視人庵BLOG

古希(70歳)を迎えました。"星望雨読"を目指しています。
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ぐんま天文台天文学校第3回(2/21,22)

2009-02-26 02:27:58 | 天文関係

初日は150cm望遠鏡で観測対象のスペクトル撮影です。
風は強かったものの、幸い天気はよかったので撮影出来ました。小生は冬の明るい恒星(シリウス)を高分散分光器を使用しての作業となりました。下写真は150cm望遠鏡での一般観望の最後のターゲットだったM82銀河に,望遠鏡がそのままセットされていたので、スペクトルガイドのディスプレイにM82が写されています。縦の白いガイド線の傍の黒い線がスペクトルのスリットの位置です。

 

小生の順番の前のかたが作業しているターゲットの恒星です。黒い線がスリットの位置ですが、気流の乱れで恒星が少し動くので、手持ちのコントローラーで撮像中(120sec位)追尾しなければいけません。

スペクトル撮像後のCCDのデータです。左側の線から右側の最後の線まで、波長別にスペクトル情報が記録されています。このデータをIRAFを使って整約作業をします。望遠鏡の操作、分光器の操作はすべてこのUNIX画面上からコマンドを打ち込んで行います。

翌日はサンプルデータのスペクトル作業を続けました。自宅でした比較光源(Th-Ar輝線)の同定結果をH先生に見せると同定作業の失敗が判明。
戦意喪失しましたが、気を取り直して再度Th-Arアトラスを借りて、同定作業を行いました。まあオーダーをひとつ飛ばしに同定する荒っぽい作業でしたが。
そしてサンプルデータ(BetOri:リゲル)のスペクトルの一本化までの作業は完了しました。とりあえず整約作業の一次処理は体験できたようです。

土曜日夜半過ぎ、ドーム外にでると、土星の少し下に双眼鏡でルーリン彗星を確認しました。尾っぽははっきりと見えませんでした。肉眼では無理でした。
国立天文台の「ルーリン彗星見えるかな?」キャンペーンに報告しました。報告完了でダウンロードできたPC用壁紙です。

昨年秋からメーリングリスト上でのIIRAFインストール作業指導、ぐんま天文台でののべ5日間ご指導いただいたH先生、K先生そしてぐんま天文台ありがとうございました。
関東では最大口径の150cm反射望遠鏡と、すばる望遠鏡でも使用されているエシェル高分散分光器を使用しての観測&取得したスペクトルデータ整約作業の体験という、アマチュアとしては考えられない、非常に貴重な経験をさせていただきました。
感謝、感謝の一言です。

今後、放送大学の卒業研究等にこの経験が生かせればと考えています。
これから撮影した膨大なデータの整約作業をこつこつとしていきます。
更にご指導よろしくお願いします。

ぐんま天文台天文学校、今回で4年目の参加ですが、ぐんま天文台を取り巻く厳しい状況のなかで次年度の開催は危ぶまれています。小生を含め、今までの天文学校参加者のかたが何か存続へのアッピールが出来るとよいのですが・・・・・?

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2月26日(木)は星と風のサロン「アスメンの夕べ」です。

2009-02-24 19:30:05 | アスメン・星と風のサロン
2月26日(木)18:30-20:30
タイトル:
すばる望遠鏡 「第2の太陽系への挑戦」
~観測天文学者(のタマゴ)vs理論天文学者(のタマゴ)~

 私たちが住んでいるこの銀河系には、なんと1000億個もの星々があると言われていますが、「宇宙人」は私たちだけなのでしょうか?少なくとも、太陽系に似た惑星系があれば、ひょっとしたら生命が住める星もあるかもしれませんね。今、まさに進行中の「第2の太陽系探し」プロジェクトの最新情報を、そのプロジェクトに関わる研究者のタマゴたちに語ってもらいます。

スピーカー:
橋本淳さん(総妍大大学院)、松倉大士さん(東工大大学院)
そして野沢由衣さん(日本女子大)がファシリテーターとして参加されます。
国立天文台定例観望会のスタッフとして活躍されている皆さんです。

今回は橋本さんが読売新聞webに寄稿された系外惑星のお話です。
http://www.yomiuri.co.jp/space/astronomy/20090105-OYT8T00273.htm

平日ですが三鷹市近郊のかたは是非覗きにきてください。

「星と風のサロン」については下記ホームページをご覧ください。
http://www2.bbweb-arena.com/hshcafe/index.htm

P.S.
小生も「アスメンの夕べ」スタッフとして企画運営に少し関っています。


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スーパーマリン・スピットファイアのすべて―オーナーズ・ワークショップ・マニュアル

2009-02-23 20:19:03 | 読書
スーパーマリン・スピットファイアのすべて―オーナーズ・ワークショップ・マニュアル
アルフレッド プライス,ポール ブラッカー
大日本絵画

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第2次世界大戦の名戦闘機スピットファイアを個人で所有して、実際に飛ばそうと思っている人達のためのマニュアルです。
日本では荒唐無稽な話と一笑されそうですが、昨年リノエアレースを視て来た小生にとっては、日本人でもアメリカで持つなら可能か?と思えます。
勿論、小生にはそんな財力、気力はありませんが。

でもこの種の本が、やっと日本語に翻訳され日本で販売されるようになった、
というところに、日本の科学技術文化の成熟度向上の一端を見ることが出来るかもしれません。
20世紀の産業遺産を関連企業や団体で無く、そこで働いていたり、使用していた人達によって保存し、動可能な状態で維持をしていくという、カルチャーを欧米諸国と比較するのも面白いです。



数年前ルート66走行中、訪れたPLANES OF FAME AIR MUSEUMのスピットファイア。
本当に美しい機体だ!


P.S.
フロリダには複座に改造したP51ムスタングを3500ドル位で体験搭乗させるスクールがあるそうです。もともとはP51オーナーのためのトレーニングスクールのようですが・・・・・
乗ってみたい気持ちはあります。
でも失速回復訓練などやられたら一気に吐くだろうな・・・
昔、グライダーで経験済み(悲)。

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宇宙史の中の人間 (岩波市民大学 人間の歴史を考える)

2009-02-21 06:29:11 | 放送大学
海部先生の授業「宇宙の中の惑星と地球」では、使用されたパワーポイント約300枚をコピーしたものを授業資料として使用しました。
2009年現在の最新の天文学の成果が紹介されていたと言ってよいです。
これを手にいれただけでも岡山までいった価値はありました。

それに加えて、たまたま蟲文庫で手にれた本。

宇宙史の中の人間(岩波市民大学 人間の歴史を考える①)

海部先生が1993年3月に出された本です。
今回の授業から約16年前の、当時の最新の宇宙研究の成果をもとに書かれています。
海部先生の今回の授業受講後読んでみると、16年間いまだに重要な研究テーマと、新しい研究課題が見えてくるようなきがします。
まずすでに10次元(当時は10次元で仮定されていた)としての超弦理論が紹介されていたのは驚きです。
それにたいして、分野は違いますが、月の生成については京都モデルにのっとって地球と同じように生成されると仮定されていて、ジャイアントインパクト説は紹介されていません。まだコンピュータシュミレーションが発達していなかったのでしょうね?
当然ですが、1995年に発見された系外惑星については、その可能性および観測法の開発にはふれられていますが,その成果については触れられていません。

海部先生の授業を受講して、系外惑星の発見が、ここ16年間の天文学の成果として一番インパクトのあるものだったと思えてきました。

今回、この本を蟲文庫で手にいれられたことは大変ラッキーでした。

宇宙史の中の人間 (岩波市民大学 人間の歴史を考える)
海部 宣男
岩波書店

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苔とあるく

2009-02-20 05:29:27 | 星望★雨読
苔とあるく
蟲文庫店主 田中美穂
WAVE出版

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倉敷を訪ねた理由のひとつが「苔とあるく」の著者、蟲文庫店主 田中美穂氏とその愛猫に会うことでした。

苔(蘚苔類 Bryophyta)、隠微な印象でほとんど気にかけていませんでしたが、放送大学の授業で藻類や菌類が系統的に独立した生物群であることを知りました。

「苔とあるく」のあとがきに、
「進化の主要な道筋からはずれてしまった蘚苔類は、謙遜して独自の新しい生活環をつくりだした:Dr.コーナー 植物学者(英)」と書かれています。

「苔とあるく」
イラストも豊富でパラパラとめくっているだけで楽しく、「苔」の生き様に惹かれていきます。小生のベッドサイドにいつもあります。
ミーハーな小生、苔の観察を楽しみのヒトツにしようと思いましたが、結局本で紹介されているデジカメGX100を購入しただけで頓挫状態。
 田中氏によると、今度埼玉で氏の苔観察会があるそうなので、参加したいと思います。

「蟲文庫」のホームページに著者の田中氏が書かれているブログ「蟲日記」で、古本屋での日々の出来事や、愛猫のナドさんミルさん、そして亀さんのコメントや写真に、氏の愛情が溢れ出ていて、とても楽しく読んでいます。

一度蟲文庫を訪ねて氏と愛猫に会ってみたいと思っていました。



蟲文庫。街灯の傘がなんともレトロでいいです。横の自転車の籠にナドさんを載せて通勤されているのでしょうか?


残念ながらナドさんは居られなかったが、田中氏のサインをいただきナドさんの似顔絵を書いてもらいました。


更にナドさんの若い頃(?)の写真をいただいて感激!
最近のナドさんは「蟲日記」に登場しています。


帰り、倉敷の古い街並を歩いて立ち寄った酒屋で見つけた清酒。
名前に惹かれて購入してしまった。
帰宅後、チビチビ舐めながらこれを書いていました。


P.S.
倉敷、前何時来たのだろうと日記をひっくり返してみたら丁度10年前の1999年5月。
そのときも大原美術館を訪れていたが、日記に書かれていた感想が、今回美術館を訪ねての印象と、まったく同じ!?

全然進歩無し!・・!

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