より
星の距離と動きを観測によって決めることは基本的なことですが、地上からの観測では近傍の星しか十分な精度がでないこと、測定に長い期間を要するなどの理由で、測定できる星はごく近傍の星や星団に限られていました。しかし、1989年に打ち上げられたヒッパルコス衛星の活躍により、飛躍的に多数の星について距離と動きが測定されました。これにより、たとえば、近くにあると考えられていた星の多くが実際はより遠くにあることがわかって、太陽付近の星の数が大きく見直されることとなりました。2020年代には、GAIA、JASMINEなどの新しい衛星望遠鏡による観測が計画されていて、天の川の大きさに匹敵するような広い範囲にわたる大量の星について、星の距離と運動が測定されることが期待されています。
平成18年度の天文学校では、身近な星団であるヒヤデス星団の星々の運動の測定を体験し、これらの基本的な測定からどのようなことがわかるか、そして将来、どのようなことがわかってくるのかを考察します。
日 程
第1回 10/29(日) 10:00~17:00 ガイダンス
第2回 11/11(土) 18:00~27:00 (曇天雨天の時は翌12日に順延) 観測
第3回 12/ 9(土) 10:00~17:00 データ解析
第4回 1/13(土) 10:00~17:00 (平成19年) 考察
利用ソフト マカリ、エクセル
担当講師の長谷川先生へ
今回の天文学校では大変お世話になりました。
ヒアデス星団の固有運動を測るというテーマは、小生のようなビギナー天文ファンにはちょっとハードかなというのが送られてきたテキストを読んだときの最初の印象でした。
予習として課題をいただきましたが、まともに回答できなったのが実情です。(これが現在の小生のレベルなのでしょう)
第1回の講義でこの講座の目的、必要な天文の知識、使用機材、使用ソフト
Makaliの使用法について講義を受けましたが、必要な天文の知識の部分はもう少し時間がほしかったです。
Makaliについては
別の講座で使用していたので割と理解できました。(でもチャンとメモをとっていなかったので後で苦労しました)
第2回で65cm望遠鏡を使用してのCCD撮像。いい天気でしたね。でも寒かった。
12月に
65cmの使用資格講習会を受講した小生にとってはプレ講座として役にたちました。
第3回で撮像データの前処理、
ヒッパルコス衛星のデジタル星図との比較処理を実習しました。
デジタル星図の存在なんってまったく知りませんでしたからとても新鮮でした。
そして冬休み中、課題の星のデータを前処理、測定、測定結果の集計をこつこつと自宅でおこないました。
第3回にちゃんとメモをとっていなかったので、作業は試行錯誤の連続でした。
(上写真:右側 65cm望遠鏡での撮影画像(HIPPCS19316)、中央 デジタル星図
(The Aladin Sky Atlas)検索メニュー 左側 撮影に対応したデジタル星図)
でもそれは自分のために大変勉強になったと思います。
(何度挫折しそうになったことか・・・。解らなくて長谷川先生にメールをいれようと思ったこともあります)
第4回の講義。各自の担当星の移動を星図チャートに記入していきます。
自分の測定結果(HIPPCS19316)を星図チャートに書き込んだときは感激しました。一マス、100ミリ角秒です。
(36000年後とはいえ、こんなに移動するんだ!)
そして各受講生がもちよったデータを星図チャートにまとめたときの結果は大変印象的でした。
星図チャートから矢印の収束する位置を推定することが出来ます。その位置と測定星との角度、そして測定星の視線方向の速度(ドップラー効果で測定できる。今回は実施せず。残念!)測定星の固有運動の接線速度が解ればヒヤデス星団までの
距離が測れます。
長谷川先生の星図チャートからの講義は、なにがこれらから研究テーマとして考えられるか知りました。そして「研究」というもののスタンスを学べたと思います。
全体をとうして、はっきりいって小生のレベルではそうとうきつかったですが・・・・
でも、次にやりたいこと、ぐんま天文台の機材をつかって出来そうなこと等のイメージをもつことが出来たのは収穫だと思います。